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安房川北沢右俣・屋久島沢登り記録
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 沢は最高に素晴らしかったのに、アクシデント続きでブルーな気分・・・・・。
 
 4月20日、安房川北沢右俣に行ってきた。11年前のゴールデンウイークに大学山岳会の後輩と、1泊2日で右俣を登って左俣を下ったことがある。ゴルジュの巻きと源頭の詰めで苦労した記憶がかすかにあるが、それ以外はほとんど忘却の彼方。
 同行は、先週に引き続きHさん。
 5時のバスが満員で乗れず、5時20分のバスに乗る。6時、荒川登山口発。
 トロッコ道にここ数年来なかった間に、枕木の間に縦に板が敷き詰められていて、非常に歩き易くなっていた。お陰で快調に歩けて、8時5分、大株歩道入口から安房川支流に入渓。
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 すぐに北沢本流(左)となる。最近の好天続きで水量少なめだが、それでも、やはり安房川。島内屈指のスケールを感じ、胸の高ぶりを抑えられない。空もスカッ晴れで、気分はすっかり夏休み!!
 20分で8:35、右俣と左俣の分岐着(右)。ここで、Hさん、「靴が滑るので引き返す」と。先週の沢で足の爪を剥がしてしまい、痛くないように普通のトレッキングシューズで来ていたのだが。やはり、これでは無理との判断。そこそこ難易度の高い沢だけに、無理に誘うわけにもいかない。
 一瞬僕も引き返そうかと迷う。が、一度行ったことがある沢だし、来週予定しているビッグな沢に向けて、体を慣らしたい気持ちが強かったので、単独で突っ込むことを決意。ここで別れを告げ、一人右俣に入る。
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 40分ほどで、左の滝。パット見大したことないのだが、奥には険悪なゴルジュが垣間見える。いたずらに突っ込むことはせず、早々に右岸の藪に入る。首にかけていたサングラスをしようとしたら、あれ、無い。どうやらひもが外れて途中で落としたらしい。うーん、枝が目に痛いぜ!
 ところどころに白テープや木の切り株があるのにはびっくり。こんな所まで木を伐りに来ていたなんて、昔の人の体力って一体・・・
 巻きの途中からゴルジュ内部を覗くと、右写真。これはどうやったって抜けられない。
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 ゴルジュの途中(左)。まだ無理そう。今日はなんだか水がえらく冷たいので、淵に入る気がせず、右岸高巻きを続ける。が、帰ってからインヤンさんの記事を見ると、ここは右岸のバンドをトラバースで行けるらしい。やられた!
 いったん沢に降り立つ(右)が、まだまだゴルジュは続く。再び右岸巻きへ。途中、ポケットの中に入れていた地図が無くなっていた。いつも地図はヘルメットにくくり付けているのだが、今回ヘルメットを買い替えて、付けられなくなってしまったため。まあ、予備地図はあるし、GPSも持ってきているので大丈夫だろう。
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 この辺りは中を行けなくもなさそうな小滝群だが、両岸がつるつるスラブで逃げ場がないだけに、降りる気がしない。 巻きは1時間半で終了。11年前は2時間かかった記憶があるから、少しは進歩したという事か。
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 沢の中に復帰してすぐに、この25m位の大滝。11時10分着。いやあ、格好いいです。左右どっちを行くか迷ったが、左岸巻きで容易に抜けた。しばらく平流が続くかと思いきや、
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 蛇の口滝によく似た大滝出現。下からは下部しか見えず、上にも更に滝が続いているところも、蛇の口そっくり。
 なんと、左岸に雪渓が残っているではないか。屋久島の沢登りで雪渓を見たのは初めて。道理で今日は水が異様に冷たかったわけだ。雪渓はこの後も2回出てきたが、いずれも数mサイズで、その上を歩く破目にはならずに済んだ。
 この滝は左岸から取り付いて、途中で流芯を横断し、上部の滝は右岸の岩盤を登っていく。高さは合計40~50mはあったか。キャニオニア3のソールが花崗岩に吸い付くように決まってくれて、非常に快適。前回来た時はフェルトソールだったから、かなりおっかなびっくりだった記憶がある。
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 巨大な岩盤の上をスタスタと飛ばす。
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 と、またもや大滝、三段50m出現。いやあ、こんなに見ごたえのある滝が連続する沢だったっけえ。期待以上、いや記憶以上の茗渓ぶりに大興奮。この滝は右岸の階段状地形をガシガシと登っていける。「集中、集中」と自分に掛け声をかけながら。
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 またもや、プチ蛇の口滝出現。高さは15mだが、こっちは直登出来ず、右岸巻き。
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  難所は終わったかと思いきや、まだ、壁が(左)!右岸巻きに入る。
 ここはどうもルートファインディングに失敗したらしく、えらく猛烈なブッシュの中を進んでしまった。15分ほどで沢に降り立つ(右)。ああ、もうこれで藪漕ぎは終わりだろう。ホッとして、現在地を確認しようと、GPSに手を伸ばす。と、な、ない!!
 昨年夏に初購入し、1回目の山行(宮之浦岳~永田岳縦走)で紛失し、秋に再購入し、これまで2回しか使っていないGPSが、である!!!
 ザックのショルダーベルトにマジックテープで付けていたのだが、あの猛烈な藪に引っかかてしまったようだ。どうにも諦めきれず、踵を返して藪の中に再突入。元来た道を忠実に辿ろうとするが、視界不良の藪の中、どうにも難しい。あちこち行くうちに、こんなブッシュの中を高巻きをしなくても、沢際のテラスを行けば楽勝で抜けられたことがわかり、更にショック。でもわざと、GPSがひっかかってそうな藪のきつい所を選んで、探し続ける。
 顔面傷だらけになりながら、彷徨すること1時間半。無かった・・・・・
 体力、時間、金銭、そして気力を喪失すること甚だしい。同行者、サングラス、地図、そしてGPS。ここまでアクシデントが続くのは、明らかに問題あり。明日は、予定していた左俣下降をあきらめて、夏道を下ることにした。
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 沢は落ち着きを取り戻したかと思いきや、
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 淵の奥にはこんな滝。
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 まだまだ続く、変化に富んだ、小滝達。
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 そして、極め付きは地形図上の標高1360m滝マークの所にある、これ。14時50分着。35m位、小楊子大滝を半分にしたような感じ。水量は少ないのだが、ツルツルの垂壁がかなり圧迫感あり。右岸の支流から巻いて処理。
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 左の淵を越えると、いよいよ源流部。遥かに待望の稜線が見えてきた。
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 でも、小滝は続く。笹薮を巻くのもしんどいので、できるだけ中を突破する。かなり滑るので、一挙手一投足を慎重に。
 源流部のナメ。爽快の一言。
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 さて、源頭である。前回、右に逃げて笹薮でエライ目に遭った記憶があるので、今回は、なるべく水線沿いに、できれば宮之浦岳ピークまで直登するつもりでいた。が、実際に現場を再訪すると、やはり、無理だった。水流のある所(左写真)は、えぐれた地形に石がゴロゴロしており、あちこち落とし穴のようになっているのだが、笹薮に覆われて全く足元が確認できないのだ。しかも、シャクナゲなんかが横に枝を伸ばしていて、通せんぼをしてくれている。
 やむなく、右(左岸)の笹薮に入る(右写真)が、こっちも地獄。胸の高さまでの笹がこっちに向かって生えている。5月でこれだから、夏以降は丈が高くなって、さらに大変だろう。時折、ゴロゴロ転がりながら、夏道を目指す。
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 時速100メートル?、1時間15分にわたって苦闘し、ついに夏道に出る(左)。11年前と同様、標高1750m、焼野三叉路の直下であった。18時20分。
 ピークアタックは明朝にして、そのまま焼野三叉路に幕営。20時45分、就寝。この夜は冷え込んだ。

