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安房川中上部・屋久島沢登り記録
安房川河原
 残暑の日が訪れないまま、屋久島にも完全に秋がやってきてしまった。もう、今年の沢登りはおしまいかと思いながら、今日10月18日、安房川に行ってきた。
 前回の続きで、小杉谷から大株歩道入口まで。同行はいつものH店長。
 6時小瀬田出発。7時荒川歩道入口より歩き始め。8時小杉谷より入渓。
 最初巨岩が続くが、サイズは小振りで乗っ越しはそれほど大変でない。20分ほどで出てくる巨大な堰堤を越えると、後は1枚目の写真の如く単調な河原歩きとなり、快適にペースを稼げる。
安房川淵1安房川淵2
安房川淵3安房川淵4
 所々で上の写真のような大きな淵や小滝が出てくる。夏場なら大喜びで飛び込む所だが、さすがに今日の屋久島は、気温、水温ともに1ヶ月前の白神山地に近いものがあり、水に入る気にならない。なるべくへつって行くが、それでもどうしても胸まで水に浸からないと進めない場所が出てくる。ウエットスーツを着てきて正解。
 途中、楠川別れの下辺りの河原は、ちょっとした河岸段丘様になっていて、休憩したり水遊びをしたりするにはベストの所である。実際、縄文杉帰りのパーティを一服させるために、ガイドさんが連れてくる所らしい。
安房川紅葉
 今日の沢は、暑い夏の盛りに水の中にガンガン突っ込んで行く時のような、「大人の夏休み」的ワクワク感はない。が、秋晴れの空の下、所々始まっている紅葉を眺めながら河原歩きをするのも、また別の味わいがあって、なかなか良いものだと思った。

安房川大岩安房川大岩2
安房川突破ルート安房川突破ルート上から
 乱れ谷出合を過ぎてしばらく進むと、10時半、大岩が出現。ここを越すのがなかなか大変。
 右岸寄りの岩の隙間(右上の写真では、左から1つ目と2つ目の岩の間、白い水線が流れ出している所)を、ショルダーで越えたが、これが見た目をはるかに越えて実に厳しい。①二人の身長の合計が350cmあること、②下の人は完全に直立して両肩で上の人の足先をしっかり支えられること、③上の人は前腕のフリクションだけを使って懸垂のつもりで全体重を持ち上げられること、以上3条件が全て揃わないと登れない。僕が先に行って何とか突破。続いて二人の荷物を吊り上げる。
 いよいよ下に残されたHさんの番。2つ縦に連結したアブミをキャメロットで固定して垂らしたが、アブミが空中を浮遊しており、足が空しく空を蹴り込むだけで登れない。僕がキャメロットでセルフビレイを取り、ザイルで上から引っ張り上げにかかるが、Hさんの上半身がのけぞってしまい手がホールドに届かず、まだダメ。Hさんにテープスリングでショルダーハーネスを作ってもらい、これにもザイルをつなげて上半身も引っ張り上げられる形にした上で、二人が全腕力を振り絞って何とか登り切れた。
 こんな汚い登り方に級数をつけるのもなんだが、Ⅴ級近くあるんじゃないか?
 突破できて、満足満足。

核心滝へのアプローチのへつり
安房川核心滝1安房川核心滝2
 続いて、淵の奥の4m2段の小滝。これも難しい。淵の水深が予想より浅くて、取り付くことはできた。1段目は容易。2段目は、かなり強い水流の中、今ひとつ信じられないフリクションを頼りに両足を突っ張って一か八かで何とか突破。思わずガッツポーズ。落ちても大怪我はないと思ったのでザイル無しでトライしてみたが、Ⅳ級+。左手の岩にはしっかり前人のハーケンが残っていた。Hさんも登れるとは思ったが、せっかくなので安全のため、上からアブミを出した。

