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宮之浦川上部その2・屋久島沢登り記録
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 宮之浦川遡行2日目、4月30日の記録。

 
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 朝5時起床のはずが、寝過ごして6時起床。夜中に起きて眠れなくなってしまったせい。
 大慌てで朝飯を作っていると、曇り空から、パラパラと雨が・・・。予報では今日一杯晴れだったのだが!一瞬引き返しという考えも脳裏をよぎるが、本降りにはならなそうなので、予定通り前進することに。
 7時20分、テントを畳み、ハーネスを付けて出発。
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 右岸チムニーを下から見上げる。スケール、角度に圧倒されて、どう登ろうか考えようとしても頭が働かない。ここは、前回ここにトライしたことのあるインヤンさんに先行をお願いする。7時半、アタック開始。最初は、ザイルなしで直上し、岩の下をくぐって、左に回っていく。
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 この写真の岩を左に回り込んでいくと、いよいよ、核心のチムニーが登場。
 僕はさっきからビビりまくりで、リードするのが不安だったのだが、インヤンさんが「美味しい所、頂いちゃっていいですか?」と行きたそうだったので、願ったり叶ったり。「どうぞ、どうぞ!」と、リードしてもらう。
 チムニー内が狭いし、難易度も高そうなので、空身で登って、後で荷揚げすることに。事前に、「ザイルアップ」「ザイルダウン」「荷揚げアップ」「荷揚げダウン」「ビレイ解除」「行きまーす」の笛の合図を決めておく。
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 いよいよ、アタック開始。
 下部が厳しく、残置のナッツと、新たにキャメロットをセットして、アブミを用いた登攀。上に行くほど狭くなり、落ちる心配は少なくなるが、通過が難しい地形。最上部に巨石があって、左に逃げないと行けない。
 1時間ほど待って、ようやく、ビレイ解除の笛が鳴る。さあ、荷揚げだ。
 荷揚げ用のサブザイルにインヤンさんのザックを付けて引き上げてもらう。が、4mほどで、チムニーの間に挟まって、動かなくなる。本当は、順番に2人分のザックを荷揚げしてもらう予定だったのだが、これではどうしようもない。
 僕が、自分の分のザックを背負い、インヤンさんの挟まったザックも持ち上げながら登って行くことにする。
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 チムニーの間で突っ張りながら、挟まっていたインヤンさんのザックを持ち上げる。すかさず、「荷揚げザイルアップ」の合図を鳴らすが、数十センチ動いただけで、また止まってしまう。インヤンさんのザックに頭を押さえつけられ、自分のザックに背中を引っ張られた状態で、セミになる。待てど暮らせど、ザックが上がらない。仕方がないので、下の写真(右写真)を撮ったりしていたが、その内突っ張っている両足がプルプル震えてくる。もうなりふり構わず、ロープにつかまってぶら下がる。インヤンさん、一体何をしているのか?まさか眠っちゃったんじゃないよな?狂ったように、「荷揚げザイルアップ」の笛を吹きまくっているうちに、上のザックがようやく動いた。が、すぐにまた止まって数分間動かなくなる。そんなことを3回ほど繰り返して、ようやくチムニー突破。この1ピッチだけで2時間近くかかってしまった。Ⅳ級+。
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 自分が登ってわかったのだが、チムニーの上で左のテラスに曲がりこんだところで、左写真のようにロープが屈曲しており、動かなくなったいた。インヤンさんも途中で気づいて、確保地点から、何回もここに降りてきては、ロープを引っ張ってくれていたらしい。
 今回持参のキャメロットの数が足りないためにここで確保できずに、上まで登ってしまったが、本当はここで一回区切るべきだったようだ。
 右は、インヤンさんが、決して怠けていたわけではない、証拠写真。
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 2ピッチ目はこんなルンゼ状。ザイルを出して、空身でインヤンさんアタック。1ピッチ目よりは簡単だったみたいで、半分以下のスピードで登り終える。
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 で、また、僕が2つのザックとともに上がっていく。今回、インヤンさんのザックは、荷揚げザイルでスムーズに回収完了。残るは、僕と、背中に背負った僕のザックのみ。