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 翌21日、5時45分起床。宮之浦岳ピークを踏む。一番乗りかと思っていたら、夜中に登り始めたという和歌山からの登山者たちが既にいた。昨日、登ってきた沢形を振り返る。うーん、この斜面、上からはフカフカな絨毯にしか見えないが、実は地獄なのだよ。
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 ピークから降りる途中ですれ違った登山者が、「日本百名山、この山で達成です」と。思わず、「おめでとうございます!」、と駆け寄って握手。
 僕は13年かかったが、彼は10年がかりだったよう。「最後の方は、ノルマをこなす感じで苦しかった、ようやく解放されます」、という言葉に、激しく同意。次の目標を何にしようか考え中とのことだったので、沢登りを勧めてみた。
 テントを回収し、8時に下山開始。平石を通るコース(写真)を歩くのは実に20年ぶり、2回目。こんな所が屋久島にもあったんだと思うほどに、爽やかな稜線歩きが楽しめ、濃密な沢の世界とは又異次元の気持ちよさだった。
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 お約束の縄文杉。今回、新設された北デッキを初めて利用したが、今まで見たことのない枝ぶりが見られて、良かった。
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 マッチョですなあ。
 下りは飛ばして、14時半、荒川登山口着。左俣再訪を今後の課題に残してしまったが、充実の1泊2日であった。


