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『邂逅の森』・読書日記
 ここ数日、熊を追いながら、ずっと東北の雪山の中を歩き回っていた・・・。

 と言っても、実際は屋久島にいたのだが。
 優れた文学は、実際に旅したかのごとく、読者をその土地・時代にタイムスリップさせてくれる。この作品がまさにそれであった。
 秋田の貧しい小作農の家に生まれた主人公が、マタギとして山、熊と対峙しながら生きていく姿を描いた作品。今まで良く知られていなかった、マタギの生態や20世紀初頭の東北山村の習俗が、見事に活写されている。最後の方は、話があまりにうまく展開しすぎてちょっとくさいが、それは小説だからしょうがない。むしろ、フィクションならではの面白さ・醍醐味を久しぶりに味わわせてくれた、と評価したい。
 読む人によっては、登場人物たちの話す東北弁が読みにくくて抵抗があるかもしれない。しかし、僕は母方が秋田の大曲の人間で、幼い頃は毎夏大曲で過ごしていたので、彼らの語り口もどこか懐かしく、かえって親近感を持ってしまった。考えてみれば、僕の先祖を辿っていけば、中にはマタギを生業としていた人もいるだろう。僕の中に流れるマタギの血、それがこの本をここまで興奮して読ませた気がする。
 そもそも、沢登りにここまではまって、屋久島に流れ着いたのもこの辺に遠因があったのかな。なにか、人生の謎が一つ解けたような気がする。

 この本の存在を教えてくれた、北大時代の友人に感謝。

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