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トガヨケ沢・屋久島沢登り記録
IMGP2259.jpg
 5月2~3日、熊本のインヤンさんと共に、永田川支流のトガヨケ沢に行ってきた。ここは7年前、ガイドのYさんと下部だけ偵察に行ったことがあるが、想像以上のゴルジュとあまりの巻きの大変さに早々と敗退した。あの頃はまだまだ力量不足だったと思う。今回はもちろん完登を期してしっかり泊まりの装備も持っての再挑戦。
IMGP2226.jpgIMGP2228.jpg
 5月2日、晴れ。
 9:50、永田の横河渓谷より入渓。横河渓谷のすぐ上、右側から合流するのが、トガヨケ谷である。最初は穏やかな川原歩き。20分で、上部林道の橋を通過。
IMGP2243_20140508123701c53.jpgIMGP2245.jpg
 10:55、標高185mで沢が右に屈曲するところを曲がると、いよいよゴルジュ帯の始まりである。最初の滝は、ツルツルの岩がコケで濡れた苔で覆われており、取り付く島がない。左右の岩壁も直登不能。ここは、屈曲点に戻り、右岸のルンゼ状急登を登り始める。80m登ると、森林軌道跡が通っている(ルンゼの中は、道が欠けているので、見過ごさないよう要注意)ので、有り難くこれを使わせてもらう。この軌道跡も途中2箇所崩落して崖になっている。そこは、懸垂下降で降りたりせず、高巻いてからその先の軌道跡を歩き続けるのが正解。
IMGP2248巻き途中IMGP2252第1巻き終了時間]]]
 1枚目、巻きの途中から。やがて軌道跡は消えるが、斜面をトラバースする感じで、藪の中を少しずつ高度を下げていく。2枚目、11:45ザイルを出すこともなく、そのまま沢に降り立った。
IMGP2253.jpgIMGP2258.jpg
 滝を見つけるたびに、遡行図書きに余念のないインヤンさん。この日は珍しくインヤンさんのペースが上がらず、僕に遅れがちであった。と言うのも、こちらの記録を読めばわかるとおり、彼は前日も永田岳・宮之浦岳を登っており、それも普通の登山者なら軽く3日はかかるであろう尋常ならざるコースを1日で駆け抜けているのだ。そんな怪物でも、流石に少しは疲れが残っていたらしい。これが他の人なら僕も心配する。が、相手が相手なだけに、この位のハンディがあって軟弱者の僕には丁度良かった、と内心安堵しながら歩いていた。ごめんなさい。
 2枚目の木、床柱にしたいなあ。
IMGP2262.jpgIMGP2270第2巻き戻った滝
 12:25、標高290m位で、トガヨケ最大の滝12m出現。前回はこれを見て引き返した。今回最低限の登攀具は持って来ているが、やっぱり登れない。左岸を高巻く。高度差80m、かなりの急な藪を登って、12:55、標高368mの記載のあるポコに出る。そこから、また急な藪を下って、13:05、本流に復帰。高巻いてしまったゴルジュ内部を、少し引き返して見に行くと、2枚目の如く、直登不能な滝が2つは確認できた。これは大きく巻いて正解であった。(というか、途中で降りられそうにもなかったが。)しかし、上流から懸垂下降を連続していけば、ここのゴルジュ内部は突破できるかもしれない。
IMGP2272第3巻の始めIMGP2276_20140508124618205.jpg
 13:25、すぐにまたこれ。7~8mの高さなのではあるが、やはり無理。今度は右岸を巻く。地形図で標高400mの岩壁マークがあるところの上部を進む。薮なので滑落の心配はないが、やはりここも80m位登ってから巻く感じになる。途中で青い人工物を見つけ、何かと思って並べてみたら、中国から飛んできた風船であった。
IMGP2278_20140508124630e58.jpgIMGP2280第3巻終了時間]]]
 1枚目写真の2連の滝の中間部に降り立ち、上の10m斜滝は左岸を直登で越える。14:20、登り終えて下を見返した写真。右端にインヤンさん。
 もう、これでゴルジュの滝は終わりだろうと思ったが・・・・・
IMGP2292.jpg
 まだまだありました。トホホ。
IMGP2291ルート図IMGP2295第4巻き
 またまた大高巻きかと思ったが、ここは少し戻った右岸のガリー(岩溝)にラインを見出した(矢印)。上部は落ち葉の中に木の根っこが張り出しており、見かけよりは安全に登れ、達成感も楽しめた。しかも、合計30m位登るだけで済んだのはラッキー。Ⅲ級。
IMGP2301第4巻途中IMGP2307一旦平]]]
 巻きの途中から、上部にまだ登れそうにない滝が見えたので、これも一気に巻く事にする。一体全体、この谷は直登不能な滝が全部で幾つあったのだろうか?
 15:35、標高500m地点に降り立つ。これより上は右写真の如く、一転して平流となる。
IMGP2313.jpgIMGP2318.jpg
 滝が出てきても、ゴルジュ内部でなければ楽に突破できるし、基本は平流。
 しかし、ここまで、テン場適地が全くなかった。地形図を見ると標高820~830m辺りの支流合流部に適地がありそうだが、どうだろう?日没前に何とかテントを張り終えたいと、少し気持ちが焦り始める。幸いこの先に難所は全く無く、前半のノロノロペースが嘘のようにピッチを稼いでいく。
IMGP2320.jpg
 17:30、標高810m地点右岸を3m登った場所に、そこそこ良いテン場を発見。自分で言うのもなんだが、最近沢の中でテン場を探すとき、この辺にありそうだという勘が外れた試しがない。これも屋久島の沢に通いつめている成果だと思う。地図上は、もう少し行けばもっといい場所がありそうな気もしたが、時間も遅いのでこれにて投了。


