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安房川北沢左俣・屋久島沢登り記録
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 4月4日、安房川北沢左俣に一人で行ってきた。
 この沢は12年前のG.W.に、右俣を登った翌日の下山ルートとして使ったことがある。下りだったのと、また途中でカメラ(当時小型防水デジカメなどというものはなく、ニコノス-Ⅴを担いでいった)の調子が悪くなり写真が撮れなかったこともあり、沢自体の印象は薄く、上部のルンゼが嫌らしかったのと、30m滑り台の滝しか記憶に残っていない。それよりも、今は沢の盟友となったインヤンさんたちのパーティと途中ですれ違ったのが今でも語り草の一大事件だった。屋久島の沢の中で他のパーティに出会うことはまずないので、非常に驚いた。帰宅後に、彼らが安房川河口から一気に遡行してきていたのを知り、もっと驚いた。

 5:20、寒空の下、屋久杉自然館発のバスに乗車。車内でガイドのYさんと会う。一人で泊まりの大きな沢に入るのは毎度憂鬱なものだが、知り合いの顔を見つけると、少しホッとする。しかし、彼から「今年は寒いですねえ。一昨日は縄文杉に雪が積もりましたよ。」と聞かされ、登らずに帰ろうか真剣に迷う。しかし、今日ここで登っておかないと、ゴールデンウイークのビッグな沢に行くトレーニングができない。
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 6:00、意を決して荒川登山口発。トロッコ道を進む。平日のためか、縄文杉登山の観光客も少ない。大株歩道入口からは枝沢を数分下降して、8:05、安房川北沢本流に降り立つ。3月は雨が多かった影響で水量やや多め。
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 8:20に、二又着。左写真、左俣。日差しが射し込まず、ちょっと寒そう。右写真、去年も行った右俣。
RIMG0302.jpgRIMG0304c1005枝沢
 左俣に入る。例によって、巨岩。標高1000mで左岸に枝沢の滝が入る。
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 屋久島としては凡庸な渓相。
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 今日はまだ肌寒くて、水も痛いのでなるべくつからない様にルートを選ぶが、こういう淵では腿まで水につからずには進めない。
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 日が昇って、沢の中も明るく、暖かくなってきた。やっぱり、朝あきらめずに、登り始めて良かったなあと思う。
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 安房川らしい、エメラルドグリーンの水の色。
RIMG0333C1066二股
 10:35、標高1055mの二又着。右に入る。
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 そして、11:15、この沢最大の見せ場、30m滑り台の滝登場。下の岩さえなければ、一度滑ってみたいよ~。(地形図上の滝マークよりもずっと手前の標高1190m位の所にある。)
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 ここは、右岸を小さく巻く。途中で右写真の枝沢を越えていくが、容易。
RIMG0357C1240左叉RIMG0358C1240右叉
 標高1230m二又。左写真左俣、右写真右俣。右に入る。
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 水量は減ってきたが、相変わらず巨岩は続く。
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 目指す稜線上に、尖峰が見えてきた。翁岳の形大分変わっちゃったなあと思ったが、正しくは翁岳の隣のゲンコツ岩(食パン岩)だった。
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 標高1440mの二又を左に少し進むと、13:40、左俣唯一最大の核心、上部ガレ場が出現。まずは、この巨大チョックストーンをどう越えるか。以前下った時は、はるか上から一気に、50mロープ2本つないで懸垂下降で降りた。今回はその手は使えない。右岸の壁が行けそうにも見えたが、出だしが厳しい。他パーティの記録通り、内部の隙間をよじ登ることにする。
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 難所に挑む前は、いつも以上に周囲の景色が切なく輝いて見えたりする。
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 いざ、突入!ザックを背負ったままだと通過するのがギリギリの隙間に、冷水が流れていて、冷たいは滑るはで予想以上に難しい。Ⅲ級上。帰宅後、記録を当たると、普段は水が流れていないらしい。道理で苦労したわけだ。
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 その後、一気に傾斜を増す斜面。なるべく不安定な岩の上を行かないように、左岸の岩盤を選んで進む。
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 振り返るとこの高度感。
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 それにしても、今日は水が冷たくて痛いなあと思っていたら、犯人はこれでした。
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 いよいよ源頭が近づいてきた。
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 最後の詰めの笹薮は、丈が低くて腰レベル。北沢右俣に比べると、全然大したことない。が、少しでも楽に行けるよう、沢筋から外れて、今度は右岸寄りの岩盤を選んで行くようにした。稜線上のトイレも見えてきた。
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 15:30、翁岳コルの稜線上登山道に着。まずまずのペースで登れて満足。当初ここで一泊する予定だったが、明朝から天気が崩れる予報だったので、今日中に頑張って淀川小屋まで行ってしまうことにする。
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 投石平、花之江河を通過して、
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 18時、淀川小屋着。何とか、日没前に間に合った。小屋には台湾人の女性登山者が1人だけいた。
 翌朝は8時頃までゆっくり寝て、予報通りの雨の中を下山。紀元杉10:45発のバスに乗って帰った。


