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『マタギ-矛盾なき労働と食文化-』・読書日記
マタギ
 僕は生まれも育ちも東京神田であるが、ルーツを祖父母の代より前にさかのぼると、秋田が半分、福島が四分の一、千葉が四分の一となる。つまり、東北の血が四分の三も流れているのである。そのせいなのか、寒い所が苦手で南国屋久島に移住したものの、マタギ系の本を見つけると体内の血がおどり騒いでしまう。
 この本は、帯にある通り、「秋田・阿仁地区に住む現役マタギ達の猟や生活を撮影したカメラマン16年間の記録」である。
 マタギと言うとプロの猟師を想像する。が、昔はともかく現代のマタギは、皆本職(旅館業だったり鍛冶屋だったり公務員だったり)を別に持っていて、週末に趣味として山に入るだけであった。また、雪山で熊や兎を狩るイメージばかりあるが、他にも川魚を獲ったり、茸を採ったりと、山の神からの贈り物を広く戴く人々であった。そして悲しいかな、後継者がほとんどいないため、現在ほとんど高齢者ばかりで、絶滅の危機に瀕している。
 この本は、そんな彼らの暮らしぶりを伝える叙情溢れる文章もいいが、狩猟現場を活写した豊富なカラー写真が最大の魅力である。山の中でのマタギ達の表情の良さには惚れ惚れしてしまうし、熊や兎の解体風景などは、写真でこそ伝えられる情報の威力を改めて痛感する。

 マタギ達は、売れば結構な金になる獲物を一人で見つけても、親戚や仲間に「マタギ勘定」で当分に分配する。「獲れた獲物をキロいくらで売れるから儲かる、だから山に入ると考えるようでは駄目なのだ。」「金を拝むことを喜びとはせず、自然の中から深い喜びを得る暮らし。そしてそれを共有できる人たちとのつながりを宝とする、素晴らしい生き方」を実践する人々。僕の憧れである。

 自分が彼らと同じ位年をとったときのことを考えてみる。ディケア施設で折り紙や輪投げをしていたいのか、公民館でグランドゴルフをしていたいのか、それとも、一人山で獲物を追いかけていたいのか。もう、言うまでもないことだ。
 しかし、都会はもちろんのこと、ここ屋久島でマタギ的暮らしは可能なのか。その可能性の低さを考えると思わず東北に引っ越して、本物のマタギに弟子入りしたくなってしまう。
 そんな昨今、僕のブログで知り合ったSさんと自宅で飲む機会があった。Sさんもどうやら狩猟採集(や農耕)に興味があるらしく、屋久島でのマタギ的暮らしの可能性についてひとしきり話が盛り上がった。
 まず、狩りについては、後継者難の屋久島猟友会に入って、害獣駆除としての鹿狩りが出来る。
 茸は、さすがに東北の落葉広葉樹林には全くかなわない。
 そして、釣りである。屋久島はもちろん海釣りのメッカであるが、僕らのしたいのは渓流釣り。屋久島の川は水がきれい過ぎてプランクトンが繁殖できず、川魚も生息できないと俗説では言われている。しかし、1971年に今西錦司が放流したヤマメの子孫が、安房川中流域に今も棲みついているのは昨夏の沢登りで確認済みである。ならば、他の河川にも稚魚を放流して、屋久島を渓流釣り天国にできないものか?もちろん、このことに関しては法律的、生態学的にいろいろな問題、批判があるだろうことは容易に想像できる。でも、今回初めて同志を得たので、ちょっと本気で検討し始めている。これについて詳しい方からのご意見、情報提供求む。

Comment

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ヤマメ
は安房川だけじゃなくて他の川にも居ますよね。
知ってる人のみが愉しむ分には十分な天国なのではと思います。

あとうちにダイワの作った「屋久島でアユを釣る」ってビデオがありますが見られますか?
K崎 | URL | 2010/02/11/Thu 22:56 [EDIT]
ほんと!?
あ、そうなんですか?
知りませんでした。
愉しもうという姿勢が、僕にまだなかっただけなんですね。
今年の沢登りは、また楽しみが一つ増えました。共に頑張りましょう。
来月位、二又川男谷→耳岳あたりから沢始め、考えてますよ。
アユ釣りは、難しそうなので、僕はパスです・・・
屋久島遡行人 | URL | 2010/02/12/Fri 08:28 [EDIT]
はじめまして。
こんにちは。
自分は今年の5月に屋久島に移住します。
まず自分と同じように考えている方が屋久島で行動しているのに心強く感じました。
渓流釣りが大好きで狩猟にも興味関心があります。 まだ狩猟免状しか取れていませんが今年には銃刀法をとりたいです。
屋久島の渓流に関してはヤマメがいるというのは知っていましたがまだまだ屋久島について狩猟や川釣りの情報が多くありません。 情報交換できたら幸いです。
K氏 | URL | 2017/02/15/Wed 10:19 [EDIT]
K氏様へ
 コメントありがとうございます。
 3年前から島内で鹿肉を処理して販売することができるようになり、鹿猟は少し盛んになってきているようです。移住されたら、猟友会の方にコンタクトしてみることをお勧めします。
 ただ、屋久島で狩猟採集と言うと、ポピュラーさ、手軽さ、確実性から言って、海釣りが最高だと思います。子供でも結構釣ります。
 ちなみに私は、最近、野菜・キノコ・バナナ栽培や養鶏にはまっていて、すっかり農耕牧畜民になってしまいました。
屋久島遡行人 | URL | 2017/02/17/Fri 10:51 [EDIT]

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