 5月3日。晴れ。
 6時半、行動開始。5分も登った標高830mの左岸には、やはり、昨夜のテン場を上回る、平らで広い場所があった。トガヨケ谷は、テント適地がほとんどなく、稜線近くは比較的早い段階で水枯れとなるので、これから登る人は、ここをテン場に考えるのがベストだと思う。
IMGP2332.jpgIMGP2338C990二股
 上部も、昨日の後半に引き続き、容易。倒木や巨岩や薮がほとんどなく、極めて登りやすい。標高990mの二股(右写真)は左又の方が見事な階段状の滝で水量もわずかに多いように見えたが、国割岳に直登する右又を選択。
IMGP2346_20140508140701680.jpgIMGP2349C1140水枯れ
 標高1050m位から、水が断続的に切れてきて、標高1140m、まるで堰堤のような右写真の巨岩の手前で完全な水枯れ。
IMGP2351.jpgIMGP2354.jpg
 最後の詰めも楽勝で、8:25、標高1220m国割岳直下のコルに着。出発から2時間も経っていなかった。合計所要時間、9.5時間。早発ちすれば、一日で詰めることが可能ということだ。
IMGP2360.jpgIMGP2365.jpg
 ここから、稜線上の藪を漕いで国割岳に向かう。そこそこの密度の藪。9:15、ピーク着。ピークには三角点が二つ並んでいた。後日調べると、農商務省山林局の主三角点(後ろ)と日本陸軍参謀本部陸地測量部(国土地理院の前身)の二等三角点(前)らしい。意地の悪い見方をすれば、明治時代から日本は縦割り行政で、税金を無駄に使っているということか。それにしても、こんなに重い石を担ぎ上げて、本当にご苦労様である。
 ピークからまた藪の中を引き返して、今度は永田歩道の岳の辻広場を目指して、稜線上を進む。昔は稜線上を登山道が走っていたらしいが、今はこんな感じで、すっかり藪々である。
IMGP2371.jpgIMGP2373.jpg
 幸い両足が地面から浮くような所はないが、先行者と5mも離れると見失う。先週の鈴岳周囲の藪よりも1.2倍濃密な印象。
 コンパスを切りながら進む。途中一箇所、GPSを確認していたインヤンさんに、僕が思っている場所と100m強ずれていることを教えられ、命拾い。やはり、長時間の藪こぎでは、GPS必携か。
IMGP2375岳の辻
 14:05、岳の辻広場にようやく着。たかが3キロ強の行程。予定4時間を見ていたが、それを上回る、5.5時間。分速10mしか進んでいない計算になる。昨日の沢以上にきつかった。防護メガネをしていたのに、顔中、擦り傷・切り傷だらけになっていた。
 そこから、永田歩道を下山。ピンクテープが少なくて、迷いやすいところが数箇所有り。しかも、最下部の杉林の中は、登山道のピンクテープ以上に、杉林の標識ピンクテープが目立っていて、確実に迷う。何とかして欲しい。17:10、登山口着。途中、横河渓谷に立ち寄って、水につかり、クールダウンしてから、17:30、駐車場に帰り着いた。


 トガヨケ谷は沢自体の難易度は3級上だが、下山路も含めて考えると4級。沢は、下部のゴルジュ帯でいかにうまく巻き道ルートを見出せるかが鍵。上部は何の問題もない。今回ロープは出さなかったが、巻きの途中で懸垂下降する羽目になった時用に50mロープは持っていきたい。下山は、今回のコースよりも、川原2号沢を下った方が早いだろうが、それなりには難しいと思う。(まだ行っていないので詳細不明。)
 支流の沢としては、手応え、長さ共に、島内屈指だろう。マゾっ気のあるピリ辛好き、中級以上の沢屋なら、丸二日間存分に楽しめるよ。


Comment

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いや~お疲れ様でした。すでに遠い過去のような気がしています。念願だったゴルジュが覗けて満足でした。あと屋久島ならではの濃密なヤブ漕ぎも,今となっては楽しかった思い出です。ありがとうございました。
インヤン | URL | 2014/05/09/Fri 00:59 [EDIT]
一人ではあまり行く気のしなかったところですが、お誘いいただいたおかげで行くことができました。支流とは思えない迫力の沢で、ゴルジュの高巻き、藪漕ぎなど、良い経験を積めました。ありがとうございました。
屋久島遡行人 | URL | 2014/05/09/Fri 12:52 [EDIT]
さすが屋久島の支流!!
支流でこのゴルジュ!素晴らしい♪
屋久島の沢は厳しいなぁ〜。
本流で残るは瀬切川と宮之浦川ですね。瀬切川は屋久島遡行人さんなら楽しんで行けるので、FINALは宮之浦川で締めくくりですね。
Pooh | URL | 2014/05/11/Sun 23:31 [EDIT]
屋久島の支流はまだ10数本しか行っていませんが、ここは支流の中では屈指の険谷と言えると思います。白谷川と並んで登り応えがありました。
ただ瀬切よりは明らかに易しいと思います。
屋久島遡行人 | URL | 2014/05/12/Mon 12:35 [EDIT]

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