 安房川北沢左俣は難易度3級。途中の見どころは滑り台の滝だけで、あとはいつもの巨岩が続く感じで、右俣と比べると正直見劣りがする。その分、巻きの大変さもないのは助かるが。上部の急登は落石を起こさないように注意が必要。初級者連れの場合、ここでザイルを出すべきかどうか、微妙な判断が求められる。(ガレ場で安全に確保できる場所も限られるので。)最後の詰めは楽ちんで爽快感に溢れ、来てよかったあと思ってしまう。この点は右俣とは正反対の魅力。源頭のトイレも、携帯トイレ専用ブースで、臭くないのでご安心を。

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九重ほぼ全山ランを無事に終えて,遡行人さんオススメの福元屋でこれを書いています。教えてもらった通り,食事がメチャうま,特に米の美味しさが抜群ですね。貴重な情報ありがとうございました!!

北沢左俣・・・非常に懐かしい風景です。上部ガレ場は左岸にもっと草付があったように記憶しているんですが,すっかり岩盤が露出していますね。岩の間に流水があれば濡れてさぞかし難しかったことだと思います。お疲れさまでした。

安房川河口~北沢右俣~宮之浦岳遡行は,私の中で最後に残された屋久島の課題となっています。遡行人さんとぜひ足跡を残しておきたいと思っていますので,ぜひぜひよろしくお願いします。
インヤン | URL | 2019/05/14/Tue 07:40 [EDIT]
お疲れ様です。
 九重全山ラン、お疲れ様でした。自分へのご褒美としては最高のお湯&食事だったのではないかとご推察します。

 そう、岩盤は、右岸じゃなくて、左岸でした。修正しておきました。自分が12年前に行った時も、わずかにあった潅木にシュリンゲをつけて懸垂下降できたのですが、今回確保支点になりそうなところは皆無でした。難易度少し上がってる印象です。

 安房川、もう誘わないで下さい(笑)。小楊子の疲れが取れずに、先週はいつもの筋トレ+ランニングメニューをこなせませんでした。翌週に九重全山ランをやってる人とは体の作りが違いますよ~。
屋久島遡行人 | URL | 2019/05/14/Tue 17:59 [EDIT]
安房川,ありがとうございます!遡行人さんと一緒ならもう遡行したも同然です(笑)。

一応計画では,下部,荒川出合,右俣出合,焼野下で4泊して最終日にヤブ漕ぎと下山かな~と考えています。これができれば屋久島における永久保存版の遡行になること間違いなしです。

どうぞよろしくお願いいたします。
インヤン | URL | 2019/05/15/Wed 20:57 [EDIT]
ごめんなさい。
私では本当に無理です。
応援しています。
屋久島遡行人 | URL | 2019/05/16/Thu 21:31 [EDIT]
復活されましたね♪
宮之浦川の記録から音沙汰なかったので少し心配してましたがご無事でなによりです♪
インヤンさんの小楊子川遡行記録拝見し飛んできました。
翁岳沢は懐かしいですが遡行スピード速い!我々の1.5倍のスピード、、ていうか如何に自分たちの遡行が遅いか思い知らされます。
今年のG/W前半で安房川北沢右股予定でしたが全国的に低気圧が入って寒いから中止に。同じ沢で3回流れたのは初めてで縁がない沢になってます。
小楊子川遡行されてた時、知人は大川を遡行しましたがG/W後半は天気が良かった様ですね。
ここ数年は計画する度に流れて屋久島から足が遠のいているので夏に水遊びでも予定してみようかなと思っています。
Pooh | URL | 2019/05/17/Fri 01:55 [EDIT]
Poohさん、お久しぶりです。
コメントありがとうございます。
今年のゴールデンウイークは後半晴れたものの、沢は増水が引かず、下流部はかなり厳しいものがありました。
遠くからの来島だと、じっくり天気待ちもできなくて大変だとは思いますが、今回で懲りずに北沢右股、是非行かれてください。左股以上に茗渓だと思います。
屋久島遡行人 | URL | 2019/05/17/Fri 17:43 [EDIT]

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