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己を見つめる -集中内観報告その1-
多布施内観研修所
 今日5月8日は、淀川右俣を登り、湯泊歩道周辺をあちこち歩き回り、淀川中俣を下ってきた。早速その記録を、と書きたいところだが。。。
 実は、職場の後輩が宮之浦岳に5月3日に行ったきり行方不明(6日午後発覚)なのだ。僕は昨日は種子島出張で参加できなかったのだが、今日は朝4時半に起きてさっきまで沢筋の捜索活動をしてきた訳である。残念ながらまだ見つからず。めちゃめちゃ疲れた・・・。でも、わずかな可能性にかけて、明日も探しに行く予定。 
 今日から3日間は、昨日までにある程度書きためていたことを書く。

 4月25日から5月2日まで、佐賀の多布施(たぶせ)内観研修所にて、7泊8日の集中内観に参加してきた。その時の記録を3回連続で書いてみる。まず第1回目。

 内観とは、20世紀半ばに吉本伊信先生が、浄土真宗系の「身調べ」という修行をベースに、そこから秘密色、苦行色、宗教色を取り除き、万人向けに改良した修養法である。具体的には、屏風に仕切られた半畳のスペースに、1週間、朝5時から夜9時までこもりきりで(断眠、断食で行う熱心な人もいるらしい)、母親をはじめ身近な人に対する自分を、3つの観点(してもらったこと、して返したこと、迷惑をかけたこと)から反省する。生まれた時から順番に数年単位で区切って思い出していき、約1時間半に1回訪れる面接者に対して、調べてわかったことを簡潔に報告する。これを繰り返すことで、それまで「不幸な幼少時代」、「親からの被害者」といった意識に捕らわれていた自分を客観視することが出来るようになり、しばしば劇的な人生観の転換を起こすとされている。 
 →4冊読んだ中で、最も面白かった内観の文献

  4月頭に、ヴィパッサナー瞑想の地橋先生に内観を勧められはしたものの、自分の思考をある方向に恣意的に誘導されるのではないかという感じがして、抵抗があった。その疑問を、10回も内観合宿に参加し、現在は自ら内観の指導を行っている友人のFさんにぶつけてみると、以下のような、丁寧な回答をいただいた。
 →内観法に対する疑問に答えて(前半部分)
 とりあえず合宿参加前の予行演習として、自宅で一人で、子供時代の母に対する記憶を呼び起こしてみた。すると、「自分が迷惑をかけられたこと」や「してほしかったのにしてもらえなかったこと」は記憶の表層からいくらでも出てくるのに対し、内観で問われる「自分が迷惑をかけたこと」や「してもらったこと」がなかなか思い出せないことにびっくりした。僕は特別虐待されたり無視されて育った訳でもないのだが・・・。この経験で、Fさんの「強烈に歪んでいるバネ」の喩えは実に的確であることがわかった。自分の過去の記憶がここまで自己中心的に歪んだものであるならば、これを中立でバランスのとれた見方に戻すためには、一度強力に逆向きのねじりを加えてやらないといけないのだ、と納得。すると、内観合宿参加が楽しみになった。
 (ちなみに脳を進化史的にみると、人間に限らず全ての生物は、快感を感じる回路よりも苦痛を感じる回路の方を、はるかに古くから強固に発達させてきたようだ。周囲の危険を回避して生き残っていくためには、自らの生存を脅かすような痛い経験だけは絶対に忘れない個体が有利だったためである。そうだとすれば、人が過去の辛い経験ばかりをしっかり覚えているというのも、なんら不思議ではない。)

 修行オタクのFさんが一番に薦めてくれた多布施内観研修所は、佐賀駅から徒歩20分ほどの住宅街の中にあった。指導者の池上先生のご自宅の2階に内観用の部屋が三室設けてあり、角の8畳の和室が僕に割り当てられた。最初の挨拶で、先生に「精神分析やカウンセリングは、『貴方の心の問題の原因は、幼少期に受けたトラウマです』と診断はしてくれるけれども、治療法は教えてくれない。内観はそれを治療してくれるんです。」と説明を受ける。フムフム。
 研修所に着いて10分後、早速屏風の中に入り内観スタート。型通り、母に対する内観から始め、2日目後半からは父に対して。予想通り最初は全く調子が出ない。3日目からようやく、お、今少し心の汗をかいてるな、という感じになってきた。
 そして、4日目。全く思いがけない方向から気づきがやってきた。話は幼稚園の頃にさかのぼる。
                                             (つづく)
 

Comment

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>>周囲の危険を回避して生き残っていくためには、自らの生存を脅かすよう  な痛い経験だけは絶対に忘れない個体が有利だったためである。

なるほどですね,確かにそうだと思います。言われてみれば。この辺りは沢にも十分当てはまりますよね。ギリギリの所での行動は,一挙手一投足まで覚えていることが多いような気がします。


インヤン | URL | 2010/05/09/Sun 00:34 [EDIT]
メンガクボ
来週末は、捜索活動の続きで、黒味川、メンガクボに行こうかと思ってます。過去3回遭難(誤報含む)に遭遇し、それなりに大変な思いをしましたが、今回はまた格別です。遭難した場合どれほど周りに多大な迷惑をかけるのか、身に沁みて実感しました。
それにしても、山に入るのに無線機は必須ですねえ。これとヘリがあれば、沢でも大事故でなければなんとかサバイバルできるのではないかと思います。
それでも、今の気分は、沢を一生続けていくことに後ろ向きになってしまってます。
屋久島遡行人 | URL | 2010/05/09/Sun 18:44 [EDIT]

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