 下部は比較的楽に登れたのだが、問題は上部にあるこの岩の隙間。ザックを背負ったままでは絶対に突破できないので、外して持ち上げるのだが・・・・、隙間を通過した後の、木の根っこが邪魔で、どうにも押し上げられない。押したり、投げ上げたり、何度も挑戦するが、どうしても引っかかる。「にもつー、たすけてー」と絶叫。その内、また足がプルプルし始めて、こりゃあ、もう駄目だ、敗退だ!と思った刹那、救いの神様が上から降りてきて、ザックを持ち上げてくれた。助かったあ!
 これから行く人は、木の根っこを鋸で切らせてもらったらいいと思う。
 上から見ても、こんな狭い、この隙間。名付けて「小窓」。
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 というのも、この上にも、さらにもう一つ、やや大きめの窓があるのだ。でもこっちは大した苦労せずに通過可能。名付けて「大窓」。
 2ピッチ目は合計1時間弱で攻略。Ⅲ級+。
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 終了点からは、竜王の滝上部が遠望できた。しかし、右写真の所に降り立ったりしたらどうしようもないよなあ・・・。
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 そこから先は、左写真のような、どうということもない藪の急登。
 11:15、右写真の尾根上のポコに到達。地図上の標高950m地点?4時間近くかかってしまった。ここで一服。
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 そこから、漏斗の滝手前まで、一気に巻いてしまうべく、藪漕ぎルートを考える。前方の様子を見たいが、ガスが濃くて、なかなか確認できない。ようやくガスが途切れると、遠方につるつるのスラブが見える。あそこは通れないなあ。
 地形図では標高1050mより下は急斜面なようなので、そこを避けるべく、1050mまで尾根筋を上がり、そこからトラバースに入る。このあたりの藪は全然大したことなく、幸い。途中から徐々に、高度を下げていき、最後は、右写真のルンゼ状地形を降りると、
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 12時半、本流に復帰(左写真)。
 これにて、宮之浦川遡行最大の核心、竜王の滝、遂に突破。リードしてもらった分際で言うのもなんだが、終わってみれば、右岸チムニーは恐怖を感じるほどには難しくなかったし、巻きの藪漕ぎに至っては全然大したことなかった。それでも5時間もかかってしまったのは、3~4時間と予想していただけに、ちょっとショック。やはり、荷揚げに手間取ったのが響いた。これでは、今日中に源頭まで抜けるのは無理だろう。 
 右写真、前方に二又状の地形が見えてきた。尾根から見えたつるつるのスラブはこの辺りの右岸だったよう。
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 そして、5分も歩くと、今回の第2の目標、漏斗の滝登場。
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 竜王の滝と並び称される、宮之浦川の名瀑なだけに、巨大なサイズを勝手に想像していた。が、実物は5m×2段の滝で、竜王の滝に比べると驚くほど小さい。頑張れば、右岸寄りを人工登攀で直登出来そうな気さえしてくる。
 しかし、大津磨きの漆喰壁のように黒光りする岩肌、そして、地獄への入り口を思わせる何とも不気味な形態は、まさに「異形」としか言いようがない。この奇観をこの目で実際に見た人は、今まで100人かそこらだろうと思うと、感慨もひとしおである。
 さあ、でも時間がない。先を急ごう。12:50再出発。
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 漏斗の滝の巻きは、左俣の支流から入り、しばらく行った先の二俣を右に分け、上部のガレ場を右へ右へと詰めていく。この辺り、傾斜は急だが、適度な疎林で登りやすく、フルマラソンで鍛え上げた二人の心肺機能を持ってしたら、余裕vv。
 途中、なぜかCAMPの白いヘルメットが落ちていた。遭難者の物なのか、気味が悪い。
 標高1085mポコから、沢目指して下ってみる。13:15、沢に復帰。降り立ったところは、F19、10m(右写真)。これは登れない。引き返して、再び右岸の藪に戻る。
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 この巻きは、今回の巻きの中では、ルートファインディングが一番難しかった。右写真、僕が怪しげなスラブを登り始めてしまい、インヤンさんに「そこを抜けても先が行けるかわかりません」と指摘を受けて、下る。結構危ない所で、僕自身としては今回一番の失敗。冷静なインヤンさんに助けられた。
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 もう少し高度を上げないと、スラブを越えられなそうなので、左写真のように少し引き返してから、沢から50~60m上のレベルまで登高し直し、トラバースに入る。スラブの途中にバンド状があり、そこを渡ると、核心は越えたよう。
