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白谷川中部・屋久島沢登り記録
白谷川ゴルジュ突破
 昨日5月3日、白谷川に、憧れのインヤンさん、同僚のS先生と共に今シーズン初沢登りに行ってきた。
 白谷川は、あの志水哲也さんに「自分が行った中では屋久島で最もきれいな沢」と教えられて、3年前にHさんと行って以来、2回目。
 インヤンことOさんとは、3年前のG.W.に安房川北沢左股を下降中に偶然すれ違い、その後、ネット上でその時の記録を見かけてコメントを残して以来、ブログを通してのお付き合いをしていた。遡行本数300本近くと僕の3倍以上の沢経験を有し、島外(熊本)在住にも関らず屋久島四大河川を全て登られたという、雲の上のような存在である。今回初めて直接お目にかかれ、しかも屋久島の沢をご一緒できるということで、遡行前から楽しみにしていた。
羽神の滝
 8時過ぎに小瀬田を出発。白谷雲水峡に1台車をデポ。登山口に向かう途中、路肩の側溝に車を落として困りきっている旅行者を発見。見るに見かねて牽引して車を救出したので、かなりタイムロス。
 9:50、牛床詣所脇の林道行き止まり地点から入山。しばらく踏み跡をたどり、枝沢を飛び石伝いに渡渉。この先ルートがわかりにくくなったが、しばらくコンパスを頼りに進むと、すぐに羽神の滝へ通じるピンクテープが出現。あとはこれに従って、林の中を進むと、10:20、白谷川支流の羽神の滝直下に到着。水量は少なめ、落差は60m。間近で見るのは今回初めてだったが、なかなか優美で女性的な滝だと思った。しかし、岩が逆層のため、残念ながら直登は無理そう。

白谷川1白谷川2
 しばし滝を鑑賞した後、ピンクテープの道を引き返し、白谷川本流との合流地点に立つ。10:40、いよいよ入渓。いきなり、釜を泳ぐ。天気は晴れ渡り、大気は夏を思わせる暑さだったが、川の水は身を切るように冷たかった。ウエットスーツを着てきて良かった。
白谷川3白谷川4
白谷川5白谷川6
 その後も、写真のように次から次と数mの滝、淵が出てくる。直登できない滝が実は半分以上なのだが、ほとんどが小巻きで越えられるので、藪の合間から滝の全貌はよく見える。直登できる滝は、とにかく釜を泳がないと取り付けないので、ひたすら冷水の中に入っていく。最初はまだ良かったけど、段々水の中に入るのが嫌になってくる。この沢はもう少し暑い時季に来た方が、快適だと思う。

白谷川7白谷川8
白谷川9白谷川10
 途中のツツジ、杉の古木、青空。

白谷川11
 さて、最初の難所(渡渉後に上から見た写真)。入渓して2時間半後位に出現する、一見何の変哲もなさそうな渡渉ポイント(左岸から右岸へ)だが、ここを横断するときは、是非ロープ確保したい。見た目は楽勝そうなのだが、実はものすごくすべり、かつ水流がとても強いのだ。1m強の川幅を、ジャンプ一番飛び越えるのが楽ではあるのだが、着地ですべるともうあとがない。流されて止まらないと、すぐ先の10m近い斜滝を一気に落ちていくことになる。前回来た時、Hさんが流されて危機一髪のところで止まり、今回も要注意と言ってロープ確保していたにもかかわらず、S先生が流された。確保者は小さめのカムを岩のリスに噛ませてセルフビレイをとっていたので、事なきを得たが、なめてかかると結構危ないポイントだと思う。

白谷川12
 さらに、30分後に出現する、廊下。ここが、白谷川で一番の難所。僕が泳いで滝まで辿り着こうと2回トライしたが、ここも見た目よりもはるかに水流が強く、前進はおろか、流れに抗してとどまっているのがやっと。ゴボゴボ水を飲んでしまい、あきらめる。巻くとしたら、数十mの高さの結構な高巻きになりそうなので、どうしても中を突破したい。Oさんが荷物を軽くし、ザイルの端を腰につけて、何とか右岸のポットフォールまで泳ぎ着き、そこからは5.10のアクアステルスソールのフリクションを最大限に発揮して斜上していく。後続の2人は、ロープで引っ張ってもらう。岩の中腹で一息入れる。
白谷川13白谷川14
 さらに、その後も斜度60度の花崗岩のフェースが10mほど続く。(上から見下ろした写真)ボルトを打たない限り、中間支点を取れそうなところがまるでない。僕がノーザイルで登り始めるも、3mほど登ったところでセミ(手がかり足がかりがなくて上にも下にも進めなくなり、岩壁の途中で身動きが取れなくなること。)になってしまった。Oさんが苦労しながらも何とか登り、上からザイルをたらしてくれたので救出された。(難易度Ⅳ級。)前回Hさんと来た時この壁で苦労した記憶がほとんどなかったのだが、登り終わってから思い出した。前回は二人ともナイキのリオベロというアクアステルス系のソールの靴を履いていたのだ。それで僕が確か先に登ったのだが、「落ちるかもしれない。落ちたときは、地面に激突しないよう、下で何とか受け止めて欲しい。」とHさんにお願いして登り始めたのだった。今回僕はフェルトソールのカモシカ製渓流タビだったのだが、フェルトでは全くこのフェースは歯が立たない。つまり、アクアステルス系の靴を履いた登攀力のある人間がメンバーの中に一人いないと絶対越えられない。今回はOさんに突破してもらって、本当に助かった。ありがとうございます。

