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『奇跡の脳』・読書日記
小瀬田の赤ちゃん入道雲
 今年の屋久島の梅雨はひどい。3週間ほど全く晴れ間が無く、ずっと雨が降り続いていた。おかげで、今月は沢が0本、読んだ本が既に17冊。が、昨日夕方から少し天気が持ち直し、昨夜は薄雲の向こうに部分月食を垣間見ることができた。そして、今日は久しぶりのお日様。
 でも、お日様以上に嬉しかったのが、小瀬田の家のベランダから見えたこのちっちゃな入道雲。遠く種子島の上空に出現。下のラインが水平のこの雲が出たら、僕の大好きな夏は、もうすぐそこまで来ている!やった!

 さて、前回僕以上の思考病にとらわれている中村うさぎの本を紹介したが、今回は全く逆方向の本、『奇跡の脳』を取り上げる。
 この本は、アメリカの一流女性脳科学者が37歳の若さで脳動静脈奇形による脳出血を発症。運動言語野を含む左脳を広範に障害され、当初言葉もでなかったが、その後8年間かけてこの本を書けるようになるまで再生していった記録である。こう書くと、なんか「リハビリ頑張りました」の退屈な本みたいだが、実は全く違う。確かに、脳卒中患者に対する最高のリハビリは何かという観点からも示唆に富む話が随所にある。しかし、読んでびっくり、実はそれ以上に原始仏教やクリシュナムルティと重なる、「悟り」をテーマにした本だったのである。

 自分自身を他から分離された固体として認知するよう訓練された左脳が壊れた結果、全てのものを動き続けて存在する流体として認知する右脳が優位になる。その時生まれる、自分が全体の一部として不可分に結ばれている感覚、深い心の平和。左脳の脳出血によって突如訪れたこの境地を、彼女は涅槃(ニルヴァーナ)と表現した。
 もちろん、右脳だけでは現実世界を生きていけない。車の運転一つとっても、自分の車と他人の車が一体に感じられたりしたら、即衝突である。社会復帰に向けて、彼女も当然手術やリハビリを受けるわけだが、それによって、左脳の言語中枢及び方向定位連合野(その人の肉体の境界の判別に働く)という、自我の部分をつかさどる機能が徐々に回復してくる。この時彼女は、発症前の左脳優位の人間にそのまま戻るのではなく、右脳によってもたらされた涅槃の体験、宇宙との一体感も保ち続けよう、と頑張る。そして、その方法というのが、原始仏教のヴィパッサナー瞑想なんかとよく似ているのだ。つまり、思考を常に現在の瞬間に戻し、今ここに生きることに集中する。
 例えば怒りの反応なども、脳から放出された化学物質が90秒後には代謝されて体内から消失するので、本来短時間で終わるはず。が、実際それより長く怒りが続くのは、大脳辺縁系が無意識的に、怒りの回路が機能し続けるように選択してしまっているため。この無意識的選択に対して、常に大脳皮質(具体的にどの場所の皮質なのかは書かれていない。少なくとも右脳だとは思われるが)による注意を向けて、「気づき」続けることにより、怒りの無限ループ(=左脳の暴走)は自然消滅すると、彼女は言う。
 ただし、マイナスの感情が押し寄せたときに、その感情を尊重することも大切であるとも言う。つまり、90秒間は、その感情を悪いものとして抑圧することなく、全てを委ねる。子供と同じで、感情は聞いてもらったり認めてもらったりすると収まるのだから。もちろん、マイナスの感情に長時間とどまり続けることは、肉体や精神に大きな打撃となるので望ましくない。

 以上、彼女の体験した世界を僕は全く体験できてないこともあり、ややわかりにくい要約かもしれない。が、悟りというものに関して脳科学的な説明が欲しい人にとっては、すごく興味深い本だと思う。

 以後、本を離れ僕の話になる。
 僕も左脳の暴走を止めて、右脳の「思いやり」マインドを醸成させたいのだ!
 しかし、悲しいことに、僕の頭はなぜか右後頭部が「絶壁頭」で、昔MRIを撮った時も、右脳が有意に小さかった。なんとか右脳を鍛えられないか。
 で、ふと思い出したのが、僕が子供の頃数万円で売られていた、α波を出すためのバイオフィードバックの機械。頭にヘッドバンドみたいなのを巻きつけ、環境音楽を聴きながらリラックスする。脳波がα波になると、緑色のライトがついて教えてくれるという機械。ああ、今α波が出てるんだなと自覚することで、段々、自分で意識的にα波を出せるようになってくる。これがバイオフィードバック。α波が出たからって別に頭が良くなるわけじゃないということがわかって(?)、いつの間にか流行らなくなってしまったが。
 この機械の右脳トレーニング版を出してもらえないだろうか。つまり、左脳の言語中枢や方向定位連合野が活動しているときは赤信号で警告し、右脳が優位になると緑信号で「OK!」みたいな。そんな機械があれば、僕のヴィパッサナー瞑想も格段に進むような気がするのだが・・・(ほんと、左脳でばっかり物を考える人間である。)
 今度、池谷裕二先生に相談してみようっと。

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