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世界遺産巡り・その3  京都の離宮
DSC04725草
 京都シリーズ最終回は、お待ちかねの離宮。
 離宮とは、皇族の別荘のうち、大規模なものを言う。日本に現存する離宮は、桂離宮と修学院離宮のみ。ちなみに、小規模な別荘は御用邸と言われ、那須、葉山、須崎にある。
 
 まずは、修学院離宮。
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 17世紀中ごろ、後水尾上皇が比叡山(左写真、左奥の山)の眺められる場所を探し求めて、修学院に造営した。敷地面積、実に54万平方㎡、東京ドーム約12個分。全部歩いて回るだけで1時間半かかる。上・中・下、三か所の御茶屋と呼ばれる庭園の間には、なぜか田畑も広がる。日本古来の農法で「宮内庁御用達の野菜」を作ってるのかと思いきや、マルチのビニールが張ってあり、肥料袋が転がっていたりと、ごく普通の日本の農村風景。離宮周辺の景観保持のために、宮内庁が買い上げて、近隣の農家に貸し出しているらしい。出来た作物は、天皇に献上するわけではなく、農家の物に。
DSC04425 寿月観DSC04431寿月観内部
 下御茶屋にある寿月観と、その内部。寿月観の額は、後水尾上皇直筆。
DSC04469客殿霞棚DSC04468客殿円山応挙
 中御茶屋にある客殿。左は、天下の三大名棚の一つとされる霞棚。右の杉戸にある鯉の絵は、作者不詳。あまりに写実的に描かれた鯉が、夜な夜な逃げ出して遊んでいたので、円山応挙が網を描き足したと伝えられる。網には小さな穴が開いていたりして、これまたリアル。
DSC04507窮邃亭DSC04508窮邃亭
 下御茶屋にある窮邃亭。窓からは広大な庭園、池が望まれる。
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 扉の造りも一つ一つ凝っている。
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 石組みの妙。雨樋も昔はこんな風に手作りしていたのかあ、と感心させられる。


