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荒川下部・屋久島沢登り記録
荒川下激流
 パワークライム、そしてパワースイム、全開!
 7月25日、荒川下部(荒川ダム途中~ヤクスギランド)に沢登りに行ってきた。
 荒川下部は、過去の遡行の全く記録が残されておらず、太田さんや小原さんも行ったことのない、「人跡未踏?」の地域。地形図から見る限りでは、中盤に相当のゴルジュ帯があり、遡行はかなり困難そうである。そしてまた、5月に後輩が山で行方不明になった事件後、もしかしたらここに流されているかもしれない場所でありながら、いまだ捜索できていなかったところでもある。
 そんな訳で、ずっと気にはなっていたのだが、今回、元ガイドで今はクライミングジムオーナーでもあるKさんという、強力な同行者が見つかったので、思い切って決行することにした。

 9:35、荒川三叉路を1.5kmほど荒川登山口方面進んだ所にある、枝沢を下り始める。困難が予想される沢である以上、本当はもっと早く出発したかったのだが、この日は早朝から町の奉仕作業があった関係で、この時間になってしまった。枝沢は、標高差120mほど、ロープを出さないで降りられるギリギリのいやらしさが続く。
荒川下1荒川下2荒川下3
 9:50、荒川ダム着(1枚目)。ほとんど湖のような、濃い緑の静かな水面。
 川べりに立つとすぐに、底なし沼のように泥に足を取られ、底も見えない。歩くのはあきらめ、ライフジャケットをつけて上流に向けて泳ぎ始める(2枚目)。約200m、ラッコ泳ぎで泳ぐと結構腕が疲れていた。
 序盤は、3枚目のようなゴーロが続く。ずーっとこんな感じだったらつまらなくて嫌だなあ、と思い始めた頃、段々小滝が出現。
荒川下4荒川下6荒川下5
 11:15、第1の核心着(1枚目の写真の滝の右上)。ここの渡渉。3m位だからと、面倒くさがってザイルを出さず、アブミとシュリンゲをつないだものをハーネスにつないで、万一流された時のバックアップをしてもらう。
 僕、トップで突っ込む。ももまでの水位で予想はしていたが、その予想以上に水流が強く、流されずに立っているだけでも精一杯。やっとのことで対岸の岩に到着。万一どころか、十回に一回は流されても不思議でない位の水圧があった。流されたら滝壷へ転落必至。
 ついでKさんにもこっちで確保しながら渡って来てもらう。2番手は、目的の方向に引っ張ってもらえるからある程度楽だ。
 後で、打ち上げの席でKさん曰く、「もし(僕が)流されたら、(強い流れに逆らって)滝から救い上げることはまずできないだろうから、そうなったらシュリンゲをナイフで切ろうと思っていた・・・」と、トンデモ発言。うーん、でも確かにあそこは、突っ込むかどうか判断が微妙なところだった。少なくとも、ザイルとエイト環などで、手抜きせずにしっかり確保をとるべき場所であったと反省。
荒川下7荒川下8荒川下9荒川下10 
 12:10、この沢最大のハイライト、958ポコの東南の右折屈曲部にかかる、この滝。巨岩が複雑に入り組んで累々と堆積しており、全容が一望できない(だって、写真左端の直瀑も枝沢でなくて本流なのですよ!)のだが総落差12mはあるか。うまくルートを探し出せれば行けそうにも見えるが、途中で巨岩やその隙間に行く手を阻まれそうでもある。まあ、遠くから眺めていてもらちが明かないので、行ける所を行ってみることにする。
 まずこの段を越えるにはこれしかないなあ、というルートがあって一段登る。そうすると、下では見えなかった新たな岩と滝が目の前に出現し、眺めている内に次はこれしかないなあ、とまたルートが読めてくる。それを4回くらい繰り返すと、さほど困難なクライミングもなく、滝上に立っていた。極く自然に最高のルートファインディングがつながり、まるで、ジグソーパズルがかっちりはまって完成したかのような快感である。
荒川下11荒川下12荒川下13荒川下14
 さあ、次はどう登る?右手からこう登る。
荒川下15荒川下16
 第2の核心。高さ4m、外傾しているテラスを斜上する。Ⅳ級+。(但し、アクアステルスの靴なら楽勝かも。今回は僕はフェルト地下足袋、Kさんは昔懐かしのわらじだった。)Kさん確保中、ザイルを引いたら2個目のカムが外れた。リード中に落ちなくて良かった~。というか、こういう岩場はKさんの方がはるかに上手いはずだから、最初から大人しく彼にリードを譲れば良かった。
荒川下17荒川下18荒川下19荒川下20
 次は、どう登る?答えは左手のここ。その後、3枚目のような風景。
 4枚目、13:50、「人跡未踏」、僕らが一番乗りかと思っていたこの沢なのに、ありゃりゃ、こんな巨大堰堤が出現。まあ、そりゃあ荒川ダムを作る前に上流部も入念に調査しただろうから、不思議ではないか。それにしても、がっくり。
 荒川下21荒川下22荒川下23
 ゴルジュの中の泳ぎ、枝沢にかかる滝。
荒川下24荒川下25荒川下26
 第3の核心。強い水流の中を、スイム。泳ぎの下手な僕は流れに押し戻されてしまい、泳ぎ着けたKさんにザイルで引っ張ってもらう。ちょっと悔しい。朝のダムから気づいていたが、それにしてもKさんの泳力の凄いこと。プールを泳ぐように、逆流をものともせずに平泳ぎでスイスイ行ってしまう。さすが、島人(島出身者)である。
荒川下27
 眺めがヤクスギランドっぽくなってくると、終わりは近い。美しいと噂のビャクシン沢出合を越えて、15:20、沢津橋着。出渓。
 夜は、新築のKさん宅に、一家でお邪魔してバーベキューを頂きながらの反省会。また一人、島内に強力な沢仲間ができて嬉しかった。


