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大工見習いの夏休み
カクノミ
 9月8日から11.5連休の夏休み中。当初黒部川~双六谷沢登りの予定だったが、諸事情により取りやめて、家造りに専念することに。

 夏休みの前半は、棟梁久保田さんの下で、大工見習いとして働いていた。

9月8日
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 仕事を半日で切り上げ、いそいそと作業場に向かうと、大分から土壁の小舞竹に使う割竹が届いていた。約3000本。屋久島で割竹にするのに適した「真竹」が見つからなかったので、割竹の自作を諦めたのだが・・・。この膨大な量の竹を見て、自分で加工せずに、(竹割りの機械を持っている)専門店(村川商会さん)から買って良かったぁと思った。
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 さて、作業内容である。この日はまず、濡れ縁の梁に使う太鼓落しの材の皮むき。杉の樹皮がついていると、いずれ剥がれてしまい、その場所だけ塗装が消えてみっともなくなる。だから塗装する前に樹皮を剥がしておくのだが、栗の甘皮のような薄い皮がびっちり付着していて(2枚目)、そう簡単には剥がれない。そこで1枚目の写真のようなドリルでヤスリをかける。ドリルヘッドのヤスリが小さい物だから、材木1本仕上げるのに、実に2時間ほどもかかる。サンダーで一気に磨いた方がはるかに効率が良さそうに思えるが、サンダーだと工業製品のようなツルンとした仕上がりになってしまい、自然の風合いがなくなってしまう。それで、わざわざ手間暇かけてドリルのヤスリでやるそうな。確かに、表面が微妙にデコボコしていて、釿(チョウナ)で仕上げたような味わいが生まれた(3枚目)。
 しかし、そもそも角材で良ければ、こんな作業は要らないのに、太鼓落としを希望したためにえらい大変になってしまった。実際に作業してみると、こういった何気ない仕上げが、実は大変な労力を要しているということがよく分かる。
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 帰りに土地に寄ってみると、(写真1枚目から)北東のベランダ部分、西の車庫部分、東の玄関部分、北の濡れ縁部分の基礎コンが追加されていた。
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 家の東西南北で唯一荒れていた西側の部分も、砕石を敷き詰めてくれたお陰で、枯山水の庭園のようになって、ぐっと見違えた。露天風呂のある4段目からは夕焼けがきれいだった。

9月9日~10日
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 9日夕方まで、昨日の続きで梁の皮むきだったが、それが終わると今度はいよいよカクノミを使わせてくれた。これで、柱材に貫(ぬき)を通すための穴を、上中下の3ヶ所に開けていくのだ。生まれて初めて扱う工具に、最初は緊張したが、すぐに操作に慣れた。機械の操作原理は、眼科の診察で使う細隙灯に非常に良く似ている。つまり、横方向、前後方向、上下方向を、それぞれ大まかに固定してから微調整して狙いを定め、実際の操作に移るということだ。やはり、この三次元空間に生きている人間の道具というのは、基本的に共通の原理原則に基づいて考案されるのだなあと感心した。

9月11日
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 この日は日曜で作業場はお休み。午前中は自宅でいつもの如く藁切りをして、午後から尾之間の土地に行き、ユンボによる3回目の荒壁土の混ぜ合わせを行った。(その他に手作業でも2回行っている。)ユンボ任せなので楽勝かと思いきや、升の隅のユンボのバケットが届かないところは、スコップや手と言った人力で土をかき混ぜるので、全身泥と汗にまみれて結構大変。久保田さんも休日出勤で、軽トラで500Lの水を四往復届けてくれた。ご苦労様でした。
 発酵の遅れを心配していた左右の升だが、ここに来て急速に発酵が進んだようで、灰色っぽくなってきた。一安心。実は、8月28日に2回目のユンボによる混ぜ合わせをしてもらった際、左右の升に発酵菌を移植する目的で、真ん中の升の灰色になった土をバケット数杯分ずつ移し換えたり、水分不足も疑って大量の水を追加注入してドロドロ状態にしたのだが、それらの対策が効いたようだ。
 が、真ん中の升は左右の升以上にさらに発酵が進み、ほとんど真っ黒に変色していた。写真を見ると、赤→黄土色→灰色→黒となっていくその変色の過程が良くわかる。黒い土は粘り気もすごくて、スコップや手に付いた塊がそのままひっついてとれない。この粘りの強さは、分解された稲藁の成分、リグニンが土に混ざるためらしい。

