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白谷川上部(白谷雲水峡)・屋久島沢登り記録
白谷上0
 昨日8月6日、G.K.君と白谷川上部、即ち白谷雲水峡部分の沢登りに行ってきた。目的はズバリ、「飛流落としの滝」攻略。
 G.K.君というのは、突然僕のブログにコメントをくれて、半月後に屋久島にやってきた神奈川県の沢屋である。この彼が、実は相当変わった経歴の持ち主だった。中学生にして、父親に連れられて黒部源流の沢登りをし、高校卒業後ボクシングを始めその後プロのキックボクサーに転向。さらに、1年半かけて自転車で日本一周、それから3年(とわずか150万円)かけて世界一周、今は小学校の先生という人。
 元打突系格闘家かつ旅好きの沢屋(どれも僕は彼の足元にも及ばないが)という点で、かなり近しいものを感じ、しかも屋久島在住の共通の知り合いまでいることも判明。全くの初対面ではあったが話が盛り上がり、沢の前後に2泊家に泊ってもらうことになった。

 で、話を沢に戻す。今回は白谷雲水峡入口からスタートして、白谷川を源流まで詰める計画。当然、核心は飛流落としの滝。小原さん情報では、水量が少なければ行けるということだったが・・・
 観光客の冷たい視線を避けるために、朝早く出発。昨日の時点では天気予報は晴れだった。だが、雲水峡に向かう道中で既に土砂降りの雨。昨夜も一時的に豪雨があったことを考えると、現地入りする前に既に、飛流落としの滝直登は今日はまず不可能と確信。

 7時入渓。予想通り増水している。
白谷上1
 すぐに出てくるこの1つ目の滝、7m。水量多く、どうにも無理そうだが、どうせ飛流落としが無理なら、せめてこれくらい登ってやれ、と挑戦してみる。まずは水流の中を探る。今日はウエットスーツを着て来たのだが、滝行さながらに水を浴びる羽目になり、早くも全身冷えきってしまった。結局水流の中は無理なため、左岸寄りにカムやハーケンを合計3個セット。これにアブミ(一種の縄ばしご)をつなげて登ろうという狙いだが、カム、ハーケンともなんだか今一効き具合が怪しかったので、アブミにゆーっくり、恐る恐る体重をかけてみる。と、カムもハーケンも外れる、外れる。ふー、危ない、危ない。。。思い切り乗っかってたら、2m落ちてる所だったよ。どうも岩質がもろいようで、何度やっても同じ結果。仕方なく、さらに左岸よりの完全に水線から外れたラインで、無理やりⅣ級ルートを見つけ出して登る。良く滑る苔つき岩で、登っていて脂汗が出てきてちっとも快適じゃない。2m右手には、歩いて登れる岩棚があるのに、悪あがきというか、悪ふざけというか・・・。こんな所で命をかける様な遊びをするとは、我ながら全く馬鹿げていると思う。登り終えても後味が悪いだけで、いつもの達成感がない。G.K.君にも、長時間の確保及び、セカンドを付きあわせてしまい、申し訳ない。
白谷上2白谷上3
 そして、飛流落としの滝。45度の傾斜、25m。予想通り、大増水して、猛瀑布の様相。これは下手に入ったら、墜落死もしくは水死間違いなし。明日の南九州新聞一面トップを飾ってしまう。それは嫌なので、あきらめて左岸を進む。幸い、ここまで観光客にはほとんど見られていない。
白谷上4白谷上5白谷上6白谷上7
 さて、飛流落としを過ぎたら、もう後はいつもの雲水峡ハイキングコース脇をちょこちょこと1時間も歩けば、源頭に着いて今日はおしまいかな、と思っていた。だが、その予想はいい方に裏切られた。ご覧の通り、ハイキングコースからは決して目にすることのできない、なかなか秀麗な滝が次々と出て来る。
白谷上8白谷上9白谷上10白谷上11
 日が射しにくい屋久島の北面の沢らしく、源頭に近づくに連れて、深緑の苔苔の世界になる。雲水峡の鬱蒼とした苔の森のイメージをさらに強めた感じ。南面の沢とは、同じ苔でも緑の色の濃さがまるで違うのである。やや陰鬱とも見える深緑の中を、鮮烈に突き抜ける白い水のライン、そのコントラストが際立つ。(ところで2枚目のG.K.さん、足長すぎ!その足でミドルキックもらいたくないです。)
白谷上12白谷上13白谷上14
 1枚目の写真、上流部のこの杉の根の張り方なんて、うまいカメラマンが撮れば、きっとポスター物なんだけどなあ。惜しい。
 2枚目、変わったオブジェ風の物が沢の真ん中に落ちていると思ったら、裏から見ると3枚目のごとく、屋久杉の切り株だった。
白谷上15白谷上16
 さて、上流になると、分岐がいっぱい出て来て、地図読みが非常に難しくなる。ひたすら水流の多い方を選んだら、どうやら、ヨウジガ高岳方面に進むことになった。10:25、原生林歩道の渡渉地点を通過。10:40、2枚目のCo880の二股着(2枚目)。水量1:1。右俣は30mはありそうな直瀑。左俣も多段の滝だが25m位ありそう。これを越えるには、藪漕ぎの巻きが必要で、かつ帰りは引き返しでアップザイレンになりそう。今回は、滝の登攀がメインの目的だったので、僕のザックは各種登攀具で20キロ近い重さ。この荷物を背負って、雨の中、ピークという目標もない源頭に向けてひたすら藪を漕ぐのは、どうにもモチベーションが湧かない。ゆっくり弁当を食いながら考えたが、G.K.君も沢にはもう満足したという顔をしていたので、ここで引き返すことにした。