 安房川北沢右俣の難易度は文句なしに4級。瀬切川よりは少し易しく、黒味川と同等クラス。黄蓮谷右俣のように、斜度のある花崗岩の岩盤を登る場面が多いので、ステルスソールが極めて有効。沢慣れた人がステルスソールを駆使すれば、ロープの出番となるような核心部はない。が、そこそこ難しい所が最初から最後まで連続するので、慣れていない人を連れて行くと、あちこちでロープやお助け紐を出す羽目になるだろう。滝のバラエティさ、技術的な面白さ、沢全体の明るさなど、この谷の魅力は非常に多い。屋久島を代表する茗渓と言っていいと思う。しかし、途中の高巻きはまだしも、最後の笹薮漕ぎは、本当にうんざりだ。この辛さが喉元を通り過ぎて、もう一度行きたくなるのに、5年くらいはかかりそう。

Comment

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直接お話を聞く前に,拝見させてもらいました。

ここはやはり茗渓ですね。改めてそう感じました。絶好の青空に美しい写真,カメラ替えましたか?

明日,いや,今日からよろしくお願いいたします。私の方は15年ぶりの再訪ということもあり,いつもとは違う緊張感に包まれております。遡行人さんとなら余裕をもっていけるので,可能な限り詳細な記録を残したいと思っています。天気も向こう2日間はもつようなので,楽しみで仕方がありません。
インヤン | URL | 2018/04/29/Sun 00:21 [EDIT]
コメントありがとうございます。

私も、源頭の笹薮さえなければ、ここは完璧と言っていいほどのいい谷だと思います。

そして、宮之浦川、楽しかったですね!!
屋久島遡行人 | URL | 2018/05/06/Sun 09:04 [EDIT]
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| | 2018/05/07/Mon 15:10 [EDIT]
今年もGWは大変お世話になりました。

天候がちょっと不順でしたが,宮之浦川,本当に良かったと思います。時間とともに徐々に過去のものになっていますが,何度も思い返して記憶に焼き付けておきたいと思います。

今後もよろしくお願いいたします。
インヤン | URL | 2018/05/07/Mon 20:05 [EDIT]
こちらこそ大変お世話になりました。
インヤンさんのお陰で、長年の宿願を達成することができました。
有難うございました。

夏に一家で熊本旅行に行くかもしれませんが、その時はよろしくお願いします。
屋久島遡行人 | URL | 2018/05/07/Mon 20:36 [EDIT]
来熊,いつでもお待ちしています。
インヤン | URL | 2018/05/08/Tue 07:15 [EDIT]
祝、再開。
屋久島の沢の写真を久し振りに見た気がします。やはりこの地特有の景観です。それと水の色、素晴らしい。
連休中のビックな山行記も楽しみにしておりますが、再開された事が何よりです。今後のご活躍(と紛失物が見つかること)を祈念します。
まっちゃん | URL | 2018/05/08/Tue 21:42 [EDIT]
 松ちゃん、コメント有難う。それから、先日は、マニアックな山行記録も有難う。お手紙中のブログ再開を楽しみにしているとのお声かけに発奮し、久しぶりに更新してみました。

 この2,3年は、沢は低調でしたが、決して中断していた訳ではなくて、島内の既に行った沢を家族でのんびり楽しんだり、島外の有名な沢をいくつか訪ねてみました。いずれも、ネット上に記録が既に残っている場所だったので、わざわざ書き残す気になれずにいました。が、また余力が出れば記録してみます。

 連休中のビッグな記録は今週末にアップしますよ。お楽しみに!!
屋久島遡行人 | URL | 2018/05/08/Tue 22:13 [EDIT]
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| | 2018/05/09/Wed 19:56 [EDIT]
Re: はじめまして
> こんにちわ。
> いつも楽しい記事を拝見させてもらってありがとうございます。
> 少し御質問をさせて下さい。
> 左俣を下降する予定だったようですが、等級ではどのくらいでしょうか?
> 翁岳沢の事でよかったでしょうか。

コメントありがとうございます。
安房川北沢左俣は翁岳鞍部に直登する沢です。等級は4級下(~3級上)だと思います。
源頭部詰めの急登(前半ガレ、後半笹薮)が一番の難所です。
屋久島遡行人 | URL | 2018/05/09/Wed 21:48 [EDIT]
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| | 2018/05/10/Thu 21:02 [EDIT]
ヤック様へ。
北沢左俣、恐らく年内に再訪して、こちらに記録を残すと思うので、期待していて下さい。ちなみに、屋久島地元民で、沢登りをしている人はほとんどいませんよ。本格的にやっている人は数人でしょう。
屋久島遡行人 | URL | 2018/05/10/Thu 23:57 [EDIT]
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| | 2018/05/11/Fri 06:39 [EDIT]
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| | 2018/05/11/Fri 21:26 [EDIT]

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