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外構工事・その2
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 1月12日、またまた、安房の海岸(以前行ったのとはまた別の場所)に石拾いに行った。
 その時、娘が拾ったものがこれ。(ゴミだけじゃなく、ちゃんと真面目に石も拾ってくださーい!)
 最初はなんてファンキーなボールだろうと目を丸くしたのだが。
 実はこれ、はるか遠い南の国で、壊れたのを一生懸命修理して使っていた物じゃないだろうか。丁寧な穴の開け具合に苦労の跡が偲ばれる。そんなに大事に使っていたのに台風で海に流されてしまい、はるばる日本に流れ着いたのか?
 日本人が、物が壊れたらすぐ捨てて、100円ショップで買い直せばいいと思うようになったのも、たかだかこの20~30年だろう。僕が小さい頃はまだ、鍋が壊れてもすぐに捨てることなく、犬の飯のお椀に再利用されたりなどしていたものだよなあ。
 
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 今回拾う石は、2段目(宅地部分)から3段目(畑予定地)までのスロープに使う予定。
 そこは当初砂利敷きだったのだが、大雨のたびに道が削れて、もはや廃道になった林道のような有様。そのためプロの手を借りて今回舗装しようと思うのだが、ただのコンクリート敷きでは情緒がなさすぎる。本当は小瀬田の「古都蕗」のような石畳にしたいのだが、さすがにあの労力を考えると挑戦できない。なにせ「古都蕗」さんは石畳の道と建物をすべて自作するのに、7年かかったらしい。我が家の道はあそこまで距離はないが、それでももし人に頼もうものなら、軽く数百万円は越す手間仕事じゃないか?
 そこで、妥協の産物として、コンクリートの中に、点々と自然石を埋め込むことにした訳だ。発案者の設計士も一緒に一家で安房の海岸へ。平らな面のある石を探しては防波堤上に並べ、一輪車で回収する。ミニキャブミーブで3往復、1.5トン位運んだ。

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 運んだ中から、使えそうな石を厳選。数えてはいないが、大体200個位?これを、砕石を敷き詰めた上にいったん仮置きして、並べる間隔をイメージする。最後に、石を型枠の脇にどかして生コン搬入日に備える。
 
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 1月25日当日。もうすぐ生コン車が行くという連絡があり、まだ11時頃だったが、左官屋さんの指示で大慌てで昼食をかきこむ。そこに生コン車到着。生コン車は背が高くて車庫を通り抜けられないので、途中で生コンをショベルカーに積み替え、数回に分けて運搬。
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 スロープの上から、生コンをぶちまける。すかさず、待機していた左官屋さんたちが、簡単に均していく。
 その後すぐに、生コンの中に足を突っ込まないよう型枠の上に足場板を渡して、僕と妻で左右によけてあった石を生コンの中に埋め込んでいく。コンクリ面よりも1~2㎝出っ張るような感じで、なるたけ平らに、そしてランダムでありながらも均等な間隔になるように気をつけながら、配置していく。すぐ後から追っかけで、左官屋さんが鏝でコンクリートを整える。2列位並べては、踏み板を数十㎝下にずらして、また並べていく。あいにくスカッ晴れの天気でコンクリートがどんどん固まっていくから、時間との戦いで焦りまくり。写真を撮っている暇なんてまるでなし。
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 下まで石を置き終わったら、左官屋さんはもう一か所生コンを入れている場所に移動。残った僕らで上に戻り、まだ固まり切っていないコンクリートの表面にブラシで刷毛目を入れる。これはある程度路面をザラザラにして、坂道でも滑りにくくするため。これが終わったら今度は、水で濡らしたスポンジで、石の表面や縁に付着したセメントをきれいに一個一個こすり落としていく(左写真)。これをすることで、石とコンクリの質感の違いが際立ってくる。
 おやつ休憩も入れずに一気に作業を進め、一段落ついたのが夕方近く。出来上がりが右写真。じっくり時間をかけて石を埋められなかったので、予定よりも少し出っ張り過ぎてしまった(ひどいところは路面よりも4㎝ほど飛び出している)のが、気になる。

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 本日2月2日、型枠を外した。いろんな種類の石が並んでいて、カラフル。なんだか児童遊園っぽくて、これはこれで楽しい。斜度があと70度位増せば、クライミングジムの壁に見えなくもない。
 実際に歩いてみると、心配していた石の出っ張りはつっ転びそうなほどではなく、存外歩きやすかった。自動車でも登ってみたが、まあ普通の林道並みのごつごつ感で済んだ。
 欲をかきだすときりがないが、これの3~4倍石を並べれば、石畳風になったかなあと思うとちょっと残念。だが、コンクリートの固まる時間を考えるとそれだけの量をあの短時間で並べきるのは、やはり無理かもしれない。

 コンクリートは、土壁と比べてあっという間に完成してしまうのが、長所でもあり短所でもある。途中で考えながら修正している暇などないし、人間の働くリズムから食事をとるタイミングまでもが、コンクリートの固まる速さによって決定されてしまう。
 便利なようでいて不便。人間が主人のようでいて奴隷。なんだか、現代文明を象徴するような話だなあと思った。話を広げ過ぎか?
 


