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『大山倍達正伝』・読書日記
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 稀代の空手家、ゴッドハンド・マス大山の実像に迫った伝記。ノンフィクションライターとしてはほとんど無名に近い二人の著者だが、良くぞこれだけ調べ上げたと感服すると同時に、こんなに暴いてしまって大丈夫なのかと心配にもなる。本人及び関係者への綿密な取材がとにかく半端な量でなく、その結果本も600ページ超の大作。読み応えがあり過ぎて、極真ファンでないと読破はきついかもしれない。いや、そもそも買わないか。
 
 僕自身高校生の頃読んだ『空手バカ一代』に感動して、青春の一時期を「地上最強のカラテ」に賭けた男である。が、この本を読むと、『空手バカ一代』が如何に虚飾だらけのでっち上げ本だったかがわかる。例えば彼を一躍有名にした、あの「牛殺し」。

 この動画では上手く編集されているが、実態は元々戦う気がなく逃げる牛を追いかけ回し、何度も叩いて無理矢理角を折るだけというお粗末さ。それじゃあ、ただの動物虐待だよ!幻滅の一言。
 だが、だからと言って、「俺は倍達や梶原一騎に騙された!」と憤る気にはなれない。と言うのも、人間相手の実戦においてはやはり破格に強かったのは事実のようで、あの力道山も恐らく相手にならなかったろうと。さらに、現実の大山倍達氏は、徹底した個人主義者ながらも、子供のような人間味があふれ不思議と憎めない人物なのだった。 
 ついでに言うと、この本は敗戦前後の日韓の複雑な歴史、及びそれに翻弄されながらもしたたかに生き抜く在日朝鮮人の姿についても沢山学べる。「倍達(ますたつ)」という変わった名前が、実は韓国における「大和(戦艦ではなく、日本の異名としてのやまと)」のようなものであり、韓国人であることを隠し日本人を演じようとしていた本人が、そうとは知らずに在日朝鮮人の恩師から頂戴したという記述は何とも感慨深い。

 ところで、大山倍達氏(韓国名:崔 永宜)は若い頃、「大山虎雄」と名乗っていたこともあるそうだが、虎雄と言えば、今一部の世間を騒がせている徳洲会の徳田虎雄氏。彼もエネルギーに満ち溢れ、極真会の大山虎雄氏同様、20世紀日本に現れた偉大なカリスマであることは間違いない。(もしも上記がリンク切れの場合は、こちらのページをご参照下さい。)
 が、単にそれだけでなく、この本を読んで、二人の人生には驚くほど符合が多いことに気付いた。以下、列挙してみよう。

1.日本ではマイナリティ扱いされる出自であり、貧困な幼少期にハングリー精神を否応なく鍛えられたこと。(在日朝鮮人:奄美群島徳之島)
2.体制を牛耳る伝統勢力に無謀ともいえる戦いを挑みながら、一代で自分の組織を国内のみならず世界中に築き上げたこと。(伝統空手:日本医師会)
3.そのために、政界(そして闇の勢力とも??)と太いパイプ、交友関係を持ったこと。(佐藤栄作:自由連合、石原慎太郎)
4.生きているうちから、虚実入り混じった自伝漫画や数多くの自著で自らを伝説上の人物に仕立て上げたこと。(空手バカ一代:トラオがゆく)
5.赤旗や聖教新聞のような機関紙を立ち上げ、一般社会に対して自らの団体のアピールを繰り返したこと。(パワー空手:徳洲会新聞)
6.晩年、夫人や娘たちによる団体への介入や私物化が始まり、それが昔からの重鎮たちの不興を買い、内紛の一因になっていること。
7.さらに事態をややこしくしている遠因に驚愕の新事実があるのだが、これはどちらも一族のプライバシーに関わることであり、ここに書くのは自粛。(本を読めばわかるよ。)

 大山倍達氏の没後、カリスマ総裁を失った極真会が醜悪な内部抗争を経て無数の団体に分裂していったことは記憶に新しい。歴史は繰り返すとするならば、徳洲会グループも今後、ぐちゃぐちゃな法廷闘争を繰り返しながら、分裂解体していくのだろうか。
 あれ、話が途中から本でなく徳洲会になっちゃったな。(苦笑)

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