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『貧困大国アメリカ』三部作・読書日記
リバティ島からマンハッタン
 最近堤未果の本が売れているようだ。僕も立て続けに、何冊か読んでみた。
 『貧困大国アメリカ』三部作を読むと、「世界一リッチな国、アメリカ」というイメージが崩れ去る。1%の超富裕層が莫大な富を蓄積している影で、99%の国民が収奪され、貧困生活にドロップアウトしつつある。
 そして、『政府は必ず嘘をつく』を読むと、日本にも今まさに、同様の変化が押し寄せつつあるという恐怖を覚える。
 真の敵を見誤ってはいけない。尖閣や竹島問題で、お隣の中国や韓国と揉めている場合ではないのだ。ならば、アメリカかって?いや違う、我らが戦うべきは新帝国主義ともいえる巨大グローバル企業なのだ。アメリカは既に奴らに食い物にされてしまった国で、オバマもその手先として動いてるに過ぎない。
 
 『貧困大国アメリカ』シリーズから、アメリカ国民が絶望的貧困に陥れられる一つのパターンを簡単に描出してみる。

①学資ローン
 サブプライム問題で大きな話題となった住宅ローン、実はこれと並んで大きなマーケットが学資ローン。四分の三の大学生が学資ローンを抱えているが、レーガン政権以後、運営母体が政府系から悪質な民間会社に変わっていった。学生は一度でも延滞すると利子が膨れ上がっていき、9ヶ月で債務不履行とみなされブラックリストに載る。こうなるとクレジットカードすら作れなくなり、これは、カード社会のアメリカでは一度落ちたら這い上がれない下層転落コースを意味する。
②スリーストライク法(三振法)
 過去に2度有罪判決を受けた者が3度目の罪を犯せば、罪の重さに関係なく、自動的に終身刑にするという法律。1990年代に、州法として成立。生活に困った若者が、スーパーで万引きしただけで、一生刑務所から出られなくなることに。
③刑務所ビジネス
 刑務所もどんどん民営化されているが、そこで囚人はなんと、部屋代、食費やトイレットペーパー代まで請求される。そして、最高賃金(最低ではない)が時給145円で、強制的に長時間労働させられる。囚人には福利厚生もまったく必要ないため、グローバル企業にとっては、第三世界よりも安価な労働力として注目されている。一方、囚人は、出所する時には多額の借金を背負わされている。まさに貧困の無限ループ、一度はまりこんだら絶対に抜け出せない。

 その他にも、遺伝子組み換え作物で世界中の食料を支配しようとしているモンサント社の陰謀、市場原理にかき乱される医療現場、困窮した若者が民間の戦争請負会社に吸収され、傭兵として戦地に「派遣社員」されている実態などなど、もう、この国は終わっているとしか言いようのない話がいくらでも出てくる。金の亡者と化したグローバル企業が、多額の献金で大統領候補や議員をコントロールし、こうした変化を誘導しているのだ。

 そして、『政府は必ず嘘をつく』でわかるように、真実の情報にたどり着くには意識して努力しないといけない。僕自身はもう20年以上前から新聞もテレビもやめているが、マスコミの情報を鵜呑みにしていては、権力者に騙されるだけである。
 しかし、堤未果の本が硬派な岩波新書の中でこれだけ売れているのは、真実の情報を伝えているということ以上に、その論旨の明快さ、わかりやすさによる所が大きいと思う。これは一重に、豊富な取材に裏打ちされた著者の分析の鋭さによると思うが、極端に単純化して物事の一面しか捉えていないという可能性も無きにしも非ず。と言ったら意地が悪過ぎか。
関連書籍
 僕の本棚の関連書籍。こういう本を読んでいると、収奪システムを構築しようと画策する1%の超富裕層に対して、激しい憤りを覚える。しかし、人間は他の人を責めるのは簡単である。それによって自分の責任を引き受けずにすむし。そういうエゴの戦略にはまることなく、他人を責める前に、自分の中の問題にもより厳しい目を向けなくてはならないとも思う。
 結局何が言いたいのか、よくわからなくなったな。


Comment

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ようやく読みました,「貧困大国アメリカ」と「政府は必ず嘘をつく」。

現実的な説得力があり,地下で行われている蠢きを実感した気がします。2000年の政権転覆後のセルビアを食い物にするアメリカの多国籍企業,アフリカで最も生活水準が高く,石油資源を元に国内の発展を導いたカダフィの事実,などを知るにつれ,偏ったメディアによる,偏った知識を植えつけられていることを思い知らされました。イラクのWMB保有疑惑なんかも結局,戦争をするために捏造されていましたし。

やはり何でも自分の目で見て,確かめ,そして考えないといけませんね。
インヤン | URL | 2013/11/03/Sun 01:18 [EDIT]
こんにちは、インヤンさん。
沢の記録だけでなく、読書記録まで読んで下さり、しかもその本まで読んで下さるとは。1ヶ月に1回位しか見てない家族などよりも、はるかに僕のブログの愛読者、感激です。

みのもんたの芸能界追放も、原子力村の陰謀だと、よりによって菅直人(TPP参加に舵を切った人)が言い始めてみるみたいですが・・・。確かに、みのもんたは原発に関しては鋭い批判をしていたのは事実ですが、何から何まで陰謀と騒ぎ立てるのもなんだかなあ、と思います。
その一方、20年以上激しい選挙違反を続けてきた徳洲会が、今になって東京地検特捜部(前身はGHQの手先)に叩かれ始めているのは、全国の徳洲会病院を分裂解体させて、TPP展開後に乗っ取ろうとしているアメリカの陰謀という気がしなくもありません。

自力で一次情報に当たる能力が乏しい中で、何が本当で、何が嘘かを判断するのは、想像以上に難しいです。
屋久島遡行人 | URL | 2013/11/03/Sun 13:35 [EDIT]
実は前から遡行人さんの本は読書の参考にさせてもらっています。読み応えのある本ばかりで,ありがたいです。

特洲会と特捜部の関係は,知りませんでした。遡行人さんの言う通りのような気がします。「なんで今更」って感じですよね。TPPに加盟したら,ゴリ押しされて国民皆保険,医療,教育などアメリカと同じように民営化され,貧困者が激増するかもしれませんね。

アメリカでは以前はクリントンが,今ではオバマが皆保険推進者ですが,いずれも対抗勢力に押されて,ほぼ却下されてますよね。

また,自国のデモクラシーを押しつけることが好きな国もありますからね。政権転覆→デモクラシーの勝利→傀儡政権樹立→インフラ再建にたかる多国籍企業,という構図でしょうか。ピッグス湾,ベトナム,ソマリア,チャップマン基地自爆テロなどの失敗を通して,押しつけデモクラシーに対して,何が何でもそれを拒否し,徹底抗戦する人間について学んで欲しいと思います。

話が思いっきり外れてしまいました。これからも良き書物の案内をお願いします。
インヤン | URL | 2013/11/03/Sun 14:53 [EDIT]
インヤンさんにも是非、沢記録だけでなく、読書記録も出して欲しいです。
またまた凄いエネルギッシュなものになりそうな予感。

最近は、TPP関連の本にはまってます。
屋久島遡行人 | URL | 2013/11/03/Sun 16:12 [EDIT]
承認待ちコメント
このコメントは管理者の承認待ちです
| | 2017/01/28/Sat 15:51 [EDIT]

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