白谷川16白谷川17
 その後も小滝連続。
白谷川18白谷川19
 さっきの難所から2時間ほど進むと出てくる、大岩の隙間の高さ5mの滝。これ、間違っても登ろうとしてはいけません。前回「なるべく水線伝いに行く」という信条に従い、僕がHさんに肩車してもらって突破。後続のHさんを、2つつなげたアブミで引っ張り上げようとしたのだ。が、Hさん、猛烈な水流を全身に浴びてしまい格闘すること5分間、遂に力尽きて滝壷に落ちていった。滝壷から上がってくる気配もなく、僕は一瞬で事態の深刻さを理解。大慌てで下に降り、滝壷に足を突っ込んだりして探索するも底は全く触れず、彼が僕の足をつかむ反応もなし。「やってしまったー!」と絶望して、ザックからトランシーバーを出そうとしたとき、大岩の裏手から悄然としたHさんがヒョッコリ姿を現した。正直一瞬、幽霊かと思った。で、彼の話を聞くと、滝壷に落ちたらそこに実は洞窟のような空間があり、光の差す方へ中腰になって進むと、大岩の裏手に隙間があってそこから脱出できたとのこと。心底神様に感謝した。ちなみにここは、右岸を10mほどの巻きで楽に越えられます。
 この大岩から先は、ゴーロ帯となる。日没までに下山できるか怪しい時間になってきたので、ペースアップのため右岸の軽いヤブ(所々杉の伐採跡あり)の中を30分ほど巻きで進む。これで大分時間短縮できた。

白谷川20
 ゴーロ帯が終わると、ミニ高千穂峡のようなゴルジュ出現。
白谷川21白谷川22
 ここを泳いで突破するとその先にはどうにも越えられない10mほどの滝。ここは右岸の倒木近くの岩壁を、僕がリードでキャメロットを水流の中に噛ませて、それをつかんでのA0登攀。先ほどの花崗岩フェースに次ぐ、この滝で2番目に難しい核心(難易度Ⅳ級)。但し、ここは直登しなくても、ゴルジュ手前から右岸を巻き始めれば、高さ20~30mほどの巻きでそんなに大変ではないと思う。

白谷川23白谷川24
 階段状の滝を二つ、小気味良く直登(よほどの初級者以外、ザイル確保不要)すると、ゴールは近い。
白谷川25
 18:30、雲水峡の橋に到着。何とか日没までに辿り着いて、ホッとした。
 最後尾で常にS先生をフォローしてくださり、最大の核心ではリードしてくださったOさん、本当にありがとうございました。今後ともご指導よろしくお願いします。


 白谷川の今回行った部分に関しては、難易度4級。最初からひたすら滝は巻いて行くつもりなら、ザイル一本あれば十分なのだろう。が、もし僕らのようになるべく水線伝いに行きたいなら、例の花崗岩フェースを越えるのに、アクアステルス系ソールの靴を履いたメンバーが絶対に必要。キャメロット、エイリアンの類もあると心強い。
 渓相については、20mを越えるような大滝こそ無いが、10m前後の滝がこれでもかというほど連続して、飽きさせない。もとい、正直後半は飽きてくる。(滝の数を数える気も起こらない。)「もう、滝は結構。腹一杯です。」という気分になってくるから、人間というのは贅沢なものである。いずれは、雲水峡より上部の白谷川もきちんと遡行してみたい。特に飛流落としの滝の中を果たして突破できるか、非常に興味がある。



Comment

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GWは色々とお世話になりました。

白谷川もずいぶんと昔のような気がしています。ああいう近場の沢は地元の人でない限り知りえませんので,これからも情報をどんどんお願いします。

おかげさまで,Oさんの写真集以外のものは全て手に入れることができ,今回の大切なお土産となっています。

来年はO川,宜しくお願いします。
個人的には大川を来年は溯る予定です。

本当にお世話になりました。
ありがとうございました。
インヤン | URL | 2010/05/06/Thu 01:17 [EDIT]
どうもありがとうございました。
こんばんは。
「インヤン」の名前の由来である「知行合一」、受験生時代以来、25年ぶりに聞く言葉でした。さすが、沢をやり込んでいる方は、思想的にも深いものがあると、内心感銘を受けました。実践を伴った知識、僕にとっても確かに人生の一つのテーマであります。
今後ともご指導よろしくお願いします。
屋久島遡行人 | URL | 2010/05/06/Thu 22:08 [EDIT]
飛流落しは水流が少なければ通過できますが、もうギャラリーが多すぎて(笑)。あんなところでもし事故ったら、たちまち禁止の立て札が立ちますから気をつけて。
mossforester3 | URL | 2010/08/05/Thu 13:23 [EDIT]
飛流落としの滝
 ずばり、近日中に決行予定です。
 くれぐれも事故らないように、細心の注意を払って行きたいと思います。
 完遂後に、またレポートします。ありがとうございました。
屋久島遡行人 | URL | 2010/08/05/Thu 14:13 [EDIT]

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