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二又川女谷右俣・屋久島沢登り記録
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 3月24日に、二又川女谷に行ってきた。同行は、元ガイドのGさん、コテージ経営のSさん。

 昨年6月末、職場で咳払いをした瞬間、右鼠径部にピリッとした違和感が走った。あれっ、と思い立ち上がり歩き始めたが、一歩歩くごとに痛みがひどくなり、5歩目で立っている事もできなくなった。右の鼠径部の筋肉が、雑巾を絞るように捩じ上げられた感じ。過去の病気と比べても、尿管結石はもちろん、外傷性クモ膜下出血、腰椎圧迫骨折をも上回る人生最悪の激痛。仕事をストップしてもらい、当直室で横になって悶絶していたが、その日は帰宅すらできず、翌日鼠径部にブロック注射をしてもらい何とか帰宅。しかし、麻酔が切れるとトイレに行くのも困難なほどの痛みが復活。マッサージ師に自宅に来てもらい、あちこち揉んでもらうが良くならず。病院に行き、CT、MRIなどいろいろ検査しても異常は見つからず、原因不明。そのまま入院して硬膜外麻酔だの、各種鎮痛剤を始めるも半分程度にしか良くならない。最終的に麻薬系を含む5種類の強力な痛み止め、毎日30錠ほどに増量されるも、ダメ。あきれた同僚医師からは精神の問題扱いされる始末。わずか2、3週間で右足の太ももはどんどん萎縮していき、「このまま一生寝たきりで廃人になっていくのか・・・、沢登りももうおしまい。人生終わったぁ。」と思った。
 でも、こんな激痛にのたうち回りながら残りの人生を送るのは嫌だ、自分も医者のはしくれなんだから、自分で何とかしなきゃ!そう思い直して解剖学の本を調べたりしての自己診断は、骨盤を意識した変なランニングフォームで走りすぎたことで右腸腰筋が筋膜断裂し、癒着した筋膜に大腿神経が絞扼されてしまったというもの。ネットで調べると、生理食塩水による筋膜リリースという新しい治療法が効きそうである。以前働いていた千葉県のK病院スポーツ医学科に車椅子で連れて行ってもらい、エコーで見ると、痛みの部位の筋膜が白く肥厚している。そこに生理食塩水を注入して、筋膜の癒着を剥離してもらった瞬間、嘘みたいに痛みは消失。診察室に入る時は車椅子に乗っていたのが、出る時には自分で車椅子を押して、スタスタ歩いて帰れた。
 ただ、その後も後遺症のCRPS(複合性局所疼痛症候群)に苦しんだりして、今でも再発におびえながら生活している。
 それでも、今年1月には屋久島一周ウルトラマラソン(100㎞)を完走し、そして、今回こうやって1年ぶりの沢登りまで行けるようになったことは本当に嬉しい。


 さて、二又川女谷である。ここに行くのは3度目。
 8:15、自宅の庭から入渓。最初は堰堤が続くだけなので、左岸をずっと巻いていく。
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 8:45、男谷(左俣)と女谷(右俣)の二又到着。水量2:1で、女谷は樹間に隠れて見落としやすいので注意。
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 水量少ないが、これでも今日は平水より少し多めという感じ。
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 途中まで、我が家の犬がくっついてきていたが、この辺の滝でさすがに登れなくなり、引き返していった。迷わず家に帰れるだろうか、少し心配。
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 沢というより、巨岩のルンゼと言った方が適当か。
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 160cm以下の身長だと、巨岩の乗越にヘルプが必要。
 ここまで登ると岩崎ホテル始め、小島方面の眺めが良い。新緑も美しい。
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 ここを越えると、女谷上部二又となる。
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 11:10標高690mの二又着。左写真は左俣。ここは一昨年行っているが、斜度のきつい岩盤登りが続き、緊張を強いられる。初級者連れの場合、ザイル必要。
 右写真は、樹林の中に隠れてほとんどわからないが、右俣。こちらも約十年前に行っているが、今回はモッチョム岳により近くまで上がれるこちらを選択。
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 水量はいよいよ少なくなる。途中、何かの菌が付着したのだろう、華道の塗り枝のような木を見つける。
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 左俣と違い、右俣は岩のサイズも小さく、危なげなく進める。
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 水が枯れるとともに、倒木がうるさくなってくる。
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 下界がはるか足下に見える。
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 最後は10分ほどの軽い藪漕ぎで13:25、稜線到着。
 ここはかつて尾之間三山を結ぶ縦走路が通っていたところで、ところどころピンクテープもある。が、現状は、屋久島でも一番と言っていいほど猛烈な藪が繁茂し、道はほぼ消失している。
 ここから、稜線上の巨岩を巻きながら、神山展望台、登山道に向かう。
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 神山展望台直下の岩の上から下界を望む。良く、こんな所を登ってきたなあと思う。
 モッチョム岳は面倒くさいのでカットして、そのまま登山道を下山。
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 登山道のすぐ脇に、モッチョム太郎(左写真)が立っていた。教えられて今回初めて気付いた。若くて元気な屋久杉に見えた。今度は、モッチョム花子に会いに行こう。右写真は万代杉。こっちは老木な感じ。
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 16:25、千尋の滝脇の登山口着。
 家に帰ると、我が家の愛犬が無事戻って待っていた。良かった良かった。

 二又川女谷右俣は難易度2級。水量が非常に少なく、沢登りというよりは岩登りなので、冬から春向きの沢だ。特に危ない所はないが、下の方が巨岩が連続するのである程度身長がないと越えるのに苦労する。と言っても、誰かが上で引っ張るか、下で踏み台になれば余裕で越えられるので、ザイルや登攀具などは不要。今回小学5年生の息子を連れて行こうとして、結局やめたのだが、これは正解だったかもしれない。海岸から急峻に立ち上がる沢なだけに、下界を見下ろす眺めは、屋久島の沢の中では男谷とともに随一。逆に、登った後に岩崎ホテルの喫茶室でお茶しながら、望遠鏡で自分の登攀ルートを見上げて確認するのも楽しいだろう。


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自己診断
 こんにちは。沢登り(岩登り)はまだしも、復活に向けて自己診断、半自己治療?した件に勇気を貰いました。
 耳岳って登れないんでしょうか?
まっちゃん | URL | 2019/06/22/Sat 07:42 [EDIT]
耳岳
 まっちゃん、こんにちは。
 耳岳のピークは以前、こちらで写真も載せましたが、
 http://sokoujin.blog90.fc2.com/blog-entry-170.html
 最後は高さ5-6mのツルツルの花崗岩です。
 フリークライマーなら登れるでしょうが、僕だとボルトを数本連打してアブミを使わないと無理そうです。でも、岩の基部に祠があって、岩自体がご神体という雰囲気なので、ちょっと登る気になれません。
 ただ負け惜しみではなく、直下に行ったでけでもその威容に圧倒されて十分満足できます。これは、隣の割石岳でも同じことが言えます。モッチョム岳と合わせて我らが尾之間三山は、高さは低くても、本当jに凄い山並みだと思います。
屋久島遡行人 | URL | 2019/06/24/Mon 21:56 [EDIT]

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