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平地川・屋久島沢登り記録
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 10月3日、平地川に行ってきた。2万5千分の1地形図には名前が載っていないが、河口近くは沢登りガイドツアーで良く使われる沢だそうで、最近知った。「せいじがわ」と読むらしい。場所は田代川の一本南側にある。滝登りが面白いという噂だったので、ガイドのKさんを誘って行ってみた。
 
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 天気、晴のち曇。
 下山口近くの林道に車を一台デポしてから、田代海岸へ。そこから海岸を数分南に歩いて、平地川河口着。海水に浸かってから、10:05、入渓。10月ともなると、さすがに水が少し冷たく、バシャバシャ飛び込みたくなるほどではない。5分も行かずに、すぐに小滝出現。
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 小滝や瀞が連続して、早くも全身びしょ濡れ。
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 丸太橋のかかる淵。Kさんは先にスタスタ行ってしまったが、僕は数歩ヨロヨロと歩いてドボン。Kさんは「荷物が重いからでしょう」と慰めてくれ、確かに手持ちの登攀具が全て詰まった僕のザックは彼の2倍の重さがあったが、空身でも行ける気がしない。自分の平衡感覚の無さにションボリ。あとで聞くと、彼は仕事で毎日の縄文杉往復の間、退屈なのでトロッコ道のレールの上を歩き続けるなんてことをしているそうな。そりゃあ、鍛えられるでしょ!
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 女川のような瀞場を、ライフジャケットをつけてスイスイ泳ぐ。
 その先に待っていたのはこの滝。登れん。で、ここは空身になって左岸側の岩場3mを登る。5分ほど試してみて、一箇所だけ登れるルートを発見。途中でねじるように体の向きを変える変則的ムーブ。幾何の難問が補助線一本引いて解けたように、これを見つけて登れた時は嬉しかったあ。Ⅳ級。
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 その後も親水性の高い場所が続き、11:05、最大の核心、8m大滝(2枚目)出現。右岸端がルートらしい。取り付きも難しいが、その後の2~3歩がⅤ級のムーブと聞いていた。実際に見てみると、右岸端よりも水流の中を行くほうが簡単そうに見えたが、最後の2mが難しいか。あそこでビレイが決まらずに落ちたらやばいので、定石通り右岸端のルートをとる。空身になって、ライフジャケットだけつけてアタック。予想通り、かなりすべる岩肌で、ガバホールドは皆無。ハーケンとカムがしっかり決まってくれたので、ヌンチャクを掴んで登りたい誘惑に何度も駆られる。しかし、膝とすねのサポーターのフリクションも最大限に使うことで、何とかズルせずに突破。Ⅴ級と言う話だったが、これまでⅤ級の岩場を登れたためしのない僕がリードで登れたのだから、せいぜいⅤ-級ではないか。
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 その後もゴルジュ地形の中を、いやと言うほど泳がされる。小滝は大体直登できるが、1枚目のは巻いた気がする。
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 12:30、県道の橋着。(右写真)
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 相変わらずゴルジュ。
 2枚目の滝は登れそうになく、右岸を高巻く。
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 高巻きの途中から。上流の小滝(1枚目)も連続して高巻くと、標高120mの二股。支流である右股は2枚目の如く、白い糸のように細い一条の滝が2連。樹間からのぞいただけだったが、その姿に女性の霊気を感じてしまった。
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 結構いやらしいガレ場を下って(1枚目)、川床に復帰。さっきの右股の滝を振り返る。やはり、水上勉の「白蛇抄」の舞台になりそうな滝である。
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 で、左股の本流の先がこれ(2枚目)。写真がぶれていて申し訳ないのだが、滝の手前に、両岸の岩が一つにつながって橋のようになっているのがお分かりいただけるだろうか。どうも一つの岩の真ん中をくり貫いて水流が流れているらしい。ゴルジュの中のチョックストーンは良く見るが、こんな自然の橋になった岩は初めて見た。この場所の神聖な空気感と合わせて、今日一番の絶景。
 これも登れず、右岸巻き。巻きの途中で、一部いやらしいへつり場(2枚目)。最初に僕がロープなしで行ったのだが、問題は、でっぱった大岩を抱え込む形で越える部分。大岩の先に回した右手にぐっと力を入れて、体を外傾させた瞬間、ガバホールドと思って掴んでいた右手の岩が、バリッと剥がれかけた。全身、脂汗が噴き出したよ。それを見たKさんはザイル確保で。賢明でしょう。
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 標高140mの二股は左股を選び、14:45、標高220m林道の橋に着(1枚目)。15:30、標高300mの二股(2枚目)も左股へ。ここから、地形図でもわかるように急登が始まる。
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 この12m大滝は、ぱっと見はスタスタ登れそうだったが、なんとなく嫌な感じがして、ザイル確保してもらった。そうしたら、案の定、上に行けば行くほど厳しい。ビレイを取れるようなリスも少なく、左に右にとジグザクにルートをとる。最後の所が、最高にヌルヌルで、ホールドもない。ハーケンとカムとで2箇所ビレイをとるが、岩質がもろいので、どちらも信用がおけない。無理な体勢を続けているのと緊張とで、ふくらはぎがビクビク痙攣してきた。覚悟を決めて足を上げるが、滑ってフォール。幸いビレイが外れることはなく、Kさんの確保のおかげで2mの落下で止まった。気を取り直して再チャレンジしたら、今度は成功。Ⅴ-級。核心部分が高い場所にある分、前半の大滝よりもはるかに怖かった。
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 その後も、登れるか登れないか微妙という感じの、陰鬱な滝が続く。この沢の岩は、ヌメる上にボロっと剥がれるから、見た目以上にいやらしいのだ。日没も迫ってきたので時間短縮のため、もうザイルを出すことはせず、適宜巻いていった。
 標高380m位で急峻な地形は終わり、水枯れ。その後は暗いガレ場のアルバイト。
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 16:55、標高470mで船行前岳登山道にぶつかる。この登山道の下山は、以前落川から船行前岳に登った帰りにブルドーザー道に迷い込んで危うく遭難しかかった所なので、コンパスやKさんのGPSを確認しながら慎重に下る。やはり、GPSが示す現在位置と、地図の登山道は微妙にずれていた。
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 林道まであと100mと言う所で、伐採された杉の木がそのまま放置されていて、ご覧の通り登山道を塞ぎ全くわからなくしている。林業関係者のつけたであろうピンクテープだけはあちこちにあり、つい関係ない方向に引っ張られる。GPSがなければ危うく今回も遭難騒ぎになるところであった。林業の人も、少しは登山者に気を遣ってほしいものだ。登山者がほとんどいない山ではあろうが、現状ではいつか事故が起こる。
 17:25、林道着。17:35、車デポ地点着。
 今回は、ザイル確保といい、GPSといい、Kさんなしでは成り立たない山行であった。感謝。


