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安房川南沢・屋久島沢登り記録
南沢1
 ついに、ようやく、やっとこさ、長かった梅雨が15日に明け、屋久島にも本格的な夏がやってきた!!
 お尻に火が着いて、いてもたってもいられない。あいにく沢仲間は皆ガイドの仕事に忙しくて、誰も付き合ってくれないとのことだが、僕はもう我慢できない。17、18日と、単独で安房川南沢に行くことにした。
 正直、単独山行に出発する前は憂鬱である。ましてや、沢中一泊である。いくら初級の沢とは言え、いろんな不安が頭をよぎる。
 思い出すのは、1年前の大川上部。あの時も単独1泊の沢だったが、荷物も20キロ以上と重くバテバテになってしまった。しかし、期する所があって、帰った翌12日からトレーニングを再開し、今日に至るまで一日も欠かさず続けてきた。今回は荷物も軽量化に努めて、17キロに抑えた。そして今日は、花崗岩の沢用にと、アメリカから個人輸入した5.10のキャニオニア2(ソールがアクアステルスの靴)のデビュー戦でもある。さあ、どんな山行になるだろうか。

17日、曇時々晴一時小雨。
南沢2南沢3南沢4
 安房屋久杉自然館6時発のバスに乗り、荒川登山口へ。6:35、歩き始め。トロッコ道を進み、楠川別れの所にあるトレースから、7:50安房川本流に入渓。水量いつもよりはやや大目か。8:10、1枚目の南沢出合到着。左の南沢に入ると、水量は本流の半分くらいにはなるが、それでも幅広ゴーロが続く。2、3枚目の如く、いかにも屋久島の沢の中~下流部らしい、「巨岩ゴロゴロ、間に小滝」という光景が続き、やや単調。
 しかし、その単調な歩行の間に、キャニオニア2が、花崗岩に対して、異常なまでにグリップがきくことがよくわかった。傾斜45度位の岩肌を、まるでスパイダーマンのようにペタペタ登れてしまうのだ。(それと、藪漕ぎや登山道の下山も楽だった。)ただし、苦手なものも当然あって、水流の中に沈んだヌルヌル倒木には、全く駄目だった。こういうヌルヌル系の物に対しては、真冬の札幌の凍結した交差点を歩くくらいの慎重さが必要だ。それと、底の見えない水流の中に足を突っ込んだ時も、やや弱点を感じた。秀岳荘沢足袋だと、底の岩の傾斜が前後左右どの位あって、荷重をかけて大丈夫かどうかを、足裏に伝わる感触で瞬時に判断できた。だが、この靴の場合は、ある程度荷重をかけて初めて、足首の曲がり具合から底の岩の傾斜を判断できるのだ。だから、今までのようにすり足で水底の様子を探るなんて器用な芸当は、残念ながらもうできない。
 さて、例によって滝を巻くことはほとんどせずに、ひたすら水流の中の直登を目指していると、途中、Ⅲ級くらいの岩登り、滝登りが数箇所出てきた。ほとんどは大して高い場所ではないので二人以上のパーティなら肩車などで問題なく越えられるだろう。こういう時単独行は不利だ。しかし、今回はキャニオニア2のお陰でいつもの沢足袋ならⅣ級-位に感じそうなところも、Ⅲ級感覚でひょいひょい越えられた。うーん、調子に乗りすぎて、無茶していつか落ちないかが我ながら怖い。
南沢5南沢6   南沢7南沢8
 ゴーロも途切れてきてからの途中の渓相が、1、2枚目。
 左岸に右谷(翁岳から流れて出す、一のクボ・二・三のクボ沢を合わせた沢)が合流してくる所(Co1010)は、見事な2条の直瀑になっている。(3、4枚目)ここに11:50着。
南沢9南沢11南沢12南沢13
 青空と木漏れ日。倒木に生えた苔。苔の上に落ちた可憐な花。つつじに舞う蝶。
南沢10南沢14南沢15南沢16南沢17
 様々な形の滝。写真でわかる通り、後半は大岩ゴーロも鳴りを潜め、爽快な滝登りが続く。全て直登可能。遠目に見て「これは無理そうだ」と思っても、あきらめずに滝の直下まで近付く事がポイント。必ず活路はある!
南沢18南沢19南沢20
 さらに、自然の造形の妙、目を奪われる奇観や美しい景色が続き、僕の固くこわばっていた心もどんどんほぐされていく。今年は年初からずっと心がブルーに沈んでおり、ここまで気分が軽くなったのは初めての気がする。やっぱり僕から沢を取っちゃあ駄目だね。何も残らないよ。
 前半とばしたせいか、ボチボチ体に疲れがたまり、歩くペースも落ちてきた。それでも焦ることなく、あちこちで写真を撮りまくりながらのんびりと進む。16時をまわり、そろそろテン場を探さないといけない。が、両岸ともに藪がうるさくてなかなか良さげなところが無い。右岸を30mも上がれば、トロッコの軌道跡(もしくは石塚旧登山道)があるのだろうが、そこにテントを張るのもなんだか風情が無い。そこで、頑張って今日中に稜線まで抜けることにした。稜線上でテントを張るのは数年ぶりかもしれない。誰もいないだろう稜線で一人望む日没風景、ちょっと楽しみである。
南沢21南沢22南沢23南沢24
 投石平直下の水場(黒滝)を目指すには、分岐でひたすら水流の多い方を行けば良いのだが、Co1525の二俣だけは要注意。3:2で左俣(1枚目写真の滝。指差している方向が正しい)の方が水量が多いので、コンパスを見てないとついそっちに行きそうになる。まあ、そちらに入っても稜線には出られると思うが。(16:45着。)
 右俣に入ると2枚目の如く素敵なナメラ。しかし、間もなく源頭部の藪漕ぎ出現。水流はわかるので迷う心配は無いのだが、巨岩と倒木と藪が三位一体となったなかなか性質(たち)の悪い藪。3枚目は、まだ写真を撮る余裕のあった頃だが、その後は途中ザックをおろさないと進めないような有様。「一体これのどこを進め言うねん!」と思わず藪をどつきたくなる。1時間のうち正味40分ほどの間欠的な藪漕ぎで、18時、ようやっと稜線の登山道に到着(4枚目)。ここが黒滝直下の水場になる。
南沢25南沢27南沢26南沢28
 そこから北へ数分登山道を登った所に投石平があり、今日はそこにテントを張ることにした。投石岩屋を探したが、わからなかったため。18:20、行動終了。今日は、実に11時間45分行動。僕の体、良く頑張った。
 テントを張り、濡れた服を着替え、夕食の支度をしているうちに、みるみる日が落ちて、夕焼け空になってきた。夕陽に照らされた黒味岳と紺碧の空に浮かぶ上弦の月。やっぱり、山はいいなあ。至福のひと時が過ぎてゆく。
 丁度同じタイミングで到着した、宮崎と福岡から来た縦走の若者二人組も、僕の隣にテントをすることになった。彼らに撮ってもらった僕の写真が4枚目。
南沢29
 今日の晩飯は定番SBゴールデンカレー、カクテルは新作オリジナル「サザン・ストリーム(そのまんま)」(タンカレージン+シークワーサー果汁+グレナデンシロップ)。おいしかった。ご馳走様でした。
 20:30就寝。