 そして、桂離宮。
 これも17世紀に、智仁親王と智忠親王の父子2代で作り上げた、日本建築の最高峰。
 家作りにおいて、いつしか目標に掲げていた憧れの対象に、ついに逢える!写真やDVDではいろいろ見てきたが、実物はどんなだろう?期待で胸がワクワク・・・。
 で、結論から言ってしまうと、あらゆる部分が、これでもかというほど、こだわりにこだわり抜かれており、妥協や手抜きが一切なかった。我が家が、これを目指していたなどとは、もう恥ずかしくて言えない。
DSC04523桂垣
 バス停から歩く、外周から、「桂垣」が。一見すると自然美の極致とも思えるこの竹垣だが、帰宅後に、製作方法をよく調べてみると、とんでもない。
 このブログに詳しいのだが、割竹で下地の壁を作り、そこに竹藪の竹を鋭角に折り曲げて留めつけ、下地が隠れるまで葉っぱを重ねる。竹には、折り曲げても枯れないように、縦方向に何筋も切れ目をいれてある。竹にとっては虐待としか言いようのない、実はめちゃくちゃ人工的な物だったのね・・・。
DSC04527御幸道住吉の松DSC04526御幸道小石敷
 いよいよ庭園内へ。
 左写真は、御幸道(みゆきみち)と住吉の松。左手奥には松琴亭が見え隠れする。
 御幸道の小石は、もちろんセメントなんかでは固めていない。だから、やはり人が歩けば、時にはポロポロ外れる。職員が毎日見て回って、外れた石を見つけては元の場所に埋め戻す。だが、それでも追い付かなくなると、全ての石を剥がして番号をつけ、昔撮られた写真を見ながら、再度番号通りに並べて粘土で突き固めるらしい。石の数を想像するだけで、眩暈がする仕事ではないか。作るのも大変だったろうが、何も変えずに残し続ける、ということがこれまたいかに大変なのか、この一事をもってしてもわかる。
 下に転がっている小石を参観記念に拾って持ち帰ったりしてはいけません。ピースの欠けたジグソーパズルのように、この御幸道が永遠に欠損してしまうのだから。
DSC04531.jpgDSC04548御幸門
 屋根の風化の具合が何とも言えずいい。右写真は御幸門。
DSC04563手水鉢涼泓りょうこうDSC04584.jpg
 左は、手水鉢(ちょうずばち)涼泓(りょうこう)。いろんなデザインの灯篭があちこちにあり、それを探して歩くのも楽しい。
DSC04565蘇鉄山
 桂離宮庭園の中で、ここだけエキゾチックで異色な雰囲気の蘇鉄山。薩摩島津家からの献上品。屋久島だと標準的、我が家にも植えたけど。
DSC04579外腰掛DSC04580.jpg
 外腰掛。右はそれに付属する便所の内部。客人をもてなすのに、ここまで準備してありますという主人の心意気を示すための物であって、実際にここで用を足した人はいなかったろうとのこと。それはそうだろう。こんなところに自分のう●ちが残ってしまったら、後で掃除する人に見られて恥ずかしすぎる。
 DSC04594州浜と天橋立、松琴亭DSC04607.jpg
 左写真、州浜と天橋立。敷石の色の違いが、日本の彼方此方から名石を取り寄せたであろう事を想像させる。奥には松琴亭。
 桂離宮には四つの茶室があり、それぞれが春夏秋冬の性格をもつとされているが、この松琴亭は冬。我が家も真似させてもらった、青白市松模様の襖。
DSC04606水屋オープンキッチンDSC04632石炉 保温用
 左写真、水屋。当時、料理の支度は客人の目の届かぬ裏手でするのが普通だったが、この水屋はあえて前面にもってきて、客人の目の前で調理した。今のレストランのオープンキッチンの魁とも言える、粋な仕掛けだったようだ。
 右写真は石で炉を切っているが、単に暖房用ではない。その上の袋棚の床面は隙間があり、棚の中に器を並べて、できた料理の保温に用いていたらしい。ただ美しいだけでなく、実に細かい工夫がなされているのに感心。
DSC04653賞花亭DSC04654賞花亭
 次いで、春の茶室である賞花亭。下地窓が巨大で開放感溢れまくり。
DSC04662園林堂DSC04663園林堂
 桂離宮のなかで一風変わった中華風の建物、園林堂(おんりんどう)。ここは茶室ではなく、遺骨を納める仏塔だったらしいが、今は空。
DSC04664.jpgDSC04665.jpg
 園林堂周囲の敷石は、すごくモダンなデザイン。
DSC04674笑意軒DSC04685笑意軒
 夏の茶室の笑意軒。奥の下壁はビロードと金箔仕上げ。襖の引き戸も凝っている。
DSC04697.jpgDSC04677.jpg
 途中の景色。小雨なのが、かえって良かった。
DSC04701御殿DSC04702御殿
 古書院・中書院・楽器の間・新書院と、雁行型に並んだ書院群。
DSC04704古書院月見台
 古書院には、池に浮かぶ月を眺めるためのベランダ、月見台がある。
DSC04707月波楼DSC04711.jpg
 秋の茶室、月波楼。雨樋の排水の処理までもが美しい。
DSC04715.jpgDSC04719.jpg
 月波楼内部。土壁のやれ具合が、また何ともいい。

 以下、延段(のべだん)のまとめ。
DSC04721真
 真の延段。切石だけを組み合わせて作る。
DSC04722行の延段
 行の延段。切石と自然石を混ぜて作る。
DSC04724草
 草の延段。自然石を突き固めて作る。

 桂離宮・・・、想像以上。
 ブルーノ・タウトではないが、僕も泣きたくなった。
 これまで見た人工物のなかで、間違いなくナンバーワン。
 何度でも行きたい。



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| | 2015/07/13/Mon 09:02 [EDIT]
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| | 2015/07/20/Mon 15:42 [EDIT]

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