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『武装解除』・読書日記
 佐藤優という、鈴木宗男とともに国策捜査で起訴された元外交官がいる。日本の外交にはインテリジェンス(情報機関ないしは諜報活動)がないとメディアで盛んに発言している有名人だ。で、彼の本を読んでみると、確かに教養や人脈づくり(や酒量!)はすごいのかもしれないが、じゃあ、貴方自身は外交官としてはたして一体どれだけの実績を残したの?という気がしないでもない。まあ、情報の性質上まだ公表できないものが多いのだろうけれど。
 それに比して、この本の著者伊勢賢治こそ、インテリジェンス(知能・情報)を持って世界平和のために現場で尽力し、実績を残してきた人間であると、間違いなく言える。
 彼の職業は、「紛争屋」。
 そもそも、紛争屋なる職業が存在すること自体、初耳である。その職務内容は、多国籍の軍人・警官を部下に従え、軍閥の間に立ち、あらゆる手段を駆使して武器を取り上げる、と本の帯にある。彼が活動してきた地域は、東チモール、シエラレオネ、アフガニスタンと、いずれも内戦地域として国際ニュースで取り上げられてきた地域ばかりだ。
 でも、ニュースを見ても、現場がどうなっているのかよくわからない。(そもそもあまり興味が湧かない?)。よくわからない現場はそのままにして、国内では、自衛隊を海外派兵するのは合憲だ、いや違憲だと憲法解釈を巡って議論ばかりしている。
 こうした、文字通り「机上の空論」を戦わせている暇があったら、とにかくこの本を読むべきだと思う。
 争いをなくすためには一体どういう作業が必要なのか、日本の新聞、テレビからは全く見えてこなかった(存在すら知らずにいた)現場の苦労が赤裸々につづられている。抑止力としての軍備とともに、正確な情報に基づいた交渉努力、そして最後は人間の器の大きさ、どれ一つとして欠かせないもののようだ。
 誰も知らないところでこんな凄い事をしていた人がいたんだと、同じ日本人として誇らしく思う。

 平和利用のために自衛隊を海外派兵できるよう法制化すべきと考えていた彼だが、今の日本の危険な現状を鑑みて、敢えて「現在の日本国憲法の前文と第九条は、一句一文たりとも変えてはならない」と最後を結んでいる。彼のこの言葉が持つ意味は、重い。

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