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『世界がキューバ医療を手本にするわけ』・読書日記
 カストロ率いる社会主義国、キューバの医療制度についての本。
 著者の吉田太郎は、キューバの有機農業政策を紹介する本を何冊か書いている。僕も以前一冊読みかけたことがあるが、その書きっぷりがあまりにキューバ寄り一辺倒なために、途中で読む気をなくしてしまった。社会主義国ならではの自由の欠如はないのか、という辺りの疑問が解決されないままなので、しまいにはもしかしてこの人はキューバのスパイなんじゃなかろうか?と疑いたくなってしまうのだ。
 今回の本も、やはり相変わらずキューバ大絶賛に終始する。(大体、題名からして、誰もまだキューバ医療を手本になんかしてないぞ!と突っ込みたいところではあるのだが。)しかし、著者の思い入れと言うか偏向ぶりを差し引いて読んでも、キューバの医療政策の素晴らしさ、見習うべき点が多々あることは認めざるを得ない。
 そもそも、現在の日本では、グローバルスタンダードの御旗の下に、アメリカ(≒アングロサクソン)流のやり方が何でもベストと考えられている。アメリカに留学した人間が、アメリカ帰りというだけで我こそは一流といわんばかりに、さも偉そうにのさばっているのが悲しい現実である。これは、経済、医療、建築等々あらゆる分野であてはまる。
 しかし、その実、医療に関して言えば、アメリカは乳幼児死亡率や平均寿命に関して先進国中最悪といっていいほどに悪く、他方で、アメリカの7分の1の所得の発展途上国キューバが、実はほとんど同じ健康水準を維持している。
 と言っても、キューバは元々健康大国であったわけではない。1959年のキューバ革命で、中・上流階級が国外に亡命したために圧倒的な医師不足となり、さらには1962年のアメリカの経済封鎖以来、医薬品、医療機器が全く手に入らないという絶望的な状況に置かれている。そんな国が、どうしてここまで立ち直れたのか、その秘密がこの本で明かされる。

 一例を挙げていくと・・・。
 キューバにおいては、癌治療から心臓移植まで、国民の医療費は全てタダ。医科大学6年間の授業料、生活費等も全てタダ。しかも驚くなかれ、この医科大学はアメリカを含む28ヶ国から1万人以上の留学生も迎えているのだが、彼らも全員タダなのである。こうして医師が量産された結果、医師数は、国民165人あたり1人で、世界最多。彼らが、全国土にくまなく配置され、予防医療に奮闘している。そして、HIV治療薬や各種ワクチンは、安価なものをキューバ独自に開発している。
 経済的な問題については、産油国ベネズエラがバックに付いてくれたことが大きい。

 こうして、アメリカのやり方に反旗を翻し、苦労しながらも着実に成果を上げている国、キューバ。今後日本が進むべき道の参考として、是非一度この目で直接見たい国である。

 ところで、町で時々、「5歳の○○ちゃんの命を救うためにはアメリカで心臓移植手術を受けなければなりません。そのために必要な○000万円の募金にご協力を」というポスターを見かける。募金目標額が1億円を超えるものも結構ある。
 善意の人たちが多いから誰も表立って言わないようだが、一体全体、どういう計算をすると1億円を超えるのか。アメリカの大金持ちにこれ以上貢ぐ必要はない、10分の1の値段でキューバで何とかならんのか!と思うのは僕だけだろうか。



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