 安房川ゴルジュ滝1安房川ゴルジュ滝2
 そして、いよいよゴルジュ帯が出現。25mの淵の先に、2mのチョックストーン滝がかかる。覚悟を決めて冷水の中を泳ぎ始める。20mまでは行ったが、水流が強くて残り5mがどうしても進めない。左右の岩壁はツルツルでまともなホールドはない。バイルをザックから外して手に握っておくんだったと思ったが、後悔先にたたず。頑張って立ち泳ぎしていたが、急に頭がアイスクリームを食べすぎた後のように痛くなってきた。手先も冷たさのあまり動かなくなってきた。まずい、このままでは溺れ死んでしまう。ふと、ダイビングの時を思い出し、ウエットスーツの中でおしっこをしてみる。途端に体が温まり、無事泳ぎ戻ることが出来た。
 まあ、この滝は、仮に辿り着けたとしても、登るのは困難を極めるでしょう。夏場に数人で同時に泳いで行って、ハーケンを打つトップを水流に流されないよう周りの人が押し止めている、もしくは、便所吸盤を持っていくとかの裏技を駆使しない限り、突破不能と思います。
安房川トロッコ道安房川ゴルジュ滝3
 悔しいけど、左岸を巻きにかかる。シダ地帯は危ないので、それを避けて10m位上がったら、ヒョッコリ、トロッコ道に出てしまった。偶然その瞬間、トロッコ道を下ってきたガイドのSさんと遭遇し、お互いびっくり。
 トロッコ道を上流に進んだら、5分もしないうちに、12時半、今日のゴールである大株歩道入り口に到着。ちなみに、途中のトロッコ道から見下ろした、ゴルジュの先(「本物の核心部」)が右上の写真。今日は中のチョックストーンが隠れるほど水量も多く、大迫力。これでは、水が完全に枯れでもしない限り、突破は無理でしょう。少なくとも今の僕らの実力では・・・。この後、大株歩道から、再び安房川に入り、「本物の核心部」を上流からも眺めてみたが、やっぱりすごい。実物を近くからこの目で見て、はっきりあきらめがついた。
 トロッコ道の下りは結構飛ばして、15時荒川登山口着。
 帰ってから、Hさんを自宅に呼んで鍋会をした。

 これで安房川は、3シーズン5回に分けはしたものの、河口から宮之浦岳まで完全につながった。(大下部歩道より先は、ブログには残していないが2年前のG.W.に北沢右俣遡上~宮之浦岳~左俣下行を1泊2日でやっているため。)何とか、今年中の課題を達成できて満足。

 安房川中上部は前半は初心者コースだが、後半の核心を考えると3級上の難易度。核心を巻かずに僕らのように直登しようと思ったら、ザイルの外にキャメロット3個+アブミ2個は必要。

 安房川全体を通しての印象。
 宮之浦川(竜王の滝までしか行っていないが)や小楊子川左俣と比べると圧倒的なスラブのゴルジュと言うのはなく、また巨岩の乗っ越しが余りに冗長過ぎるきらいもあるが、上部から下部まで変化に富んだ渓相はなかなか面白いと思う。一番面白いのは、やはり最下部であった。(但し、真夏に行かないと地獄。)ここの存在だけでも、日本百名谷に選ばれてしかるべきだったと思う。
 それにしても、これを3日で一気に遡上したインヤンさん達の実力には恐れ入る。

 

Comment

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高いショルダーのスタンスは、肩→頭→組んだ手のひらまで頑張りましょう。でもずっこけに注意です。フォローは、上から肩がらみでロープを垂らして、アセンダーかプルージックで登るといいです。
mossforester3 | URL | 2009/10/19/Mon 20:08 [EDIT]
ひょえー
まだ、書きかけなのに、早々とコメント頂きありがとうございます。

両手を挙げて相手の全体重を支えるなんて、よほどウェイトトレーニングをしてる人以外無理な気がします。それに、もし落ちたら落差2m以上、大怪我確実でしょう。
海外遡行同人はそんなことまでしてるんですか!びっくり。
それに比べると我らが屋久島遡行同人はやっぱりお遊びレベルですねえ・・・

あと、ブラーンと垂れ下がったロープを登るのって、練習が要りますね。
屋久島遡行人 | URL | 2009/10/19/Mon 20:34 [EDIT]

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