 ハイキングルートに入った所で、太鼓岩や雲水峡をゆっくり見て回りたいというG.K.君を残し、僕一人先に下山。12:15、駐車場着。下山途中から、天気は晴れになった。

 今回、全く初めて会う人と沢を行くことになって多少緊張したが、G.K.君は僕以上にクライミングの上手い人で、全く心配要らなかった。そして、今までの登り方の違いから来る、二人の滝の観察法の違いが、なかなか興味深かった。滝を登る時、僕はどうしても中間支点が欲しいので、カムやハーケンを打てそうなリスがあるルートを探してしまう。が、単独行が多くて、自分で中間支点を作りながらリードする登り方をほとんどしてこなかった(つまりフリーソロで登ってきた)G.K.君は、ガバホールドを絶対見逃さないぞ、という視点で滝をくまなく探していた。そして、なるほどなあ、と感心する登り方を何回も見せつけてくれた。


 白谷川上部は難易度2級。滝の直登にこだわらず、僕らと同じ地点で引き返すならば、ザイルも不要。二股の上部がどうなっているか興味があるが、藪が濃そうなので、行きたい人はそれなりの覚悟を持って突っ込んで欲しい。飛流落としの滝は、渇水期に改めて挑戦したい気もするが、行く前のようなこだわりはなくなった。それよりも今回は、白谷川上部が、これだけ鬱蒼とした深緑の森の中に、秀麗な小滝が続く美渓であるということを初めて知った喜びが大きい。(ただし、滑りやすい苔や岩が多くて神経を使ったり、水がやや濁っていたりという点で沢登りの爽快な楽しさはやや少ない。)白谷雲水峡がきれい、と皆よく言うけれど、白谷川の沢の中は、ハイキングコースの3倍はきれいで見所があると思った。
 


Comment

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いや~凄い勢いで沢にでかけていますね。
遡行人さんの出かける先は貴重な所ばかりなので,毎回食い入るようにブログを読ませてもらっています。

これからも発信を楽しみにしています!
休みの日に限って天気が悪くなるインヤンでした・・・。
インヤン | URL | 2010/08/08/Sun 12:45 [EDIT]
いやいやインヤンさんこそ、
凄い勢いですよ。僕なんか質・量ともにかないません。
ただ、確かに僕の行く沢はほとんど未開拓で、記録もないことが多いんですよね。これが、九州ましてや関東近郊にでもあったら、滝の前で順番待ちの行列ができるんじゃないかって言うくらい、どれも綺麗な沢なんですが。
離島僻地が故の、人の気配のない大自然の贅沢を、毎週味わあせてもらってます。
いつもコメント有難うございました。
屋久島遡行人 | URL | 2010/08/08/Sun 18:41 [EDIT]
白谷上部は昔はよく行ってたんですが、最近はちょっともう・・・(笑)
でも一時より少なくなりましたね。
mossforester3 | URL | 2010/08/14/Sat 17:44 [EDIT]
コメント有難うございます。
飛流落とし、当たり前の話ですが、水量多いととてもじゃないけど無理ですね。
一時より少なくなったのは、水量?観光客数?mossさんの遡行本数?
屋久島遡行人 | URL | 2010/08/14/Sat 19:25 [EDIT]
白谷上部は昔よくいきましたけどねー。最近はギャラリーが多すぎてほとんど行ってません。三本足杉谷の上部の連瀑帯はいいですよ。登れないけど。
YNAC小原 | URL | 2011/08/04/Thu 14:40 [EDIT]
へっ?
小原さん、コメントありがとうございます。
でもでも、一体どうされたんですか???
一年前(二つ上)にもほぼ全く同じコメントを頂いてますよ!?全く忘れてました?今度、私の外来で、「長谷川式認知症検査」しましょうか?って冗談です。ごめんなさい。
屋久島遡行人 | URL | 2011/08/04/Thu 14:49 [EDIT]

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