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一湊川下部・屋久島沢登り記録
一湊・海から山へ
 2000年春、チョモランマ(エベレスト)を見に、妻と二人でカラパタールとゴーキョピークをトレッキングした。(プロフィール欄の写真がそうです。)その時、ナムチェバザールで泊った宿"Sherwi Khangba"で見た衝撃的な記録映画の話。
 本当の意味で自分の足でチョモランマに登ったと言うためには、登山口まで車や飛行機で行くのではなく、海抜0メートルの海から歩き始めなければいけないと気付いた一人の白人青年。ベンガル湾を泳ぐことから始め、牛の寝そべるカルカッタ市街を抜け、田舎道をてくてく歩き、インド-ネパール国境も越えて、ひたすらチョモランマベースキャンプを目指す。(ちなみに、その様子は、パートナーの女性が自転車に乗って伴走しながら、ビデオ撮影。)ベースキャンプに着くと、パートナーをテントキーパーとして残し、彼一人ピークアタックへ向かう。ベンガル湾スタートから実に4ヵ月の日数をかけ、単独無酸素での登頂に成功する。
 その後、彼はオーストラリアに戻り、SEA TO SUMMITというアウトドアブランドを立ち上げたというのは、映画にはなかった後日談。
 日本に帰ってからもずっと、愚直なまでのあの登山スタイルが僕の心のどこかに引っかかっていた。

 さて、昨日9月3日、一湊川下部(河口→白川山集落)に行ってきた。天気は晴のち、曇時々晴一時雨。いかにも屋久島らしいコロコロ変わる天気。
 地形図から見る限り、おそらくただの川原歩きが延々続くだけで沢としては面白くないだろうと予想されたが、SEA TO SUMMITしたいのと、仙骨骨折後のリハビリ山行1弾目(絶対に転倒してはならないので、ストックも持参した)としては、この位の沢がちょうどいいだろうと考えてである。

一湊下1一湊下2一湊下3
 10:15、一湊漁港に車をとめて、歩き始める。入渓地点の風景としては、ちょっと異例。防波堤から4m下の海面に飛び込んで入水。中写真は海側、矢筈神社方面。右写真は山側、一湊岳方面。
一湊下4一湊下5
 河口近くはかなり泳ぐことになるかと思って、ライフジャケットを着てきたが、深いところでも腰程度の水深で、これは必要なかった。河原を歩こうとしても、両岸とも石垣や堤防なんかが迫っていて、河原はほとんどない。膝下の水深までの水の中を、一歩一歩流れに逆らって歩くのが延々続く感じで、ペースはあがらない。
 え、骨折した腰はどうしたって?うーん、受傷当時の3割位痛みは残るけど、大分良いですよ。
 それにしても両岸の景色が、先日の宮之浦の猥雑さとは違って一湊らしい。手押し車を押してる婆ちゃんが橋の上からずーっと僕を眺めていたり、つがいの鴨が泳いでいたり、なんとものどか。NHKの「小さな旅」を見ているようだ。
一湊下6一湊下7一湊下8
 河口近くは予想通り、「渓相」などという沢らしい景色は望むべくもない。本当にただ、川を歩いているというだけの感じ。多分、沢屋がここを歩くのは初めてだろう。でも、僕は、屋久島の河川をひたすら地道に、正直に海から源頭につないでいくということにこだわりたい。
 我慢して歩いていると、徐々に水も澄み、周囲の景色も沢っぽくなってくる。
一湊下9一湊下10一湊下11一湊下12
 左写真、3キロほど上流の橋のところ。この手前の平らな岩にごろんとしたら、日に照らされて温まっている岩肌が異常に気持ちよくて、いつの間にか、はかなくも美しいイメージの夢を見ていた。目覚めて時計を見ると、ザックを背負ったままの姿勢で、30分もまどろんでいた。
 ここを過ぎると、中写真のような無粋な巨大堰堤が3つ連続で出現。そのたびに左岸の舗装道路まで上がって巻かないといけないので、白けてしまう。堰堤を過ぎると、右写真部分が、今日の沢で唯一の核心らしい場所。と言っても大したことなく、流れの中を突破できる。
一湊下13一湊下14
 白川山集落にかかる、ゴールの橋が見えてきた。14:35、出渓。
 故山尾三省さんの愚角庵は閉まっていた。

 ふとザックを見ると、途中で脱いでザックの蓋に挟んでいたライフジャケットが、なくなっている。きっと核心部の泳ぎで流されたに違いない。2500円位の安物ではあったが、6年間愛用していたライジャケで、デザイン、浮力性能、マットとしての性能など、非常に気に入っていただけに、悲しい。帰り道に沢を降りながら探そうかとも考えたが、時間的、体力的に無理そうなのであきらめた。がっかりだ。そして、一湊の皆様、粗大ゴミを川に流してしまって申し訳ありません。もし拾ったら、僕の代わりに使ってやってください。
一湊下15一湊下16
 杉林とクワズ芋の生い茂る林道をとぼとぼと歩いて下山。16:00、車着。

 一湊川下部は難易度1級。すぐ脇を車道が走っているのでいつでもエスケープができるという点でも、初心者でも安心して連れて行ける。但し、一般的な沢登りとしての楽しさはほとんどない。登攀道具は不要。


ふれあいパークの夜
 夜は、先週宮之浦川に一緒に行くはずだった友人のガイドのSさんと、小瀬田ふれあいパークで呑みながら、いろいろ語った。Sさんの作った鯛の煮付けが絶品。男川から吹き降ろして来る風が涼しくて、気持ち良かった。




 この日、一番嬉しかったもの。
 帰り道の林道から、藪の隙間に目を凝らすと、堰堤の上に何やら見覚えのある物が・・・
ライジャケ1
 近寄ってみると、
ライジャケ2
 無事、回収成功!やったね。

 さあ、来週はこの続き、一湊岳へ突き上げる上流部だ。

Comment

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sea to summit,海から源頭へ
良い響きですね。屋久島ならではの遡行スタイルだと思います。
来週の上部も楽しみにしています。
インヤン | URL | 2010/09/05/Sun 23:10 [EDIT]
一湊岳までのsea to summit、恐らく一日で一気に行ける沢だと思います。(ただし、本流は吉田方面に伸びています。)
でも、あくまでリハビリ山行を兼ねているので、来週ものんびり無理せず行きたいと思います。
コメントありがとうございました。
屋久島遡行人 | URL | 2010/09/06/Mon 08:31 [EDIT]

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