 平地川は難易度3級。隣の田代川同様、暗いゴルジュ地形の中に小滝が連続しており、登攀を楽しむ沢。行く前は正直さほど期待していなかったが、行ってみたら当たりであった。上流部の大滝は滑りやすく危険なのであえて登らなくてもいいと思うが、下流部の大滝は登り応えがある。ザイルの他に、カムやハーケンのフル装備が必要。後続は引っ張り上げるとしても、トップの人はA0でもA1でもいいから、頑張って攀じ登るべし。淵の中を泳いで進む場所が多いので、ライフジャケットがあると楽。くそ暑い盛夏に行くとより楽しめると思う。
 この沢の核心は、実は下山に使う船行前岳登山道。林道近くの登山道周囲で、植林した杉を伐採中なため、林業関係者の踏み跡やピンクテープ、地図に全く記載のないブルドーザー道などが錯綜している。迷わず行くためには本当に注意が必要。できればGPS携帯が望ましい。


Comment

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これは凄い沢ですね。ゴルジュ内を泳いで登攀というのは,最高の遊びですよね。小粒ながらもピリッと効いた感じで,こちらも思わず見入ってしまいました。
インヤン | URL | 2013/10/05/Sat 18:13 [EDIT]
更新ミスで、記録途中で切れていて失礼しました。更新しました。

ここは、まさに、山椒のような沢でした。さほど期待していなかっただけに、満足度が高かったです。瀬切、宮之浦川に向けての課題(重荷を背負っての長時間行動、バイルやアブミの邪魔にならない携帯方法)がわかった意味でも、有意義でした。
屋久島遡行人 | URL | 2013/10/05/Sat 20:59 [EDIT]

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