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黒味川上部(モチヤマ谷)・屋久島沢登り記録
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 前回の続きで、10月13日の、モチヤマ谷遡行の記録。
 天気、曇一時小雨。
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 5時15分、まだ真っ暗な中を起床。昨夜は異常に暑く、シュラフカバーは使わす、雨具も着ず、ダウンの上下は途中で脱ぎ、更にシュラフを上からかけるだけで十分だった。床面の足元が下がっていたため、夜中に何度も起きて体勢を立て直したりしていたが、9時間近く総じて良く寝た。6時5分、寝床となった大岩に挨拶して出発。さすがに黒味川本流。昨日よりも岩のサイズが大きい。
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 この滝は、なんとなく、前回来た時の印象が残っている。
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 水量はそこそこあるが、水にはほとんど浸からずに遡行できるのがこの時期としてはありがたい。
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 左写真の8m飛び出し滝はかなり手ごわそうに見えたが、右岸にかかる倒木を慎重に登ってクリア。
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 目の前に大きな滝が見えてきた。
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 7時35分、メンガクボ(左写真、左股)とモチヤマ谷(右写真、右股)の二俣着。水量は1:2でモチヤマ谷が黒味川の本流であることが分かる。
 メンガクボは数年前に遡行しており、今回はモチヤマ谷に入る。モチヤマ谷の滝は落差15m。今回最大の滝だったが、左岸を簡単に巻ける。
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 左写真、落ち口から下を眺める。滝の上部は、大岩が姿を消して、ナメになりそうな雰囲気。
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 岩盤地形で、スタスタ歩を進める。
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 この程度の滝は楽勝、楽勝。
 モチヤマ谷は、昨日の七五谷と違って赤茶色の花崗岩があまりなく、滑らないのが嬉しい。この日派手に転ぶことは1回もなく済んだ。昨日あれだけ転びまくったのは、靴のせいばかりでなく、岩質のせいが大きかったのかもしれない。
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 時に、倒木+巨岩もでてくるが、隣のメンガクボに比べると全く何ということもない。快調に標高を上げていく。
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 この日、よく見かけたこの花(名前は知らない)に癒されていると、9時15分、標高1060m地点に唐突に巨大堰堤が出現。よくもこんな山奥にこれだけの構造物を造り上げたもんだ。果たしてどれだけ治水効果があるのか不明なのだが・・・。地形図で確認すると、右岸の上を並行して走る林道はここで終了。恐らくこの堰堤を造るために作られたものなのだろう。
 標高1080mの二俣を左に入ると、一気に水量は減る。
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 実は堰堤より下部は、何カ所かワイヤーロープのかけらが転がっていたりして、「人跡未踏の秘境」という感じではまるでなかったのだが、ここより上部は雰囲気が一変して「手つかずの大自然」感が満ち満ちてくる。
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 白谷雲水峡を軽く凌駕する圧倒的な苔の世界。
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 私の一番好きな芋焼酎「大自然林」のラベルを描かれている高田裕子さんの絵の世界がそのまま現出している。
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 時に、倒木に行く手を阻まれるが、メンガクボを思えば乗っ越すのに何の苦労もない。
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 10時半、1240mの二俣着。ピンクテープがあった。太田五雄さんがつけたものだろうか。右俣は枯れ沢だったので、左俣に入る。
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 左、来し方を振り返って。かすかに小雨もパラつき、幽玄そのもの。
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 いつまでも水の枯れる気配はない。久しぶりに緑以外の色を見た気がする。
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 そろそろ稜線かと思いきや、まだこんな巨岩が出てきて、最後のひと汗をかく。
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 いよいよ、スカイラインだ。稜線上の湯泊歩道まで距離あと50mくらいかなと思っていたら、ピンクテープ出現。湯泊歩道は地図とは違って、稜線の西側斜面をトラバースしていた。荒れた登山道なので、ピンクテープがなければ気付かずに通り過ぎてしまうところだった。12時半。予定コースタイムより30分早く着いた。完全な水枯れまであと数十m残していたが、時間が迫っているのでここで切り上げて登山道を下ることとする。これなら何とか日没までに帰り着けそう。
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 1分の歩きでワレノの岩屋着。ここに寝たいかと言われれば、よほどの大雨の時以外は断るだろう。
 ここから、ミノの小屋跡までの道のりは、荒れに荒れていて、コンパス片手に何度も行きつ戻りつを繰り返した。沢の中の方が楽だった。地図のコースタイム1時間半のところ、1時間50分かかってしまった。その先は、昨日来た道を急ぎ足で下るのみ。右写真、モチ田跡(?)を通過。
 16:10、登山道入口着。
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 ここから先が、最後の核心、林道歩き。昨日も歩いたのでびっくりはしないが、完全に廃道と化している。せっせと歩いて、18時5分、何とか林道ゲートの車着。日没ギリギリであった。助かったあ。この日はきっかり12時間行動、へとへとに疲れ切った。


 モチヤマ谷は難易度3級。七五谷同様アプローチの大変さを加味すると3級上としていいかもしれない。隣のメンガクボが、ひたすら巨岩+倒木に苦労させられて最後に楽園のナメが待っているのに対して、こちらは前半こそ巨岩が多めだが後半は一貫して苔生した原始の森が続く。困難な滝や滑りやすい岩がなく登りやすいのも好印象。アプローチの遠ささえいとわない人には、屋久島の大自然の最深部を彷徨できる沢の一つとして、自信をもってお勧めできる。登攀具は不要。ザイルもまず使わない。靴は、フェルト、アクアステルスどちらでも大丈夫だと思う。市販の登山地図の湯泊歩道や林道のコースタイムはかなり短く、よほど小走りで歩かないと達成できないので、気を付けた方がいい。

Comment

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七五谷はさておき,モチヤマ谷は1回は遡行しておいても良さそうですね。特に上部のコケの具合が素晴らしいですね。

1泊2日の沢,お疲れさまでした。
インヤン | URL | 2019/10/28/Mon 14:37 [EDIT]
七五谷が冴えなかっただけに、モチヤマ谷は期待以上の収穫でした。メンガクボ程のインバクトはありませんが、黒味川の本流でもあり、もう少し遡行されてもいい沢だと思いました。
屋久島遡行人 | URL | 2019/10/28/Mon 20:37 [EDIT]
今日はお話ありがとうございました。お会いできて光栄です。
遠方でなかなか来る機会は少ないかと思いますが、来られる時はご一報ください。引き続きどうぞよろしくお願いします。水車復活に向け、尽力します。
ホシ | URL | 2020/01/11/Sat 19:38 [EDIT]
ホシ様。
こちらこそ、期せずしてお会いできて良かったです。
水車むらで太衛さんがやりたかったことを、新しい世代が引き継いでいる姿を垣間見ることができて、頼もしく、大変嬉しく思いました。
次回は家族連れでお邪魔しようと思いますので、その時はよろしくお願いいたします。
水車復活、是非頑張ってください。陰ながら応援しています。
屋久島遡行人 | URL | 2020/01/13/Mon 18:32 [EDIT]

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