18日、雨。 
南沢30南沢31南沢32南沢33
 写真は、花之江河、小花之江河、淀川、川上杉。
 昨日の夕方はあんなに天気が良かったのに、夜の間、霧雨と強い風が吹いた。
 今回、沢仲間のS木さんに勧められて買ったモンベルのU.Lドームシェルター2というのを初めて使ってみた。このテント、アライのエアライズ2並みの居住性、自立性がありながら、重さは約半分の890gという驚異的な製品である。昨日のザックが軽かったのはこのお陰であることも大きい。しかし、昨日の風雨では、どこからか霧雨がテント内に吹き込んできて顔にあたり、良く眠れなかった。今考えると、頭と足の向きを変えれば良かったのかもしれないが、夜中は疲れていたためそこまでしっかり覚醒しなかったのが残念。
 5:15起床。卵スープに昨夜の残りのカレーとフルーツゼリーをかきこみ、6:15出発。小雨で、ガスガスのため、宮之浦岳はもちろん、未踏の黒味岳もカットして、さっさと下山。途中、職場の同僚のSさん・Kさんパーティ、そして昨日も縄文杉トロッコ道で追い越した沢仲間のY原さん(ガイドの仕事中)とすれ違う。島は狭い。8:25、淀川登山口着。紀元杉からバスに乗るつもりだったが、2時間近いバスの待ち時間が馬鹿らしくて、頑張って舗装された林道をまだ先に進むことにした。途中、観光客のレンタカーにヒッチハイクさせてもらえることを期待したが、薄汚れた男は皆に無視され、結局最後まで歩き通す羽目に。10:30、ヤクスギランド着。そこから路線バスに乗って帰った。下界に降りると、山の天気が嘘のように晴れていて、くそ暑かった。さすが屋久島。

 
 安房川南沢は難易度2級上。前半の巨岩の処理が、屋久島の沢に慣れてない人は少し大変なくらいで、核心らしいところはない。全体の印象として、序盤ゴーロ、中盤小滝、終盤ナメラ→藪、という感じ。屋久島の大きな沢で、初級者でも問題なく行ける所としては、大川並みにお勧め。初級者連れの場合、沢中一泊は覚悟しないといけないが、恐らく右岸上を平行して走るトロッコ軌道跡でテントを張れるのではないか?(但し、標高何mまで軌道が通っていたのか、僕は確認してないので、保証はできない。)あと、大川と比べると最後の藪漕ぎがややしんどめ。
 今回僕は20mサブザイルしか持って行かなかったが、余程の増水でもない限りそれで十分だろう。バイル、ハーケン、カムの類は一切不要。淵で胸まで水につかる所がかなり出てくるので、行くなら夏の暑い日がお勧め。


Comment

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あの源頭はきれいですね。
mossforester3 | URL | 2010/08/14/Sat 18:10 [EDIT]
僕も、そう思います。
屋久島遡行人 | URL | 2010/08/14/Sat 19:45 [EDIT]

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