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 10mの懸垂下降。出だしだけハングしていて怖かったが、クリア。その後すぐに出てくる枝沢を下ると、
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 14時40分、本流に復帰。
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 この頃からまた小雨がパラつき出し、体が冷えてくる。雨具着用。ガスガスで視界も不良。上流の滝も、目で見つけるよりも先に音で気付く感じ。
 左写真、インヤンさん命名、「アッカンベーの滝」。ガスっていてよく写っていないが、確かに、岩の形状が突き出したベロそっくりに見える。右岸を小さく巻いて、落ち口に立つ。
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 悪天候ではあるが、かえって幻想的な風景が広がり、これも悪くない。「幽玄」という言葉が頭に浮かぶ。
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 本日、初めて、まともな沢歩きができている。
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 この辺の小滝は一見登れなさそうに見えても、ご覧のように近づいてみると、意外と簡単に突破口が見つかることが多い。
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 と言っても、このクラスになると、さすがに左右を巻くことになる。直登と巻きの比率は半々くらいか。巻きはどれも容易。
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 この辺り、一部ものすごく滑る岩が混ざっているので、岩が茶色でないか要注意。
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 16:40、この日最後の核心到着。この大岩を乗っ越すのは、右岸の隙間。有難いことに、絶妙の場所にぺツルのボルトが打ってある。
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 僕リードで、空身で行く。ぺツルにアブミをセットすれば、容易に登れる。
 さあ、17時を回った。そろそろ、テン場適地を探しながら行こう。昨日安眠できなかった分、今夜は何としても最高のねぐらを確保したい。いつも以上に気合が入る。
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 17時半、標高1260m、左写真の右岸で足が止まった。高さ30mほどのスラブと河原との間に、奥行10mほどの平坦な段丘状の地形がありそう。中に入ってみると、思いのほか木もまばらで、数m先にはテント一張り分の広さの腐葉土の更地が。倒木や小石を片付けて、右写真のテントサイトが出来上がり。
 ここは、平坦、柔らかい、増水にも耐えられる、水がすぐに取れる、笹薮に囲まれ風が抜けず暖かい、とテン場としては完璧であった。宮之浦川流域ではナンバーワンじゃないかと思うほどに。
 今日は予想外の悪天候で寒い思いをしたが、何とか無事に宮之浦川の核心部を越えた。あとは源頭を残すのみ。明日の昼には宮之浦岳ピークに立てるだろう。半ば、安堵しながら、インヤンさんと、大量のつまみを食べ、焼酎を酌み交わす。20時半、就寝。
 夜中に、腹が痛くなり覚醒。トイレに外に出たら、満月が出ていた。これは、明日の天気が楽しみ。

Comment

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まだ10日ほどしか経っていないのに,3か月くらい前の遡行のような気がしています。

しかし,右岸チムニーでは本当に失礼しました。チムニー上部の抜けとその後の荷揚げがうまくいっていれば,実質の巻きは3.5時間ほどだったな~と汗顔の至りです。あのテラスでビレイポイントを作れなかったのが,まだまだ未熟な所だと感じています。

3日目も楽しみにしています!

インヤン | URL | 2018/05/12/Sat 21:06 [EDIT]
ほんと、そうですよねえ。漏斗の滝と下界とのギャップがあまりにあり過ぎて、遥か昔の記憶になりつつあります。
右岸チムニーでは、こちらこそ、難しいリードを代わってもらって、有難うございました。お互い、単独行が多い分、ザイルワークの練習が足りませんでしたね。これは僕も要反省。
3日目、何とか明日中に書き上げるよう、頑張ります。
屋久島遡行人 | URL | 2018/05/12/Sat 23:41 [EDIT]

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