スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
左脳の暴走 -アイソレーション・タンク体験その2-
白金
 ECCOは、高層マンションの聳え立つ東京の白金にある。都心にも関わらず、そこだけ時間の流れが止っている、そんな路地裏の古い民家。子供の頃の東京に戻ってきたような懐かしい感覚。早速、タンクオーナーの宮部さんとお話。

 宮部さんは晩年のリリィ博士とも親交があり、そんな彼が主宰するECCOは日本におけるアイソレーション・タンクのメッカとして、既に2400人ものタンク体験者を輩出してきたらしい。
 僕が以前からタンクに興味があり、もし今回深い体験ができれば自宅にも据えつけたいと思っていると話すと、彼も大乗り気になってくれた。

 以下、彼の話。
 「ハワイのリリィ博士の所で初めてタンクに入った時、『なーんだ、宇宙に包まれていたんだ』という簡単なことに気づいたんです。(中略)タンクに入って深い瞑想状態に入ると、新月と満月の違いを感じ取れるまでに感覚が研ぎ澄まされていきます。(中略)これが屋久島というパワースポットにあったら、またもっと効果が高まるんじゃないでしょうか。
 いずれガスや灯油を使った保温システムを使ったタンクを自作したいと考えていたところでした。もし、屋久島にタンクを設置するなら、メンバーを募ってワークショップみたいな形で、自分たちで電気を使わないタンクを作りましょう。全面的に協力しますよ。」

 涙が出るかというほど嬉しいお話だった。
 タンクを初めて体験するにあたって、あまり過度な期待をするのはやめよう、期待しすぎるとかえってそれが邪魔になって深い体験ができなくなるだろうから、と自戒していたのだが。宮部さんにここまで言ってもらえたら、屋久島にタンク設置への決断できるような、何らかの体験をどうしても今回得て帰りたいと、肩に力が入ってしまった。

 さて、いよいよ長年の夢だったタンク1本目。
 入浴前に、お祓いをして頂き、シャワーで身を清め、柏手を打つ。
 タンクに足を踏み入れ、かがみこもうとした瞬間、ヌルヌルした床に足を滑らせてしまった。「あ、地面にお尻が当たる、痛い!」と思った瞬間、身体全体が温かな塩水にフワリと浮かんでいた。と同時に、タンクの蓋が閉じられた(自分で閉じたんだっけ?)。真っ暗闇の中、「ここにいるはず」と頭で予想した場所とは違う所に、自分の体が浮いている。すごく不思議な感覚。「早速幽体離脱の始まりか!」、ワクワクした途端、自分の体に意識が戻ってきてしまった。残念。
 その後しばらく、タンク内で自分の姿勢を保つのに苦労する。ちょっと油断すると体が上下左右どちらかに流れて行って、壁に当たってしまう。1時間ほど試行錯誤して、ようやくヨガのシャバーサナのポーズで安定できるようになる。
 さて、いよいよ何かが始まるかな、と思っていたが、別段何も始まらない。これじゃあ駄目だ。ふと瞑想法の一つを思い出して、自分の心拍に意識を集中してみることにした。普段寝床の中でやってみても、自分の心音を聞けたためしがないのだが、タンクの中では容易に心音を聞けるではないか。それも、聴診器で聞くように、Ⅰ音とⅡ音が明瞭に聞き分けられる。胎内で羊水の中に浮かんでいるような気分と言えなくもない。しかし、そこから先が進まない。
 いつしか、平常時の思考が戻り始める。五感からの「今、ここで」の刺激がない分、ひたすら過去の後悔、未来の夢想という妄想的思考が展開。左脳の暴走がフルスロットルで止らない。もうこれ以上考えるのは苦しい!脳が悲鳴をあげ始めた頃、2時間終了のチャイムが鳴った。
                                        (つづく)

Comment

管理人にのみ表示する


Track Back
TB*URL

Copyright © 源頭の風景を求めて・・・. all rights reserved.
Design by Pixel映画山脈

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。