 荒川下部は難易度4級下。コースが短いので「下」を付けたが、テクニカル的には十分4級だと思う。
 今回は一回も巻かずに全て中を突破したが、中はとにかく水流がきつい。数日前から好天が続いて、確実に平水以下の時しか入渓してはいけない。それでも、女子や体重の軽い人が行く場合は、渡渉でかなり頻回にザイル確保が必要だろう。中盤部のゴルジュ帯は、廊下というほどの圧迫感はないが、それでも巻いたりエスケープするのも容易でなく、悪天になればかなりのプレッシャーがかかると思う。装備としては、50mザイルのほかに、今回はカムを1回使っただけだが、ハーケン、カムをできれば持って行きたい。そしてそれ以上に、ライフジャケットは必携。
 それから、大岩の乗っ越しで肩車を合計7~8回した。(だから、この沢を単独で行くのは厳しい。)全て僕が先に登って、後のKさんは、お互いの右手同士をつないで引っ張りあげる感じ。二人とも平均以上に腕力があるからこんなやり方でもあっさり登れたが、どちらかの腕力が弱かったら、こう楽には登れなかったろう。僕も握力60キロ超あって、腕の太さには自信があるのだが、なにせ彼の腕の太さは半端じゃない、握力90キロ?って感じ。


 淀川上部が女性的な美しい沢、荒川上部~淀川下部が男性的から女性的への変化に富む沢とすると、この荒川下部は、見た目も登り方も、まさに「男」を感じさせる豪快な沢だった。こういう沢に、パワフルなKさんと来られて良かった。(というか、Kさんがいなければ、僕は最後の泳ぎを越えられなかったよ・・・)
 


Comment

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荒川下部はそんなに凄かったんですね・・・
一応気にはなっていましたが。

これはダムから通しで遡行すれば,変化に富む一本になりそうですね!
遡行人さんが羨ましいです。
インヤン | URL | 2010/07/31/Sat 12:45 [EDIT]
そうなんです。
男から女へ、動から静へと、まさに変化に富む一本です。
一気に通すために、泊りの荷物でアタックするとなると、前半ちょっと大変かもです。
でも、インヤンさんの実力をもってすれば、余裕でしょう。
屋久島遡行人 | URL | 2010/07/31/Sat 22:00 [EDIT]
これはたぶん初溯行ですね。ヤマケイか岳人に記録出すといいですよ。
mossforester3 | URL | 2010/08/14/Sat 17:54 [EDIT]
えええ!
うおっ、そんなすごいこと、恥ずかしくてできません・・・
遡行図もつけてないし、それに堰堤がある沢ですからねえ。
きっと昔の人は行ってると思いますよ。
屋久島遡行人 | URL | 2010/08/14/Sat 19:43 [EDIT]

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