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ビャクシン沢・屋久島沢登り記録
天国へ続くナメラ
 「天国へ続くナメラ」
 沢が左に屈曲した途端、この景色が目に飛び込んできた。その時、稲妻のように僕の脳内に降って来た言葉。

 結論を先に書く。ビャクシン沢は、淀川に勝るとも劣らない、屋久島でもトップクラスの美渓だった。

 今日、8月14日、一人で荒川の支流、ビャクシン沢に行ってきた。
 インヤンさんや、G.K.さんに刺激されて、容易という前情報がある沢に関しては、単独で行くことに昔ほどの抵抗が無くなった。単独行だと、怪我や道迷いに対する不安は大きいが、圧倒的な大自然に包まれた感動が、自分の心にダイレクトに来る。これは、海外を一人で旅するか、日本人の友達とつるんで行くかの違いと全く同じだろう。友達と行けば、トラブルに巻き込まれる危険性は少なくなるが、異文化に出会った時の衝撃はどうしても薄まってしまう。蛇足だが、日帰り単独行は登攀具を使ってのアタックができない分、荷物も軽くて(10キロ台前半)済むのも、一つ魅力である。
ビャクシン1ビャクシン2ビャクシン3ビャクシン4
 5:45、ヤクスギランドに入る。6時、苔橋(1枚目)より入渓。「前に行った所から沢をつなげる」というけじめのため、一旦30mほど下り、荒川出合まで降り立ってから、Uターンして遡行開始。早速見目麗しい小滝群が続き、ワクワクさせられる。
ビャクシン5ビャクシン6ビャクシン7ビャクシン8
 やがて、沢に日が射し込み始め、ますます沢は輝きを増し始める。今日の天気は快晴。気温も上がり、水に浸かるのも不快でない。3、4箇所、小滝や大岩の乗っ越しで多少苦労したが、後は傾斜も無くほぼ快適な河原もしくはナメラの沢床歩き。
 しかし、ミスその1。大転倒。
 今回は花崗岩を予想してアクアステルスソールのキャニオニア2を履いて来た。一箇所途中の滝では、斜度60度はあるだろう岩盤を、ソールをペタペタつけて登ることができ、さすがアクアステルス、といい気になっていた。が、その後のCo1300前後で2回派手に大コケした。
 今まで長年愛用してきたフェルト底の沢足袋なら、足が岩に触れた瞬間、滑るか滑らないかの感触が瞬時に足裏から脳に伝わってきた。だから、万一コケる場合でも、ある程度受身を取れた。
 ところが、今回の靴は、スキーブーツさながらの底の厚さなので、足裏情報が全く伝わらない。代わりに、滑る岩かどうかの判断を事前の視覚情報に100%頼らざるを得ない。前回までの経験で、茶色い岩、濡れた倒木は、スケートリンク並みに摩擦係数ゼロということを、身を以って学習してきた。だが、どうも石英(長石?)が大きく固まった白い場所も滑るということが、今回わかった。柔道家に突然後ろから足払いを掛けられたかのごとく、全く受身を取れないまま2回転倒。うち1回は、したたか仙骨を岩に打ち付け、痛みのためにしばらく動けなかった。靴のせいにするのもなんだが、これだからアクアステルスは信用できない。まあ、乾いた花崗岩の岩盤、藪漕ぎ、登山道の下山に強いのは認めるが。再来週の宮之浦川、フェルト足袋にするか、キャニオニア2にするか、真剣に迷うところである。誰か遡行経験者の方、この記事読んでたら、アドバイス下さい!
 16日追記:今日レントゲンを撮ったら、なんと仙骨が骨折していた!「2週間後の沢登りはやめろ」と、ドクターストップ。どうなる、宮之浦川!?
ビャクシン9ビャクシン10ビャクシン11ビャクシン12
 写真2枚目の所が、Co1350、花之江河歩道交差部(渡渉点)。8:50通過。
 ミスその2。ここで、飯休憩を取るつもりが、見落としてしまった。写真は実は帰りに歩道を下りて来て撮った物である。風景写真を撮るのに忙しかったのと、高度計が多少低く出ていたこともあって、右岸のピンクテープに気づかずに行き過ぎてしまった。確かに、沢を下から上がってくると、地形的に道が見えにくいので、もしも歩道にエスケープしたいなんて時は、絶対にテープを見逃さないように気を付けて欲しい。それにしても、注意不足の僕・・・
 景色は後半になると、ますますナメラ、ナメラの連続。最高!
ビャクシン13ビャクシン14ビャクシン15ビャクシン16
 沢が左に屈曲した瞬間、突然青空が抜けた。
 「天国へ続くナメラ」。
 2枚目は、下流を振り返って。
 3、4枚目、まだまだ続くナメラ。もう、この頃には上機嫌の絶頂。生気が体内から漲って来る感じ。一人で「ウオー!」という雄叫びを上げながら進んでいた。
ビャクシン17ビャクシン18ビャクシン19
 源頭近くの苔のまた凄いこと!
 最後の方は、沢がいくつも枝分かれしてくる。
 ミスその3。後述する理由によりどうせなら石塚小屋に少しでも近いほうに抜けたい気持ちがあって左俣を選んでいるうちに、南西の方角に進んでいることに気づいた。(後で地図を見返すと、どうも1586ポコから南西方向に伸びる枝沢を詰めていたようだ。)しかもそこそこエグイ藪漕ぎ。水枯れになるも歩道にはぶつからず、困って北へコンパスを切り直して数分(のべ20~30分)藪を漕いだら、11:25、花之江河歩道に出た(3枚目)。ホッとした。
 10分の歩きで石塚小屋に着。この歩道は以前石塚小屋から花之江河までは歩いていたので、今回はそれとつなげるためにわざわざ用も無い小屋に出向いたのだ。11:40、Uターンして、ヤクスギランドに向けて下山開始。
 帰り道の途中で、ビャクシン沢源流部を3回くらい渡渉。やはり、もっと右俣を選んで進むべきだったようだ。藪漕ぎも僕が来た沢よりもずっと楽そうである。しかし、沢と歩道の出合部分は、目印のピンクテープも少なく、どの沢も非常にわかりづらかった。沢自体はまだそこそこの水量があるので、まだ水枯れじゃないからと油断して、歩道に気づかず行き過ぎてしまうと悲惨である。(旧石塚歩道まで行ってしまう。)
ビャクシン20ビャクシン21ビャクシン22ビャクシン23
 花之江河歩道は、今回初めて歩いたが、巨木を中心になかなか見所があって、良かった。しかも、お盆休みだというのに、他の登山者は一人も見かけず、静かに歩けた。結局今日は一日誰にも会わず。
 1枚目、Co1599ポコ。どこか神聖な雰囲気に包まれた場所であった。
 2~4枚目。大和杉。縄文杉と違って、若々しい力に溢れた木だった。思わず手を合わせてしまう。
 16:40、ヤクスギランド駐車場着。仙骨を打って、一歩一歩、お尻が痛かったので、下山にたっぷり5時間もかかってしまった。
 今日はほぼ11時間行動。疲れたびー。


