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版築の炉壁作り・その5
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 以前の記事で紹介したCMを見過ぎたせいだろう。深夜一人で版築を突きながら、大昔の人類も現在の自分と全く変わらぬ作業をしていたんだなあ、と思いを馳せていた。やがて、自分が前世で古代ウイグル人だった時のDNAが呼び起されたかのような、不思議な興奮が湧き上がってきた。過労の余りの、これぞ「ランーズ・ハイ」。(ちなみにイ族の版築作成風景→なぜか笑える。)
 さて、全国の版築ファンの皆様、お待たせしました。ついに版築御開帳です。

 
 4月21日、午後3時。
 大工さん、左官さん、ペンキ屋さん、土こねバイトの方、その他大勢の前でついに版築の型枠を外し始めた。
 失敗だった時に落ち込む僕のフォローを考えてくれているのか、皆押し黙ったまま横目で見守っている。
 僕も緊張で手が汗ばむ。

 1番目の型枠を外す。
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 おー!固まってる!!全然崩れそうにない。しかもビューティフル!!!
 
 ついで、2番目。
2_20130117150650.jpg3_20130117150653.jpg
 あれ、3層目と4層目、それに6層目と7層目、色のグラデーションが逆転してるぞ?なぜ?配合間違えた?


 3番目。
 うーん、心配していた、色の段差がついに出現してしまった。しかも、7層目の右下に恐れていたジャンカ(す:砂粒の隙間)ができてる。明らかに突き方の不足。
 ショックで写真を撮り忘れ。

 4番目。
4_20130117150654.jpg
 そう、ご覧のように、唐突に赤色が入ってくる訳です。それでも、固まり具合は、今の所、思っていた以上に順調。但し、型枠の継ぎ目の「バリ」が少し気にはなる。が、これは磨き落せば何とでもなりそう。

 5番目。
5_20130117150652.jpg
 ここで今度は、唐突に黒茶色が現れてくる。(涙)

 最後の6番目で、全て御開帳。
6_20130117151514.jpg
 やっぱり、グラデーションができてないなあ・・・。

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 薪ストーブ代わりに灯油ストーブを置いてみた。


 版築の自己採点は60点。ギリギリ合格と言うところか。
 まず、色のグラデーションがまるでできていないので、マイナス20点。
 さらに、表面がツルツルのっぺりした感じで、版築らしい自然の地層のイメージが薄れてしまったのが、マイナス10点。これは、触ってもボロボロ崩れ落ちにくいという意味では評価すべきことなのだが。原因としては、土の粒を細かくし過ぎたためか、それとも型枠がツルツル過ぎたせいか、はてまた、外周部分を念入りにつきすぎたせいか?
 最後に、ジャンカができてしまったことが、マイナス10点。これも、逆に、土の感じを出す上では効果的ではあったが。
 それでも、型枠を外すやいなや、型枠にくっついたままの土から、なし崩し的にボロボロ壊れ始めるという、最悪の事態にならなかっただけまだましか。周りの職人さんたちも、とりあえずこれで自分たちが次の作業に取り掛かれると、胸をなでおろしていた。
 良かった。