 最後に石並べ舗装のポイントをまとめてみる。
・自動車が乗ることがあるなら、砕石を敷いた上に、コンクリートは10㎝厚は必要。
・生コンを流す前に、10㎝以上の厚さの石を埋め込んでおく方法もあるが、厚い石は当然重くなるので人力での作業は難しくなる。それよりも、生コンを流した後に、5~6㎝厚の石を押し込んでいく方が楽。石の厚みがこれより薄いと、後ではがれる心配があり、逆に厚過ぎると、石を埋めるために生コン(の中の砕石)をほじくらなくてはならず大変になる。
・事前に仮置きをして、手持ちの石ではどのくらいの密度で並べられるのか、十分にイメージしておこう。
・生コンはあっという間に固まってくるので、並べる石が多ければ多いほど、大人数で一気に作業を終わらせる必要がある。
・石並べの作業中は水平器など使わず、カンでどんどん埋め込んでいく。思ってたより大体うまくいく。どうしても飛び出し過ぎたのだけは、後で掘り出してもう一度埋め直す。

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素敵ですね
はじめまして。指宿市の上原と申します。
たまたま「屋久島 沢登り」の検索でこちらを知りました。屋久島は好きで昨年縦走で2回伺いました。今年も春に家内と伺う予定です。
私も、現在農地を造成中でそこに建物等をつくる計画をしています。そのこともあり、遡行人さんの家作りのブログに見入ってしまいました。車で行ける距離なら、お手伝いに伺いたいほどです。
このスロープ作りも素敵ですね~。3月か4月に35m程のセメントのスロープつくるのですが、参考になります。35mなので、それやると業者さん嫌がりそうですよね・・・(笑)
上原達也 | URL | 2013/02/10/Sun 10:11 [EDIT]
ありがとうございます。
初めましてこんにちは。
こんな素人のスロープ作りを参考にしていただけるなんて、嬉しいやら恥ずかしいやらです。
ちなみに、我が家は14mでした。素人2人と左官屋さん1.5人でやりました。
35mとなると、途中で疲れちゃうかもですね。でも、事前の石の手配をきちんとやることと、素人でいいので人手さえ多めに確保しておけば、案外スムーズにできあがると思いますよ。
あと、石は多く敷けば敷くほど格好良くなるような気がします。もちろんそれだけ大変になりますが。
指宿なら近いですね!屋久島にお越しの際は、是非遊びにいらして下さい。ご連絡お待ちしております。
屋久島遡行人 | URL | 2013/02/10/Sun 13:40 [EDIT]
コメントのご返答有難うございます。
スロープは、15度~の傾斜で幅6m×35mなんです。また、下地に鉄筋も入れなくてはならないので、土建屋さんに聞いてみます。
今、たまたま入院中で(明日退院します)時間を持て余しており、土地の造成や家作りのブログを熟読中です(笑う)。私も現在5,500㎡を造成中で、屋久島遡行人さんと同じく、最初は手ノコで・・・。中々進まずチェーンソーも買いました。玄関の石作り、炉台、茶室と興味深く読ませていただいています。工房を移転するときに、参考にさせていただきます。
いや~、ブログを拝見したら、俄然力がみなぎってきました!
屋久島に行く際は、事前に連絡させていただきます。有難うございます。
HPをURLに張り付けております。お時間あれば、ご覧いただけたら幸いです。
上原達也 | URL | 2013/02/10/Sun 19:40 [EDIT]
驚嘆しました。
HP拝見しました。
驚嘆の一言です。

草木染めをしてる人、織物をしてる人は周りに時々いました。糸を紡いでる人もいたかなあ。でも、蚕を飼ってる人、桑を栽培してる人は初めてです。ましてやそれらを全部同時にやってる人がこの世に存在するなんて、想像もしませんでした。製糸業が中心だった戦前だって、そんな人いなかったんじゃないですか?
でも、物事の最初から最後まで、全ての過程を自力でやり通したいという気持ち、非常によくわかります。僕の場合、沢登りや土壁がそうですから。でも、それを単なる自己満足の趣味じゃなくて、プロとしてやっていくところに大きな違いがある訳で、、、もう脱帽するだけです。

是非、詳しくお話をお伺いしたいので、屋久島では新居に泊って行ってくださいね。
屋久島遡行人 | URL | 2013/02/10/Sun 22:04 [EDIT]
有難うございます
恐縮です。
屋久島遡行人さんのブログは読みこむほど、楽しい内容満載です。沢登りも興味深々です。私の土地は、50mほど井戸を掘り水を取る予定ですが、沢から水とは屋久島ならではですが羨ましい限りです。
新居に泊まらせていただけるとは恐縮するばかりです。家内と共々遠慮し~です。春の屋久島行きは、テント持参の2泊3日の縦走なので、その際はお庭にテントでもはらしてください(笑)
上原達也 | URL | 2013/02/11/Mon 22:34 [EDIT]
テント泊の件、了解です。
日程決まったら、またご連絡下さい。
屋久島遡行人 | URL | 2013/02/12/Tue 08:46 [EDIT]

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