 ビャクシン沢は難易度2級。技術的なことより、下山がかなりの長時間行動になるので体力が必要。(どうしても楽をしたければ、事前に淀川登山口にもう1台車をデポしておいて、そちらに下山する手がある。)
 沢の美しさは、屋久島でも淀川に匹敵するのではないか。これでもかというほど、ひたすらナメラの連続で、淀川の変化に富む感じこそないが、源頭近くの爽快感は淀川以上。とにかく、ナメラ好きには応えられないはずです。装備は、アクシデントが無い限り、ザイルも不要。
 今年僕が行った沢の中では美しさベスト1。お勧め。

 
 

Comment

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ビャクシン沢,ここも良いとは聞いていましたが・・・
何ですか,このナメラは!写真だけでもその桃源郷さが伝わってきます。
これには感動しました。屋久島バンザイ!って感じです。
いつも貴重な沢の紹介,感謝に堪えません。

しかし,キャニオニアの件は申し訳ありません。
仙骨骨折とは大変だったことと思われます。
インヤン | URL | 2010/08/16/Mon 12:57 [EDIT]
はい、そうなんです。
まさに、桃源郷なんです。

キャニオニア2、せっかくいい靴を教えてもらいながら、使いこなせなくて申し訳ありません。
今日、S先生に、2ヶ月間沢禁止を言い渡されてしまいました・・・
ウェーン!!僕の今年は終わってしまうのかあ!?
屋久島遡行人 | URL | 2010/08/16/Mon 18:24 [EDIT]
仙骨骨折!
同じ日に、私たちは淀川中俣にいました。
天候にも恵まれ、言葉にできないぐらいの感動の連続でした!