 ここで、版築作りのまとめ。
 1.まずは土選び。粘土分が多すぎるとひび割れる。砂分が多すぎると固まらない。土壁用の土よりは砂分の多いサラサラした砂質粘土が向いている。粘土質が多い場合は、砂を混ぜればよい。
 2.石灰の量は全体の1/5~1/40位。入れるほど固くなるが、色が白くなる(これは弁柄などで着色可能)。石灰の代わりにセメントと石灰を半々にしたものを使うと、石灰の量を増やすのとは別次元で劇的に固くなる。(ただし、本物の「版築」とは言い難くなる。)塩化マグネシウム(苦汁の素)は重量比で1%入れたが、これは、硬化させる役割としては気休め程度ではないだろうか。
 3.一番難しいのは水加減。土を手で強く握って、ようやく形になる程度。多過ぎても少な過ぎてもうまく行かない。用意した土や砂の湿り気具合を見ながら、蕎麦打ち職人になったつもりで細心の注意が必要。
 4.壁として自立するためには、高さにもよるが、厚さが40㎝位欲しい所。それほど厚さが取れない場所では、版築の中に鉄筋ないし竹筋のようなものを通す必要がある。
 5.弁柄などの顔料でグラデーションを付けたい時は、その配合量に要注意。(詳しくは本ブログの前記事参照)
 6.土と石灰を混ぜる際は、人力でなく、ミキサーを使うべき。人力だと疲れてきて、やがて混ぜ方が不十分になり、ジャンカができる原因になる。
 7.型枠は、半端なものでは、土の重さと突く圧力で容易にたわみ、壊れる。できれば、本職の人にしっかり組んでもらった方が安心。
 8.わからないことは、プロに聞く。
 9.最後に一番のポイント。版築のベテランが監督してくれる場合以外は、とにかく試作に試作を重ねること。マニュアル通りには行かない(そもそもマニュアルが無い?)のが、土壁であり版築である。使用する土に合わせた自分なりのやり方を、感覚でつかんでいくしかない。試作品としては、最初は10×10×5(~10)㎝位の小さな塊を作ってみて、その後、例えば50×10×30㎝位の壁状の物を作ってみたら良いと思う。ぶっつけ本番では必ず失敗するよ。


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 2階の渡り廊下から見下ろした図。版築の斜め後ろは、カウチスペース。
 

 土壁用土作り、竹小舞掻き、そしてこの版築作り。
 我が家の家造りにおいて、本職の人がいないため、僕が自ら責任者となって陣頭指揮をとった三つの大仕事。何とか無事全てが終わり、心底ホッとしている。
 後は、職人さんの邪魔にならない程度に、自分で手伝えることをしていこう。


Comment

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お疲れさまです☆★☆★*☆ミ
楽しみにしてましたよ!!先週は毎日ブログ開いてみてたんですけど(^_^)
めっちゃ綺麗じゃないですか!
美しい。
色もこれくらいはっきりのグラデーションの方が力を感じますよぉ。存在感たっぷりでシンボルらしい!!
それにしても、お疲れさまでした。読んでいるだけで大変そうです。。でもいいなあ(^ω^)やりたいなあ~。
その前に、家が完成したら見に行きたいです!!!
oo34 | URL | 2012/04/27/Fri 07:04 [EDIT]
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| | 2012/04/27/Fri 15:45 [EDIT]
お褒めの言葉を頂き、有難うございます。嬉しいです。
玄関を入ってリビングを見た時に、いきなり目に飛び込んで来る場所だし、あの赤味が確かに存在感たっぷりです。
完成後は是非遊びに来てくださいね。エコと言う点では徹底しきれなかったのが残念だけど、志向性の合う人が見たら、見どころ満載の家だと思いますよ。まだまだ続くこだわりポイント、ブログ上でも、ちょっとずつ明かしていきます。竣工は6月になるかなあ。
屋久島遡行人 | URL | 2012/04/27/Fri 20:47 [EDIT]
よかったですね!
イギリスより。左官はすべて結果オーライですよ。書と同じでやり直しがきかないのがいいんです。それより流れと人との関係をよく保つこと。それができていればGOOD.
遠野未来 | URL | 2012/04/28/Sat 22:12 [EDIT]
遠野様
お送りしたメールにエラーメッセージが帰ってきたのですが、ちゃんと届いていたでしょうか?

本当に、このたびはいろいろとありがとうございました。
お陰様で、土壁に続いて、人生でまたとない経験をすることができました。
「流れと人との関係」、あー、本当にいいことおっしゃる。確かに、人生の本質はそっちにありますものね。グラデーション云々じゃなくって(笑)。
屋久島遡行人 | URL | 2012/04/28/Sat 22:45 [EDIT]
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| | 2012/05/06/Sun 10:16 [EDIT]

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