9月12日
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 カクノミを使うのも3日目になり、もういい加減飽きてきたなぁなどと生意気なことを思っていたら、いきなり大失敗!どこまで彫るかを決めるストッパーのネジ(2枚目)がゆるんでいてストッパーが一番下までずり落ちた事に気づかず、いい気になって削っていたら、裏面まで歯が貫通してしまったのだ(1枚目)。
 この柱は、吹き抜け部分に使う5mの長い柱のため、もう替えもなく、しかも傷つけた場所が、書斎入り口のかなり目立つ場所。思い切り凹みつつも、まあ、他人の家の柱でなくて良かった、僕が凹みさえすれば済む問題だから・・・と自分を慰める。
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 と、大工さんが、その部分に大きめの穴を開け、模様の似た木っ端を持ってきて、それで埋め木処理をしてくれた。所要約1時間。余計な手間をかけさせてしまって申し訳ありませんでした。綺麗に直って嬉しかった。
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 この日の夜は十五夜お月様。小瀬田集落で恒例の綱引きがあり、家族全員で参加。

9月13日
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 この日朝早く、全ての柱に貫用の穴を開け終わり、次はノミで柱に床板がはまり込む部分の溝を掘る作業。いよいよ、本物の大工っぽくなってきたぞ、とワクワクする。しかし実際にやってみると・・・。電動工具の類は、僕でも職人さんの半分強のペースで仕事ができるが、ノミのような道具になるとそうはいかない。久保田さんが一面を10~15秒で仕上げるのに、僕は3分位かかってしまう。ほとんど戦力になっておらず恥ずかしいが、焦って失敗しては元も子もないので、ゆっくり慎重に作業を続けた。1日かかって、ようやく3枚目位の量。いくら何でも遅すぎ。
 ちなみに、複雑な刻みは手作業でやるものだとばかり思っていたが、実際は4枚目の機械がほとんどの部分を削ってくれ、それでできないところだけ手作業でやっているらしい。

9月14日
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 この日が、見習い最後という僕のために、少し予定を早めて、基礎の上の土台据え付け作業を開始してくれた。といっても、肝心のパッキングが間違った部品が届いたとかで、あくまでも仮置き。
 僕は、25日に迫った棟上げに備えて、土地の草刈りもした。
 夕方から、東京に向かう。


 夏休み後半の今は、東京で義母とともに、あちこちのメーカーを回り、パッシブソーラーシステム「そよ風」、照明器具、薪ストーブ、内風呂のタイルの打ち合わせ等を行っている。


 それにしても、今年の夏休みは何だかとても充実している。黒部川上の廊下に一緒に行く予定だった北大の後輩達は、楽しく計画完遂したらしいが、僕はそっちに行かずに家造りに専念して良かったと、負け惜しみでなく思う。自分であちこち調べてまわり、気に入った物を選び取りながら、かつ、自分でも汗を流し、その成果が少しずつ目の前に形となって現れていく。フルオーダーメードかつハーフセルフビルドで行う、この家造りの快感。これは、ちょっと今までの人生で経験したことがない大きさである。モデルルームを十何軒か回ったら、あとはハンコ一つ押してお金を払う(そしてローンが残る?)だけで、マンションや建て売り住宅を手に入れてしまう多くの日本人に、この楽しさを教えてあげたい。


Comment

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着実に進んでいるようですね。良かったです。
少しずつ形になっていくというのは、達成感がありますね。
見ているだけでもそう思いますので、そこに労働が加わると一入ではないでしょうか。

来年はまたよろしくお願いします。屋久島もそうですが、由布川もぜひお付き合い下さい。

インヤン | URL | 2011/09/21/Wed 10:38 [EDIT]
こんばんは。
汗を流して作り上げていく快感というのは、確かにありますよね。

今度の台風で屋久島も一気に秋の気配です。家作りもいよいよ忙しくなってきて、次の沢はもう「来年」なのでしょうね。こちらこそ、来年もよろしくです。
屋久島遡行人 | URL | 2011/09/21/Wed 22:31 [EDIT]

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