さて、仙骨を骨折されたとのこと、心配しています。
2ヶ月間の沢禁止はとてもショックですね。

実は私も下山時に湯泊歩道で頭から!滑落してしまい、右膝をいためてしまいました。先ほど整形外科で診てもらったのですが、結果は1か月間の登山禁止。。

・・・しばらく安静にしようかと思っています(´・ω・`)しょんぼり

k-osumi | URL | 2010/08/17/Tue 15:23 [EDIT]
ご心配、ありがとうございます。
またまた、屋久島に来ていらしてたんですね!びっくり。

しかし、Kenさんには先輩面をして偉そうな事を言っておきながら、自分がこのざまです。本当に、申し訳ないやら恥ずかしいやら。でも、1ヶ月で復活してみせますよ!
Kenさんもお大事に。
屋久島遡行人 | URL | 2010/08/17/Tue 18:33 [EDIT]
きれいですね!
晴れてると本当にきれいですね!
私がいった時とは別の沢みたいです
ガスがかかった雰囲気も捨てがたいですが…

ケガ、へこみますね
でも、来年もその次もチャンスはあるじゃないですか!
私には宮之浦川のチャンスはこないと思います
本当に行きたい沢が、身近に、そこにあること
素晴らしい人生だと思います

アクアステルスですが、私の使ってるキャラバンの「柳又」は足裏感覚ありますよ
減りが早いうえに、もう製造してませんが…
げん | URL | 2010/08/18/Wed 23:37 [EDIT]
コメントありがとうございます。
ビャクシン、淀川、大川と、現場の判断で一気につなげたゲンさんのセンスの良さには、脱帽しました。本当に、完璧なおいしいとこ取りですよ~。
次回屋久島入りの時は、天気が良いといいですね。

靴は、しばらく、フェルト足袋に戻そうと思います。ヤブコギ、下山様にキャニオニア2も背負っていくかもしれませんが。
屋久島遡行人 | URL | 2010/08/19/Thu 08:34 [EDIT]
単独で事故を起こすという事態は、複数の意味で危ういですよ。

ヨーロッパには日本の沢靴のようないい靴はありません。
ステルスソールの沢靴は結局日本の沢では限定的にしか使えず、また、似たような転倒事故が多発したようで、国内では各メーカーとも撤退しました。

実際ヌルが少しでもあると使い物になりません。フェルト沢靴が基本で、どうしても必要ならリード用にスリッパを持つといいのでは。

ステルスソールが良かったのは、源流のササやぶこぎですね。あれはフェルトではけっこうつらいから。
mossforester3 | URL | 2010/08/20/Fri 19:08 [EDIT]
アドバイスありがとうございます。
確かに、一歩間違えれば大事故でした。本当に恥ずかしいです。この程度の怪我で済んだのはラッキーでした。

一時、秀山荘も、フェルトシューズを作らなくなったり、僕の周りの沢屋もアクアステルスの方が多数派になってきたので、そろそろ乗り換え時かなと思ったのですが、やはり僕は基本フェルト足袋に戻ろうと思いました。
ただ、キャニオニア2も、花崗岩のスラブや笹薮漕ぎ、登山道の下山ではやはり有用なことがよくわかったので、それらが予想される時は、ザックの中に背負っていくことになるのでしょうか。
屋久島遡行人 | URL | 2010/08/20/Fri 21:13 [EDIT]
少しずつ秋の気配になっていますが,
仙骨の具合はどうでしょうか。
一刻も早く完治することを願っています。
お大事になさって下さいね。
インヤン | URL | 2010/09/01/Wed 11:21 [EDIT]
インヤンさん、ご心配おかけしました。
骨折のせいで、半年前から暖めていた宮之浦川計画も潰れて、ご返事も出せないほど鬱々とした日々を過ごしてました。すみません。
でも、もう復活しましたよ!お心遣い、有難うございました。
屋久島遡行人 | URL | 2010/09/05/Sun 21:59 [EDIT]

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