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荒壁土作り・その3
土の中に落ちたクスノキの実
 ここに来て、土壁作りが大きな難題にぶち当たっている。
 荒壁土を作る際の、粘土と藁の配合比がわからなくなってしまったのだ。

 以前土壁ネットワークの大西さんから頂いた『建築基準法告示の技術解説書』というものによると、「砂質粘土100リットルに対して藁すさ400~600グラムを混ぜる」となっている。が、佐賀の左官の田崎さんからは、それではちょっと少なすぎると言われ、一回目の混入の時に600グラム、塗り直前に追いすさをする時に400グラム追加しようと予定していた。それで先月は、まずは1500リットル(150㎥)分の土用に、90キロの藁を頑張って手作業で切ったわけである。
 でも、先日、実際に藁を混ぜ合わせてみると、佐賀で研修した際に使った荒壁土に比べて、極端に藁すさが少ないのである。
 心配になって、いろいろネットで調べてみた。すると、こちらのサイトによると、土1㎥(1000リットル)に対して藁すさ60~70キロとなっている。換算すると、なんと、『建築基準法告示の技術解説書』の約13倍の藁の量なのである。他に、こっちのサイトでも、土と藁を容量比で1:1~1.5混ぜるとなっている。これも大体10倍位の大量の藁ということになる。

 ひょっとして、技術解説書は単位を一桁間違えているのではないか!?そうだ、きっとそうに違いない!となると、大急ぎで、今までの9倍の量の藁すさを作らなくてはならない!!!もう、頭の中は大パニックである。
 まず、手持ちの藁では、圧倒的に足りない。以前種子島の浦辺さんにもらった藁が約200キロ(しかも残っているのはもち米ではなく、土壁作りにはあまり向いていないうるち米の藁)。先日、屋久島の鍵本さんからもらった新米(これはもち米)の藁は150キロも無いだろう。すぐに種子島の岩崎さんに電話して、去年のもち米の藁をあるだけ送ってもらうようにお願いする。
 次は、土地への運搬手段をどうするか。軽トラ数台分の藁を運ぶのに、2台の自家用車ではとても無理だ。軽トラをオートワンの牧瀬さんにお借りするとしよう。
 あとは、切る手間。90キロの藁を切るのに約半月かかった。残り810キロの藁を手作業で全て切り刻んでいてはどうみたって間に合わない。藁切り機をネットで検索してみる。中古品は見つからず、新品は最も安い物で13万5千円から。2~3日使ったら今後まず一生使わないだろう品物に、13万5千円は高すぎる。屋久島内で、こんな農機具をもっている家はどこかにないかなあ。困った時は「屋久島の母」と密かに呼んでいる頼富さんに連絡してみよう・・・
 そんなこんなで、ほぼまる1日、大慌てで動き回っていた。

 ふと、思い立って、土壁ネットワークの大西さんに確認のメールをしてみる。
 すると、お返事が、
 荒壁土に入れるワラの量は、粘土の質により大きく異なります。
 建築工事標準仕様書(JASS)左官編には、砂質粘土100リットルに対してワラ0.6Kgを標準とすると書かれています。
 これはたぶん関東の粘土を標準とした配合量だと思います。
 関東ロームでできた粘土であるため粘性が高くないためでしょう。
 これに比べて、花崗岩質の粘土の場合、粘性が高い粘土であることが多いようです。
 香川県では砂質粘土100リットルに対して約1.5kgくらいのワラを入れています。
 これは砂質粘土の粘性が高いためです。
 粘性を押さえるために真砂土や砂を混ぜることもあります。
 ねば過ぎると、塗りにくいうえに、乾燥収縮が大きく割れやすくなります。
 ワラは塗りやすくて、割れにくくするために入れるものだといえます。
 ただしワラを入れすぎると壁土圧縮強度が低下するので気をつけてください。

 とのこと。
 
 つまり、前回投入した藁の量が600グラムと言うのは、粘性の高い西日本の粘土に混ぜる量としては少ないが、決して単位を一桁間違えていると言うほどのことではないらしい。屋久島の土も花崗岩がベースである以上、粘性は相対的に高いだろう。香川の土と比べてどちらの粘性が高いのかは、今後調べて頂こうと思っている。が、いずれにせよ、恐らく今の10倍も入れる必要は無く、2~4倍の藁を入れるつもりでいれば十分なようだ。藁を入れすぎると壁の強度が低下するというのももっともな話である。 
 かなりほっとした。種子島の岩崎さんに連絡して、誠に勝手なお願いで申し訳ないのだが、藁の配送をキャンセルさせていただく。

 結局大西さんを信じて、香川の土と同じ量、総計1.5キロ(総量225キロ)の藁を入れてみることにした。まず次回の投入で、後400グラム(総量60キロ)追加して合計1キロ(総量150キロ)。さらに、壁塗り直前の追いすさで、もう500グラム(総量75キロ)追加することにした。これで、ちょうどいい塩梅になってくれるだろうか。様子を見ながら、最後にさらに追加するかもしれない。

 それにしても今回思ったのが、土壁作りは経験が物を言うというか、非常にファジーな世界だということ。今後あちこちの土サンプルを集めて分析すれば、土の種類ごとに最適な藁の量、稲の種類、発酵期間などがある程度定式化されるのかもしれない。しかし、土壁は、所詮その土地固有の材料で手作りする物であり、工業製品ではないのだから、そこまできちんと規格化しない方が面白味が残る気がする。
 とはいうものの、実際に家が出来上がるまでは、今自分が作っている土で本当に大丈夫なのかどうか、かなり心配なのも事実・・・。どうなる、土壁?

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