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屋久島産荒壁土、圧縮試験合格
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 9月末に、壁土圧縮試験を受けさせるために、我が家の荒壁土を60キロ、香川県まで送っていたのだが、その試験結果が発表になった。
 結果は、無事合格。やったね!手塩にかけて育てた我が子が、東大に現役合格したかのように(?)嬉しいぞ。
 
 2000年前後に立て続けに起こった、阪神・淡路大震災や新潟県中越地震、そして耐震偽装事件。あれ以来、建築の強度に関するチェックが非常に厳しくなったらしい。それ自体は歓迎することだと思うが、土壁に関しては逆風となってしまった。昔は、伝統的構法ということでなんとなく許容されていた部分があったと思う。しかし、近年はそれでは通らなくなってしまった。土壁の場合、工場で作られる規格製品ではないから、強度が実験によって検証されていないし、材料や作り方によっても差があり過ぎる、という訳である。
 このままでは、日本の優れた土壁文化が近い将来完全に滅びてしまう。そんな危機感から、土壁の強度を科学的に実証し、土壁の良さをもっと人々に見直してもらおうという学者や建築家の先生たちが現れている。

 今回、土壁作りの最初からいろいろとアドバイスを頂き、大変お世話になっている土壁ネットワークの大西さんもその一人。
 その大西さんの紹介で、我が家の壁土の圧縮強度試験を、四国職業能力開発大学校(香川県丸亀市)の宇都宮先生の研究室でしていただいた。この実験は国土交通省の助成金を受けて行っているもので、既にこれまで日本国内のあちこちから土を集めて、強度試験を行ってきたらしい。これに合格すれば我が家の屋久島産壁土も国からのお墨付きになる、と言ったら言い過ぎか。 


 さらに僕が気になっていたのは、藁すさの量によって土の強度がどう変わるか、適切な追いすさの量はどのくらいなのか、という問題。そこで、試験体として、
 ①土100リットル当たり藁すさ1.5キロ入れて2ヶ月間発酵させたもの
 ②それに追加の藁すさ0.5キロを混ぜて合計2キロ入れたもの
の2種類を用意した。

 以下、実験の手順。
1_20130321180100.jpg
 まず土をこんな円柱状の型枠に入れて固める。2種類それぞれに付き5本ずつのサンプルで、合計10本の円柱を作った。
2_20130321180100.jpg
 約10日後、ある程度固まった段階で、型枠から取り出してさらに乾燥をすすめる。(うちの子供たち、親元離れた遠い所で、こんな形になって頑張ってます。) (・。・;
3.png
 最初から約1ヶ月後、ついに圧縮試験。上から徐々に圧力をかけていって「圧縮ひずみと圧縮応力の算定を行う」。(よくわからない(^_^;)が、要はどれだけ力を加えると壊れるかということだと思う。)
4_20130321180102.jpg
 試験終了後、完全に乾燥させて、粉々にし、中に入っていた水分量や藁すさの量を正確に測定する。


 以上の試験結果について、10ページに及ぶ詳細なレポートを頂いたが、根が文系人間の僕には、残念ながらほとんど理解できず。わかったところだけ、ごく簡単に書く。

 建築基準法告示の解説書に示された荒壁土に求められる圧縮強度は0.3N/mm2。これに対して①の土は平均0.513N/mm2、②の土は平均0.481N/mm2を計測した。 どちらも、余裕で基準をクリアである。
 ①と②を比べると、藁の少ない①の方が数値が大きく、強い土のようだが、一概にそうでもないらしい。
 耐力とひずみ度の関係を見るグラフも付いていた。これを見ると、②は、最大耐力の低下はあるが、最大耐力を発揮する所がひずみ度の強い方向にずれており、また、ひずみ度が強まっても、耐力の落ち込み方は小さくなっている。つまり、最大耐力は大きいけれど壊れはじめたら一気に壊れるという性質ではなく、変形が進んでも耐力が衰えにくい、粘り強く耐えられる性質ということのようだ。
 これを、藁の増加により「靱性(じんせい)」が向上している、とも表現できるらしい。

 我が家の土壁に使ったのは②の土になる。ちなみに、乾燥させて正確に測ってみたところ、土100リットルあたり藁すさ2キロの計算で入れていたが、2.26キロ入っていたそうだ。

 宇都宮先生、及び実験を手伝ってくださった方々、実験にあたっては、作り手とはまた全然違ったご苦労があったことと思います。本当にどうも有難うございました。素人が試行錯誤しながら苦労して作り上げ、まるで自分の子供のように思い入れのある土を、ここまで真剣に実験して下さり、感謝感激の念に堪えません。そしてまた、不安だらけだった壁土作りにおいて、大きな自信となる、最高の保証をいただきました。
 この場を借りて深くお礼申しあげます。


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| | 2011/12/11/Sun 18:07 [EDIT]

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